父親から息子への手紙(生きている内に書いておこうと)別に死ぬ予定はないけど先のことはわからんから

父親から息子への手紙
別に今すぐ死ぬ予定はないけど先のことはわからんから、生きている内に書いておこうと。今5歳の息子が10歳になるくらいに伝えられたら良いな。

会社経営者(カフェ・撮影スタジオ・飲食開業コンサル)のひとり言
  君へ    2018年 6月吉日

 月日の経つのは早いものです。君の母から「もうすぐ生まれそう!」の一報を聞いて、東京から西宮の病院に車で向かったのがつい最近のことのように思い出されます。そのおよそ1ヵ月後から、3人の生活が始まりましたね。それからというもの、君には本当に毎日たくさんの喜びを貰っています。君は父に大きな「生きる意味」をプラスしてくれました。本当にありがとう。この手紙は、父に万が一のことがあった時でも、君に少しでも良い人生を歩んで欲しいと思う気持ちから書いています。できれば、暖かな家庭ながらもケジメはあって、でも自由な環境で挑戦したい事はなんでもでき、何不自由なく暮らしてもらいながら君の成長を見守りたいのですが、それが叶うかどうかは解らないから。小さいながらも会社の社長をしていると、本当にいつどうなるか解らないので、生きている内にこの文書をしたためます。少しでも君の人生の役に立てれば幸いです。

■人生の意味
■君の人生、時間
■読書 学び
■仕事・友人・社会環境
■就職・時代
■起業
■時代を先読み
■父からの希望
■失敗と成功と時の運
■最後に(もし私が死んでたら)

■人生の意味

 人生の意味が何なのか?父にもわかりません。それは、君が君の人生を生きていく中で自分自身が発見、または創造すべきものです。それをより確かなものにするために、これからもたくさんの知識を吸収し、経験をし、他の人の意見にも耳を傾け、自分自身の人生の意味を探す旅を、より充実したものにできるよう出来る限り応援したいと思っています。そもそも人生にも地球にも宇宙にも何にも意味などない(と、父は思っています)のだから。誰しもゼロからスタートで最後はゼロに戻ります。ただし、生きている途中に経験する様々な事は決してゼロでも無意味でもありません。その「生きている過程」にすばらしい意味を与えるのも、無にしてしまうのも人間自身なのですからどうせなら、君の人生を素晴らしいものにしてみようではありませんか。

■君の人生、時間

 どんなときも、自分が歩みたいと思う人生。自分が「格好良い」「こうありたい」と思う理想的な自分。そのために、どうなるべきか?どうあるべきか?を考えてみてください。難しいとき、しんどいときでも、「今の自分はこう考えるけど、理想の自分ならどう考えるか?どう行動するか?」を考え、行動してください。

それは、今ではなく理想の自分の行動なので、今するのはとても辛いかもしれません。でも、それは自分が理想とする行動のはずなので、気合入れて少しでも理想に近づけるよう努力してください。これは、自分で考えた自分のための理想の自分であり、だれかに決められたものではないはずだから努力する価値があるはずです。できるだけ自分にウソをつかないように。

ただし、その「理想の自分」も定期的にアップデートするようにしてください。なぜなら、若い頃は知識も経験も乏しく、また、時代や環境はいつも変化していくからです。いつも学び続け、より洗練された「理想像」を手に入れ、それに近づくための努力、行動をしてくれることを切に願います。

自分の理想の自分を自分で決めよう。

それがおぼろげにでも見えてきたのなら、それに近づくのも遠ざかるのも、人生の中の「時間」の使い方ひとつです。子供の頃の感覚に比べると、大人になってからの時間はとてつもなく早く流れているように感じます。今の君にとって、1年はとてもとても長い期間のように感じているかもしれませんが、父や母にとってはあっという間で、祖父母からみると、もっともっと早く感じていることでしょう。原因は慣れややるべき事の多さなどいろいろあるかもしれませんが、言いたいことは、若いときほど使える時間がたくさんあるのだから、自分の人生にとってプラスになることを、その貴重な時間を有意義に使って、たくさんのことを経験して吸収して欲しい。という事です。人生は時間で出来ています。どんなにお金持ちになっても手に入れられる時間には限界があります。時間を大切に。

■読書 学び

 君にぜひ覚えておいて欲しい事は、学ぶことの大切さです。もちろん、学校や塾の勉強も含みますが、頭の良さとは何か?を、いつも考えるようにしてください。学校などで教えてもらえるたくさんの知識や考え方もそうですが、自分の興味のある分野を見つけて、その上で幅広くたくさん読書するようにしてください。

