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日帰り縛りある都内主婦に伝えたい洞窟プラン2022夏〜大岳鍾乳洞(東京)〜

 どこかにいきたいけどそうそう自由な時間も限りがある、夕方にはしれっと自宅に戻っていたい、いなくてはならない縛りの都内主婦へ。日帰りでいける洞窟があるぞ。都内に。(※2022年夏時点の記録)

07:59着 JR東日本五日市線の「武蔵五日市」駅

6時台には出て4,5回は乗り換えて到着した「武蔵五日市」駅…旅感。

 駅構内でトイレを済ませ、武蔵五日市駅前のバスロータリーでバスを待つ。登山グループらしいおばちゃんたちに横入りされる。わかる。バス来たの見たら思わず走り込んでしまったんだよね、なにかあるともうその瞬間、対象物しかみえなくなっちゃうんだよね。年代的なのか私も最近そうなのでわかる&わかる。そして後になってからようやく周囲の状況に気づいてカーッと眼の前が赤黒くなって身悶える。なので許す。私も許されたい。

08:17発 西東京バス[五15]上養沢行き(バスロータリー1番のりば)
「大岳鍾乳洞入口」
で下車。(約27分/500円)

鍾乳洞へ進む道。この時点で楽●モバイルは途絶えた。

 バス停には登山客が複数名いたが全員違う方向へ消えていく。平日の朝から洞窟に行こうとしてるのは自分だけらしい。山には行くのに穴にはいかんのかそうか。自分だけか、そうか、いつも選択がそうだ。さみしい。

 ここで復路のバス停の時刻表を確認して、戻る時間をちゃんと決めた方がいい。鍾乳洞までは徒歩片道30分弱、鍾乳洞自体は2、30分、合計1時間半はみたほうがいいのでそれにちょうどよいバスを逃さないようにしておく。(逃すとなにもないベンチで現地の小学生が書いた「クマちゅうい」手書きポスターと一緒に長時間待つ羽目になる)

自分しかいない林道。
前をみても後ろをみても自分しかいない山道。
夏なので涼を求めてやってきたがここまでの寂しさはちょっと…の渓谷。綺麗…。寂…。

 1本道なので迷うことはないけど心細い。しかもバス停降りたときから携帯キャリアの電波は失われたがんばって楽◯モバイル〜〜〜〜〜〜〜〜ッ。

そこそこ歩いて視界がひらけたとおもったら更に先というか闇がある。
え〜〜ここ通るの?1人で?電波も届かないのに???

 どんどん不安になっていく道の先の先、歩いてたしかに30分くらいの先に、ようやく施設の気配がみえてきた。

つ、着いた〜〜!ようやく人間を1人(受付)、みることができた。

 受付で入洞料金を支払い、ヘルメットを貸与される。ハハッ…と思うも、のちのちコレがないとどうにもならないと実感する…ヘルメットないとほんとヤバい…。

鍾乳洞口前にはアトラクションの身長制限のように
ここまで屈めなければ入れません、の木枠があり、かなり低い。

 洞窟は、入り口の注意書きにあった身長確認模型どおりに天井が低く、腰を屈めて進むので、その姿勢の維持がつらい人や閉塞感ある場所が無理な人にはかなり厳しめな空間。アトラクションならライドが勝手に進んでくれたりそこかしこにエスケープ出口があるかもしれないが、ここは自力で入り自力で出るよりないただの「穴」なので、ここでちゃんと諦める勇気もまた必要かもしれない。

最初からこちらを試してくる鍾乳洞入口。低い。
入っても本当に低くて、狭い。暗い。

 個人(おばあちゃん)がハンドメイドで整備した洞窟らしく、そのハンドメイドさが全面に押し出てくる。手芸すきだから勝手に親近感湧く。こつこつ制作をせずにはいられない、わかる。
 そこかしこにそこそこな未整備の穴があるが、メインの通路が指し示す穴とその大きさあんまり変わらず(どちらも狭い)、うっかり間違えて入り込んでしまいそうになる。

左行ったらどうなるのかな。
アッこの奥いけそう(行きません…!)
ライトある部分は明るいけど光源ない部分は実際はこの奥くらいに暗い。

 洞窟、1人で入るものではない、と足踏み入れたそうそう感じた。しかも自分以外誰もいない穴に。観光地のようなものだろうと軽々しく普段着できたが、洞窟内移動はそこそこハード。狭い、低い、水が出てる、滑る。ヘルメットは貸与してもらえるが始終頭ぶつける。孤独。誰もいない。
 入洞前、というかバス停降りたときから携帯の電波が通じなかったので家族にも連絡しそこね、誰もここにいることを知らない不安と、閉所恐怖症ではない筈なのに低い天井の暗闇に一人しゃがみ込んでいたら根源的な恐怖がやってきた。オカルト的な怖さは微塵もない。たこのタイミングで地層的になんかするインシデントあったら詰む、とひたすら天変地異が、ハンドメイド感あふれるちょっとグラついて信じきれない木板が、金網が、天井に噛ませた木棒が、こわくなる。

おばあちゃんのコンパクト設計なので先が低い、ひたすら低い。
床が鍾乳で濡れてぬめぬめテラテラと足元危うい。
身を屈めて進むよりない。軍手もってきたのえらい。
おばあちゃんのあたたかな手作り階段を上に。
おばあちゃん心づくしの濡れた木板を便りに下へ(ちょっと滑る)
おとげない(自身の上下左右の確保に必死で)
ここからどうやって上がっていくのか絶望にくれる自分こと軽装(普段着)。
みてね〜いわれても高性能のiPhone様をもってしても捉えられない天井、
まさにインフィニティ。
ヌラヌラてりてりしてる。もちろん足元もヌラヌラしてる。

 生来の方向オンチなのもあり、最期の方でガイド板の矢印を間違ったらしく同じところに戻ってしまい、出られない…!と泣きそうになった。人間1人なの、ほんとうよくない。だれかいてほしい。

上からの滴りがすごい。ダバダバいって上から下からの浸水がすごい。
出口。生還した…!

 この天井の低さと狭さ、1人での怖さも相まって出口の光のありがたさ、胎内めぐり感としてはかなり上位だと思う。洞窟体験ほぼないけど死と再生感あった。ありがとう…光…生…!

洞窟とか地底ぽさへのリスペクトコーデ、としてのヒルコTシャツ(via.諸星大二郎)

 洞窟を出た途端、安堵の鼻息にも似た外界の熱気で瞬時にメガネが曇って前が見えなくなる。でも出てこれたよ!生還したよ!今日から生きれるよ!のハイテンションでまた、30分バス停までくだる。

バス停前の神社に、無事生還のお礼をする。
都内とは思えぬ、いいロケーションですね…。

そして神社前にあるバス停より
10:22発 武蔵五日市駅方面五15(西東京バス)

に乗り、途中下車して温泉にも浸かってビールのんでしれっとした顔で帰宅、充足した1日となりました。温泉情報は気力あったら書きます…。

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