上海ロックダウンは計画経済の亡霊なのか?
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:上海ロックダウンに見る習近平の強迫観念が中国経済をダメにする、かも。習近平とプーチンに生じた”シンクロニシティ”の正体とは。しょせん計画経済と資本主義は相容れず、その致命的な欠点が露呈したのがこの”上海経済事変”。
バレットクラブのつぶやき
いきなりプロレスネタです。
5月1日、福岡ドーム、内藤哲也の挑戦を退けた、IWGP王者のオカダ・カズチカを襲ったのは、新日本プロレス・バレットクラブの首領、ジェイ・ホワイト。
コロナで1年ぶりの新日本プロレス・マット登場でした。
明後日大阪城ホールで、そのオカダ・カズチカとIWGP王座をかけて戦うジェイがこんなことを言っているんです。
「コロナで日本ほど厳しいところはないな」。
でもジェイに言いたい。
「中国はもっとひどいよ」、と。
上海ロックダウンの異常
ニューヨーク・タイムズ2022年5月8日号(Weekly)は、面白いタイトルで今回の中国政府の上海ロックダウンを揶揄しています。
「上海ロックダウンでよみがえる、中国の計画経済の亡霊Lockdowns revive ghost of a planned economy」
計画経済、言わずと知れた共産主義体制の経済システムです。
でもこれは旧ソ連、北朝鮮でも、そして中国でも機能しないことが明らかになりました。
計画経済とは、市場に需要と供給の規制を任せるのではなくて、政府が経済活動をコントロールするやり方のことです。
中国は、貧乏から抜け出すため、計画経済をやめました。
そして今や米国に次ぐ世界No.2の経済大国にまで成長したのは、皆様御存知のとおりです。
しかし、「いま習近平がやっている”ゼロコロナ政策”は計画経済そのものじゃないか、中国を暗黒時代に戻すつもりか」、との非難が中国内外で日増しに大きくなっています。
ロックダウンが中国経済に与えるダメージ
ゼロコロナって、きりがないでしょ。
いつまでロックダウンやるの、そんなの習近平の気分次第だよ、そんな現状ですよね。
これが続くと、まじ、中国経済やばいでしょ。ここに、このロックダウンの異常さが見え隠れします。
中国経済は今や精巧なマシンです。
14億の消費者がいて、1億5千万がビジネスにたずさわることで、このマシンは効率的に動いてきました。
しかし、パンデミック抑制の名のもとに、中国政府はこの順調な経済の足を引っ張り、危機に落とし入れています。
全国民の4分の一にあたる、3億4400万人の人民が外出できなくなり、最大都市上海ではこのロックダウンで2500万人の経済活動が止まりました。
北東部の農民は春の種まきのシーズンなのに幽閉され、工場やお店、レストランは操業中止に追い込まれています。
この異常な厳しい措置は、中国経済に多大な犠牲を強いています。
公的なデータによれば、3月の消費は3.5%下落し、レストランでの消費は16%減りました。
とは言え、中国政府も経済停滞を少しでも和らげようと、従業員を大量に解雇するのを防ぐため、企業が政府に払う失業保険を免除したり、企業への光熱費の負担を軽減したりはしています。
しかし、2020年のコロナのあの第一波のときよりも、締め付けは厳しいし、それは広範囲に及んでおり、企業の痛手は大きくなる一方です。
あとでまた述べますが、習近平が患ってるゼロコロナっていう神経症状は、冷静な判断ができない状況にあるということで、彼の気分次第でいつまでも続きますよ。
今、中国って、ちょっとおかしいでしょ。
ロシアよりも危ないかもしれないですよ。
上海ロックダウンの謎を解く
僕は個人的には、2つ理由があると考えます。
解説:現在の中国は国家の統制下での資本主義です。
しかし、資本主義はその本質において自由を志向するがゆえに、中国の国家統制というテーゼと矛盾し、時に反逆がおきます。
コロナ禍は、国民の安心安全という免罪符があるので、計画経済的な国家主導の命令を発動するいいチャンスです。
コロナが再び猛威を振るおうとしているこのタイミングで、お上に逆らったらどういうことになるのか、恐怖支配がまだ生きていることを知らしめておこう、中国政府はそう考えたのです。
解説:ゼロコロナという意識自体が、神経症状的ですよね。
完全主義もここまで来ると、狂気です。
権力者っていうのは、プーチンもそうなんですが、懐疑主義の権化なんですよ。
自分がいつ権力から追い落とされるか、心配でしょうがないのです。
それは異常な警戒心を引き起こします。
プーチンのウクライナ戦略と同じくらい、ゼロコロナ政策は狂気に満ちています。
プーチンと習近平は、シンクロしてんのかしら。
だとすると、この上海ロックダウンは、ウクライナ侵攻の写し鏡かもしれず、世界はもっとこれを注視すべきと考えます。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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