本は安い割りにとても良い先生です。書いた人の考えやものの見方がまとめられています。オトナになると、君のために時間を割いてまでいろいろと教えてくれる人は激減します。一人もいないかもしれません。子供の頃は仕事として教えてくれる先生はいるかもしれないけど、その先生の時間は限られるので、君一人にそんなにたくさんのことを教えるのは難しいと思います。(先生が立派な人かどうかは運次第だしね)その点、本は書かれるときに、時間をかけてしっかりとまとめられているものが多いので、内容を吸収し易い上に、自分の好きなときに読めます。これが特に重要です。誰かに何かを教えてもらうには、その「誰か」の時間を奪うことになりますが、読書は読む人の都合の良い時間に都合が良いだけ読めばよい。そんな都合の良い先生は、本(と、しっかりとまとめられたHP)くらいしかないと思います。ただ、いつでも良いからと後回しにしてはいけません。読書は今日しなくても特になんら問題にならないくらい緊急度は低いですが、君の人生、特に若い頃のステップアップのためには、最も重要な時間の使い方と言っても過言ではないくらい重要です。いつも、毎日、いつでも、どんなときでも、「今やっていることは、自分の人生にとってどれくらい重要か?」というのを確認してください。重要度のランクが低いことを減らし、高いことをたくさんする事が、君の人生にとって良い結果をもたらすのは当然のことなので、その点に気をつけて、貴重な人生の時間の配分をしてください。父は読書するようになったのは大人になってからですが、それでもたくさんの実りがあったと思います。

■仕事・友人・社会環境

 君がどんな仕事に興味を持ち、どんな勉強をして、どんな人生を歩むのか。今からとても楽しみにしています。父としては、そのために出来る限りのサポートをするつもりです。ただ、興味や面白さを満たすことと、安定して暮らしていけることに相反する部分が出てくるかもしれません。今後、世界や日本がどうなって行くかは誰にもわかりませんが、祖父の時代と父の時代も、中身は大きく変わっていると思います。祖父の時代には多くの自営業者がそれなりに儲かり、十分やっていけるものでしたが、父の時代にはより大きな資本がより幅を利かせる時代になっており、個人商店や中小企業には結構厳しいところもたくさんあります。チェーンオペレーション、規模の経済というものです。もちろん、これを書いている現在でも、自営業やフリーランス、父の会社のような零細企業で生活している人も多数いますが、祖父の時代に比べると儲かりにくく、環境は悪化していると思います。とは言っても、そんな中でも、先見の明があり、ゼロから立ち上げたベンチャー企業が大きく成長しているケースは、世界はもちろん日本にもいくつもあると思いますが、本当に一握りだと思います。正直、父は起業する業種を間違えたと思っています。もっとたくさんの知識や情報や交流を得て、もっと時代のニーズを先読みして起業するべきでした。父の失敗は、自分の出来ることを仕事にしようとした事です。出来るからと言って、それにお金を支払ってくれるニーズが存在、拡大するかは別の話しだと痛感しています。それでもまぁ、なんとかやってます。

っと、父の失敗談は時間が許せば後で書くこととして、君が起業するにせよ、就職するにせよ、その選択は10歳くらいからすでに始まりつつあると思ってください。それなりの知識や技術を身につけるには、どのような学校で学ぶか?は、とても重要だからです。専門的な知識を学校という場で教えてもらえる環境を大切にしてください。学ぶ機会はオトナになると、金銭的にも時間的にも体力的にも得るのがどんどん大変になってきます。また、同じレベルの友人というのも学校で得られると思います。自分がレベルが高いと思う友好関係はぜひ大切にし、卒業後もたまーにで良いので連絡取るようにしてください。仕事を始めてすぐの頃は、だれもが皆ぺーぺーなので、たまに集まっても会社や上司の愚痴くらいしか話題がないかもしれませんが、10年20年と経つと、優秀な人はそれなりのポストに着いており、それなりの権限をもっているはずです。それが追々重要になってくると思いますので、良い友人はぜひ大切にしてください。そして、その友好関係の中で、自分が友人にどのように貢献できるか?を自問してみてください。君の助けになってくれる友人にとって、君は友人に対しどんな貢献ができるか?できているか?親子でさえ、君と父の関係でさえ、君が与えてくれるたくさんの笑顔や幸せな時間がなかったら、父がこんなにたくさんの愛情を持って(自画自賛)君を大切にできるかはわからないのですから、友人という関係においては、貰ったもの以上に与えるよう注意してください。友人もそう考えられるような人間であるなら、その友好関係はとてもすばらしいものに発展していくと思います。

