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高校生のための「コロナ経済入門」

この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:結局コロナ経済とは何だったのか。実はこの検証は誰もやってない。やってみたら、経済の本質もわかった?

なんで今さらコロナなの?

キミはそう言うだろうね、だけれど、忘れっぽいキミのために講義するんだ。

日本人は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」国民なんだよ。

https://qr1.jp/6toFWl

阪神・淡路大震災はもちろん、東日本大震災も、下手すると今年元旦の能登大地震すら忘れている。

忘れているっていうのは、正しい忘れ方ならいいんだけれど、日本人はそうじゃないんだ。

正しい忘れ方とは、きちんと検証する、ということだ。

福島原発事故がきちんと検証されてないのと同じく、コロナの検証もされてない。

ゲスワークとは何か

今、4年前のコロナ真っ最中の頃の、欧米の新聞を読み返しているんだけれど、コロナ経済とは何かということをズバリ一言で表現した、あるエコノミストの記事に出くわしたんだ。

そのエコノミストとはドイツ・ベルリンのシンクタンク、フォーラム・ニューエコノミー(Forum New Economy)のサイモン・ティルフォードさん(Simon Tilford)だ。

彼はコロナ経済の本質を明らかにしただけでなく、コロナ経済下で我々はどうすべきかの処方箋までくれているんだ。

今から、それをキミに伝えるけれど、あまりに単純すぎて拍子抜けしてしまうかもしれない。

それはこういう言葉だ。

「われわれは未知の領域にいるんだ。それがコロナ経済だ。だから、必然的に、たくさん『あてずっぽう(guesswork)』をやらなきゃならない」

サイモン・ティルフォードさん
https://qr1.jp/s04eSz

ゲスワークとはいったい何か、オックスフォード大辞典によれば、それは
the process of making a guess when you do not know all the facts: (事実をすべてわかっておらず、自分が正しいかどうか自信がない時に、特定の質問に答えること)という意味だ。

https://qr1.jp/wKcREG

あてずっぽう、と訳したのはちょっと訳し過ぎだが、英和辞典には当て推量という訳ものっているから、あながち外れてはいない。

俺流に彼の言葉を解釈すると、こうなる。

「コロナ経済って、今までなかった経済なんだ。だから誰も正解はわからない。手探りで仮説を立てて進むしかない。」

筆者の解釈

事実は全部わからないが、論理的に考えれば、こういうことが当てはまるのではないだろうか、これがゲスワークなんだ。

例えば、アメリカのコロナ経済政策は、以下のようなゲスワークに基づいた仮説だ

1.経済活動完全ストップ経済

コロナ経済は数ヶ月も経済が止まる現象だ。

すると労働者の給与が止まるけれども、借金の利息や住宅ローンは払わなくてはならない。

でも普通の人は貯金を切り崩しても、数ヶ月持たない。

コロナは最低6ヶ月続くから、一刻も早く国民全員にキャッシュを渡せ。

政府がとった経済行動:2兆ドルを国民に提供。

2.モノのコストだけ上がる経済

コロナ経済が普通のリセッション(不況)と違うところは、売りたくてもものがないので、売る人がいないから売れない、買いたくても外に出れないから買えない、ということだ。

経済の基本である需要もないし、供給もない、ってことだ。

でも、商品のコストだけは上がる経済だ。

3.自然災害下とは違う経済

ハリケーン・カトリーナが地域すべてを竜巻に巻き込んで、あとはペンペン草も生えなくなった。

経済は完全に止まった。

でもコロナ経済とはやっぱり違った。

カトリーナで経済が止まるのはせいぜい数週間さ、でもコロナは最低6ヶ月、1年、2年と続くんだ。

ハリケーン等の災害経験が、コロナに応用できると考えたエコノミストは、うかつだった。

4.援助はスピードが命

2兆ドルキャッシュを大盤振る舞いすることは、間違いでなかった。しかし、それはスピード感がなければダメだったのだ。

なぜならば、一ヶ月、一週間遅れただけで、人々はその分だけ苦しむだけだからだ。

まだまだ、米政府の仮説に基づいた経済施策は、たくさんあるが、今日はこのくらいにしておこうかな。

結論として、アメリカ政府のコロナ経済に関してのゲスワークは、ほぼ正しかったと言えるだろう。

キミだけの経済学を創れ

くだんのエコノミストは、コロナ経済を未知の領域、と喝破した。

でも、考えてみれば、現在の経済も、かつてない経済であり、すなわち未知の領域なのだ。

キミは、この未知の経済を生きるためには、仮説を立てて、自分の論理を信じて進め。

そして、自分だけの経済学を創るんだ。

野呂 一郎
清和大学教授




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