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ビラ配りは優しく笑顔で断るのが正解

コロナ禍も終わり、マスクなしで巷を出歩く人の数もかなり増えてきた。
それと呼応して、駅前でビラ配りの姿を見る機会も増えてきた。

皆さんはビラ配りに対してどんなイメージをお持ちだろうか。
邪魔?しんどそう?特になにもない?
イメージと言われても、全く気にも留めたことがないという方も多いだろう。
ましてや、自分でビラ配りをした経験がある人など、ごく少数なのではないか。

僕はそんなごく少数のビラ配り経験者である。
なので配っている人の心もわかる。
この投稿を見た人が今後ビラ配りに遭遇した時、少しでも優しい対応を取ってくれたらと思い、書いている。

僕は大学の4年間、ビラ配りをしてきた。
バイトではないし頻度もそこまで高くないのでプロのビラ配りストからすると「舐めんな」と言いたくなるかもしれないが、世の平均以上にはビラを配ってきた自覚がある。

なぜビラを配っていたかというと、イベントの告知のためである。
どこかで書いたことがあるが、僕は大学時代まじめなイベサーに所属していた。
まじめなイベサーなので、地元住民も巻き込んだ学園祭や、新入生向けのサークルマッチングイベントなどを行っていた。
それらのイベントのターゲットは大学生となるため、僕はよく大学構内の人通りの多い狭隘地でイベントのビラを配っていたのだ。


ビラ配りはしんどい仕事だ。
時には炎天下の中、時には寒空の下、ビラを配り続けないといけない。
それに、よくいる「かっこいい」を履き違えた(サークルの活動にそこまで本気になるのはダサいという寒い価値観を持つ)大学生にとってこの仕事は特に苦痛である。
僕も若干その気があった。というより、僕自身はダサいとは思っていないが、周りからはダサいと思われているだろうなと考えてしまい苦痛だった。

そして最大の苦痛は、全然受け取ってもらえないことである。
こっちは本気で頑張っているのに、向こうは気にも留めずスルーしていく。
「すみません」と申し訳なさそうにジェスチャーで示してくれる人はいい。何も嫌な気持ちはしない。
だが、前髪重め茶髪マッシュ大学2年生の3人組は要注意である。
あいつらは重めの前髪で前があまり見えていないので、完全無視がデフォルトである。
最悪の場合、「なにこれー」と言って受け取ってはくれるが、すぐ見える位置のごみ箱に丸めて捨てたりする。
本当に視野が狭いというか、心が卑しいというか、重めの前髪をばっさり切ってやりたくなる。

その分、興味津々で受け取ってくれたときは言葉にできない喜びを感じることができる。
自然と「ありがとうございます」という言葉が出てくる。

この投稿を見た読者の皆様は、ぜひ街中でビラ配りに遭遇した時は優しく笑顔で断ってあげてほしい。
無視するなど言語道断である。

もちろん、興味がある内容なら受け取ってあげてほしいが、興味がないのに受け取るのは経費的な観点で迷惑行為になりうるので注意が必要だ。
特に大学生のイベントにおいては。

苦痛はできれば味わいたくないので、僕はどうやったらビラを受け取ってもらえるかを試行錯誤した。

ビラの代わりに団扇を配ったりしたが、これは効果抜群だった。
めちゃくちゃ受け取ってもらえる。
だが、経費が掛かる。

できればあまり経費を掛けずに済ませたい。
そして、行きついた答えは、
別に受け取ってもらえなくてもよいというマインドセットである。

ビラ配りの目的はイベントの告知である。
ビラを渡すことではない。
ビラを渡そうとするからもらってもらえないと苦痛になるのだ。

ビラを渡さなくても、イベントの魅力と日時が伝われば十分である。
それは声で十分伝わる。
だし、毎日やってれば自然と学生の記憶に染み付く。
だから、声を出して毎日配っている行為に意味があるのだ。

そうマインドセットすると、不思議ともらってもらえなくても苦痛ではなくなる。

これは仏教の唯識論に似ている。
自分の認識を変えると世界が変わるし、苦痛も苦痛じゃなくなるのだ。


だが、このマインドセットができている人は少ないと思う。
駅前のビラ配りストはみな元気よく配っているように見えるが、心を殺してピエロを演じているに過ぎない。と思う。

それもそうで、僕はイベント運営の当事者だったから、イベントを本気で成功させたいという思いがあったからこのマインドセットができた。
だが、ただの雇われの身、しかもビラ配りのためだけに連れてこられた派遣バイトなど、当事者意識が湧くわけがない。
当事者意識がないとこのマインドセットは成功しづらい。

なのでやはり、街中で見かけるビラ配りは、優しく笑顔で断ってあげよう。


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