■就職・時代

 現在の日本において、優秀さや頑張り=収入という図式は、ある程度成り立ちはするものの、どんどんその割合が減ってきていると思います。例えば、「稼いでいる」という人の中身を見ても、自分のチカラや能力で稼いでいるより、稼ぐ仕組みを持っている組織(企業)にいるから、それなりの報酬や待遇がもたらされている場合が多いです。もちろん、才能を発揮し起業したりフリーランスで活躍している人も多数いますが、成功が目立っているだけでその影には同じようなポジションを目指した人々もたくさんいるはずです。まぁ、どのような仕事を選ぶかは自分自身で選択すれば良いのですが、それは君がどのような人生に「価値」を置くか?次第です。

現代の日本において、日常の生活から切り離せないインフラや既得権益構造が出来上がっている組織や独占状態の企業に入れれば、(無能な人は別として)それなりの報酬が約束され、その中で優秀にも成果を出せればもっと良い報酬が。という流れがとても強いのが実情です。そして、既得権益や独占は益々強く、逆に弱小や自営は益々弱くなっていく傾向にあり、その流れは止めることは容易ではないと思います。人も資本もまとまった方が強いのです。そして、そこに誠実さやフェアーさはさほどありません。中小零細は問題があればすぐに消し飛びますが、超大手となるといろいろなものとの関係性や重要性などから、仮に大問題が発生した場合でも簡単には潰せないし、だれも責任を取らない、取れないので、結果として税金などの公金から補償され、中の人々は安泰。というのが今の時代です。通常のルールであれば退場すべき組織でも、潰した場合の影響が大き過ぎる場合には存続する事になるし、その際の給料も出ます。まったく誠実でもフェアーでもないですが、これが現実です。世の中は理不尽なもので溢れているのです。

ルール(法律)は基本的には適用されますが、巨大なものが動く場合にはそのルールが変更される事もしばしば。微妙なラインは解釈次第でなんとでもなる。この流れは余程のことがない限り変わらない、変われないと思われるので、就職の際には注意してください。また、就職するにしても、そのような大企業でありつつ、成長性のある事業を展開している企業を見つけて就職活動するようにしてください。とにかく、就職の際の会社選びが大変重要だという事です。それに比べれば、入社してからの頑張りや成功は意味合いは小さいように見受けられます。大切なのは、マンパワーで成り立っているのではなく、「収益が自動的にもたらされる”仕組み”」を保持し、人々の生活に多大な影響を与えており、今後もその影響力は衰えるどころか益々増大しそうな企業や組織を捜すという事です。別にBtoCである必要はありません。BtoBでも、その会社の製品やサービスなしに成り立たない人々にとって重要なものがあるのであればそれで良いと思います。多数の顧客を相手にするより、少数の大口顧客を相手にした方が楽な部分もたくさんあるかも。とにかく、その会社が潰れると日本(世界)にとって大打撃となるような組織をお勧めします。気持ちとしては、社会に出てからどのような成果、貢献を果たすか?というので評価され報酬を受け取るのがフェアだと思いますが、実際のところはどの組織において評価されているか?の方が重要度が高いので、組織選びはどこまでも慎重に。という事です。もし君が優秀でも、小さな会社で売上げを2倍にしたところで、超大手の売上げを1%上げられる方が評価も報酬も格段に上な場合がたくさんあるのです。たとえ、前者の方がはるかに難しい仕事だったとしても、報酬を得られるのは後者です。現代において、リスクとリターンのバランスはとてもいびつです。今後もその流れは加速していくと思います。そして、ルール(や法律)は常に全てに適用されるわけではない事、覚えておいてください。チカラのある者「資本、人数、票、名声」の都合でいくらでも曲げられ、変更され、新たに作られていくのです。

世の中は理不尽のカタマリです。そんな理不尽な世の中においてでも、愛情溢れる誠実な家庭やチームを作ることは可能だと思います。ただしそれは、リーダーになる人の覚悟や能力、人望や誠実さによるところが大きいと思います。もちろん、君がそれになるならそれなりの鍛錬が必要でしょうし、たくさんの失敗や経験をつまなくてはならないでしょう。君の成長過程で、運良くそういう尊敬できる人に出会え、その人の下で学べるなら、それはとても良い経験になると思います。良い人脈がつくれるよう工夫してみてください。

