手持ち無沙汰になると足の爪を剥いちゃうって癖があるんだけどさ。もちろん白いとこだけね？

だいたい犠牲になるのは小指。

僕の小指は、幼少の頃からサイズの小さい靴を無理やり履いていたせいか丸まってしまっている。
骨だけ見ると、くの字。いやどっちかっていうと、への字。
そして色んな圧力がかかってずっと腫れている。
でも爪は何故か地面に沿って平行に生えようとするから若干反り上がっている。
そんな変な小指だ。

変だからこそ爪が伸びてくると、すごく気になる。
僕はスマホでマンガを読みながら、むいむいと小指の爪を剥いていた。
爪の端っこに切れ目が現れ剥けていく。
その途中で気付いた。

これは、ダメなところまで剥けてしまう。

つまりピンクいところだ。
もはや僕の小指の爪は、ピンクいところがあるのか無いのかわからないくらい小さいけど存在はしている。
だって前にピンクいところ剥いたら痛かったもん。
バンソーコー生活したもん。

あるかわからないところでも、侵してはいけない領域がある。
確認してみるとやっぱり。ピンクいところに亀裂が走っていた。
よかった確認して。
亀裂自体はもう手遅れな場所にあるけど。

大人しく爪切りで白いところをちょいちょい切っていく。これで大丈夫。オールオッケー。

な、わけもなく。
これを書いているときも、僕の小指はじぅんじぅんと小さな痛みを発している。