■起業

 何を思ってか、自分自身で起業するとなった場合、最初はなによりも収益性を重視してください。自動的に収益の上がる仕組みが作れるかどうか?最初以外、マンパワーに頼らなくても自動的に大きくなっていけるか?それに出資、投資したいと思う人が続々出てくるか?というのを十分に考えてみてください。設立から5年くらいで上場またはバイアウトできるくらいの内容のビジネスにしてください。上手く行ったらそこそこやって行ける。くらいのビジネスモデルはやめておきましょう。君の貴重な人生の無駄遣いになります。父が会社を立ち上げた頃は、自分のチカラでビジネスする事がなによりも面白く、エキサイティングで、自己承認も得られ楽しい!サラリーマンなんかやってハグルマになって、尊敬できない上司のいう事聞いてられん!って思ってました。実際そうかもしれませんが、現状の不安定さ(自分の能力不足のためですが)を目の前にし、母が居て、君が居て、毎日帰る家での時間が最も大切。と、なった今、不安定さゆえに、1年後や5年後、それ以降の想像をするたびに、目の前の不安がすぐに顔をのぞかせる状況というのは、心底落ち着き楽しむことができず、多大なストレスを抱えることとなっています。母が居て、君が生まれて、くらいの時ももちろん家庭は大切でしたが、今は何よりも君の成長を近くで見続け支えたいという気持ちが大きくなっているからです。それは君のおかげです。こんなにも大切な存在になってくれるとは思いませんでした。心から「ありがとう」を言いたいです。君も嫁さんをもらって自分の子供が出来たら、自分の中の価値観の優先順位が変わるかもしれません。どれだけ想像しても先のことはわからないこともたくさんあるので、いつも臨機応変に対応できるフットワークが重要ですね。

話が逸れましたが、起業するとなった場合、もちろん100%確かなものなど何もないですが、その頃には十分に蓄えた知識と人脈と情報を持ってその時の時代(社会環境)に合わせて考えることができるようになっていると思いますので、起業するのは止めないですが、どのようなビジネスで起業するか?は、十分に十二分に検討してください。それでも起業すると決心した場合には、覚悟を決めて、全力で、なりふり構わず、休みなどなく最低2~3年は突っ走ってください。そして、4~5年で上場またはバイアウトを目指して頑張ってください。はじめたからにはとにかく全力で。良い事も悪い事もたくさんおこるでしょうが、全部ひっくるめて前向きに突っ走る。障害となる人も、助けてくれる人も現れると思います。障害となる人に負けないよう頑張ってください。また、助けてくれる人には誠実に接しましょう。そして幸運にも安定した収益、成長がもたらされるようになった場合には第一線を退いて、本来やりたかった事を始める。それで良いのではないでしょうか。それは、収益性は低いが貢献性が高いものかもしれません。誰にも受け入れられないことかもしれません。でも、その時には君は金銭的にも時間的にも自由のはずです。その時まで、本当にやりたいことは胸にしまっておいて、起業する場合にはとにかく収益を第一に立ち上げて欲しいと思います。

■特に学んで欲しい学問

 ゲーム理論 行動経済学 統計学 プログラミング 企業経営(会計) 英語と数学 金融関連 フェルミ推定 確率論

■その他、父が興味ある分野

 量子力学 遺伝子 宗教 陰謀論 ロボット工学 ビッグデータ 人類の歴史 人工知能関連 相対論

■ぜひ、読んで欲しい本

 七つの習慣 TQ心の安らぎ(タイムマネジメント) 予想通りに不合理 利己的な遺伝子 罪と罰 

 戦略的思考とは何か(エール大学式) 成功の9ステップ

■注意

 本を読んだからと言って、その全てを鵜呑みにする必要はありません。さまざまな人の意見に触れ、自分なりの考えを確立し、必要な部分は取り込み、必要でないと思う部分はひとつの知識としておいて置けばよいのです。

■時代を先読み

 父もたくさん、後になってから「あの時、ああやってれば良かった。」「あの事業で会社を起業していれば・・。」「あの株、あの通貨、あのコイン(最近)買っておけば・・・。」というのが山ほどあります。そう思うのは、自分の不勉強と想像力の欠如ゆえです。冒頭にも書きましたが、父が思う頭の良さとは、「知識量」「欲しい情報へのアクセス」「関連性を見出すチカラ」「合理的に先を推量する能力」このあたりだと思っています。先にあげた「学んで欲しい学問」参考にしてください。知識と想像力、まとめるととにかくこの2点。何が役に立つか、後にならないとわからない事もたくさんあるから、若いうちはとにかくインプットしてみる事が良いと思います。知らないことには興味の持ちようもないし。

■父からの希望

  父の希望としては、君にどんな人間になって欲しいかというと、それは「強く優しく賢く、勇気ある男」です。なぜならそれは、父自身の理想像でもあるからです。もしかしたら君は別の理想の自分があるかもしれません。まぁ、ここはあくまで父の希望という事で。
しかし「まじめ」や「正直」は程ほどで良いと思っています。ルールやまわりの評価はとても流動的なので、「まじめ」にしろ「正直」にしろ、社会的には程ほどに、自分の信念に対しては誠実に。というのが良いと思います。

日本は法治国家ですが、法律は決して完璧ではありません。環境や時代に追いついていない法律もたくさんありますし、先にも書いたように、チカラのある人々の都合で解釈も変われば、法律そのものも変わってしまうことも多々あります。なので、常に必ず法律は守らなければならない。という固まった考え方には反対です。法を理解した上で、自分の頭で考えて判断するようにしてください。無視するのではなく、理解した上で、その法に反した場合の結果も考えた上で判断する。という事です。話が少し逸れましたが、賢いというのは学校の勉強だけができるという事ではなく、幅広い知識を持ち、自分の頭で考えられる。という事です。また、他人の立場に立って考えることは、優しさの源泉でもあると同時に、戦略を考える場合も有効(ゲーム理論)なので、ぜひ、上達して欲しいと思います。立ちはだかる壁や敵は、ルールを考慮しつつも、上手に、時に狡猾に、時には冷酷に対応した方が良いときもあるかもしれません。大切な人を守るためには、非情さも必要かも。その判断に自信を持って行動できる、ちょっとのことでブレない「信念・哲学」を持って人生に挑んでください。

■失敗と成功と時の運

 成功するために失敗はつきものです。失敗せずに成功できるようなことはきっと簡単な事だけです。簡単な成功を積み重ねるのも大切ですが、時には大きな勝負に出ることも必要かもしれません。けど、それは簡単な事ではないので、何度も失敗して心が折れそうになって、さらに頑張ってもダメで、成功とは程遠い状況に陥るかもしれません。そうなった場合、あきらめるのが手っ取り早いかもしれません。でも、ちょっと待ってください。何度も挑戦していく過程において、きっと君はそれを始めた頃よりも、心身ともに強くなっているはずです。なぜなら、心も身体もしんどい思いをすれば鍛えられるからです。心も身体も、どちらも鍛えるためにはストレスやプレッシャーが必要なのです。だから、あと1回、もう1回だけ頑張ってみませんか。必ず成功すると信じて。心と体の限界ぎりぎりまで。ただし、失敗の経験から考えて成功する可能性が当初思っていたよりかなり低い場合などは、持ち前の「賢さ」を使って、再度挑戦すべきかあきらめるべきかをしっかり考えてから行動してください。あきらめて別のことに労力やコストを使うことは決して悪いことではないのだから。その判断をするのも自分自身であり、あきらめることを受け入れるのも勇気だと思います。どんな時も、良い判断ができるよう、日ごろからたくさん学び、知恵を蓄えるようにしておいてください。

覚えておいて欲しいのは、この世界には自分のチカラや考えや努力だけではどうしようもない事が山のように存在しています。結果として、君にプラスに働く事もあればマイナスに働く事もあります。

全力で頑張ったのにダメな場合もあれば、テキトーにやってたら上手く行った。そんな事もあるでしょう。

そういうのを一般的に「運」の要素と言います。運はとても重要で大きな影響を与える可能性があるものですが、自分のチカラや影響力が及ばないから「運」なので、そこに意識や資源や労力を注ぐのはやめておき、少しでも成功する「確率」を上げられる事に労力を集中してください。

明日の天気をどれだけ心配しても明日の天気にはなんの影響も与えませんが、
・傘などを用意する
・移動手段、ルート、あるいは目的をのものを見直す
・他の日程の検討などリスクに備える
・雨でも楽しめる工夫をする
など、自分が影響する事ができ、かつ最終的に満足度を向上させるような工夫や準備をする事は十分に可能です。最終的には人生「楽しめれば」良いのですから、その目的を忘れないようにしてください。

大切なのでもう一度言いますが、「運」の要素は自分が影響できないから「運」なのだからあまり気にせず、上手に「運」と付き合えるようになって下さい。

■最後に(もし私が死んでたら)

禅ちゃん、生まれてきてくれてありがとう。父の息子になってくれてありがとう。健やかに成長してくれてありがとう。

はは、いつもそばにいてくれてありがとう。支えてくれてありがとう。お家のこといろいろありがとう。禅ちゃんのことありがとう。最愛の二人。君たちと過ごした時間は、父の人生にとって最高のひとときでした。たくさんの楽しい時間がありました。たくさん旅行にも行きましたね。本当にありがとうございます。父の不甲斐なさで迷惑かけてごめんね。もし、父がいなくなったとしても後の人生、仲良く楽しく前向きに、ゲンキに生きてください!君たちの幸せを切に願います。

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