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【実話】昔体験した不思議な話 3題

靴下を脱ぐ人影

これは僕がまだ保育園の頃の話。

当時の僕は両親と祖父母と一緒に住んでいた。
当時の家は築3~40年は経とうかという母屋に、1階が車庫で2階に寝室・ダイニングがある築10年ほどの家がくっついた、少し変わった構造だった。

何の変哲もないある晩のこと。
僕の父は公務員なのだが、その日は帰りが遅いらしく、いつもは父の帰りを待って食べる晩ご飯をその日は父抜きで食べていた。
いつも通り他愛もない会話をしていたと思う。

すると、リビングから廊下に出る扉の擦りガラスに人影が現れた。
大きさ的に父だと私は思った。
家の構造的には、廊下の先は新しい家との結合部である廊下が続いており、その廊下の突き当りには車庫と繋がる通用口がある。
仕事から帰ってきた父が駐車場から直接家に入ってくることも可能だ。
ただ、父はいつもそこから直接家に入るのではなく、車庫から一度外に出て家の玄関から帰ってくる。今日に限って通用口から入ってくるのもおかしい。
それに、車庫には電動のシャッターが付いており、父が帰ってくるといつもシャッターの開く音で分かるのだが、その日はまだ音が聞こえていなかった。

そんなところに少し引っ掛かりながら人影を見ていると、その人影はその扉の前で体の向きを右に向け、靴下を脱ぐような動作をし始めた。
廊下のその位置には靴下などの入ったタンスがある。
当時は「帰ってきたから靴下を脱いでいるんだ」くらいにしか思わなかったのだが、使用済みの靴下をタンスに戻しているのはおかしい。

そして脱ぎ終わったあたりでその人影はタンスの方に歩いていき、扉の擦りガラスには映らない場所に消えてしまった。

そのタイミングで僕はみんなに「お父さん帰ってきた!」と言い、さっきまで見ていたことを伝えた。
不思議がった家族が扉を開け見てみたが、誰もいない。
車庫を見ても父の車はもちろん無かった。

家族からは気のせいだろうと笑われたが、あの人影がどうしても幻覚とは思えず、今でもはっきりと覚えている。

それ以降、家の中で変な出来事は一度も起こっていない。

間違いなくあれはUFO

僕はUFOを見たことがある。
普通に連想されるUFOとは形が違うかもしれないが、あれはUFOだと断言できる。

それは小学校6年生の夏前ごろ、僕は小学校のグラウンドで少年野球の練習をしていた。
五月晴れの気持ちのいい日だったように記憶している。

僕はピッチャーだったので、グラウンドではなくベンチの裏にあるブルペンでキャッチャーの子と投球練習をしていた。
すると突然頭痛に見舞われた。
それまでは至って元気だったのに急にである。
まだ熱中症になるような季節でもない。

とにかく、立つこともしんどかったので、監督の車に乗せてもらい、助手席の背もたれを最大まで倒し、寝こんでいた。
春先のすがすがしい日である。エンジンを消して窓を開けて寝転んでいるだけでかなり心地よく、いつの間にか気分も良くなってきた。

するとその時、寝転んでぼーっと見ている窓の外、青空の彼方に2つの小さな白い球体が見えた。かなり高いところを、ゆっくりとこちらに向かって飛んできている。
最初は野球のボールに見えた。そんな見た目である。
でもボールなら落ちてこないとおかしいし、人間が投げたり打ったりしても絶対届かないような高さを飛んでいる。
すると鳥か飛行機か?
いや、どちらにしても形が真ん丸すぎるし模様ひとつなく真っ白だ。
鳥や飛行機ならもっと形もいびつでいろんな色が見えるだろう。

2つの謎の飛行物体は高度を維持したままスーッとこちらに向かってきている。

そのまま僕の真上付近に差し掛かり、車の屋根と重なって見えなくなった。

僕はもう頭痛は治っていたが、その飛行物体のことが気になりすぎて、反対側の窓から見えるようになるまでずっと待っていた。

車の屋根を通り過ぎて見えるまでに体感では5分ほど。
運転席側の窓から見えてきた時、なんとその飛行物体は3つに増えていた!

え?さっきは絶対2つだったよな。

そう思いながら目をこすってもう一度よく見る。
そうすると今度は4つに増えていた。

あれ?どういうこと?

と思いながらも、その時は
「めちゃくちゃ丸っこい鳥が高いところを飛んでいたのだろう。増えたのも、自分の目が悪くぼやけていたのだろう。」
そう自分を納得させて、練習に戻った。


ちょっと不思議なことがあったな。くらいでそのことは長らく忘れていたのだが、その3年後、あれはUFOだったんだと確信する出来事が起こる。

中学校で入ったバスケ部で夏合宿を行っていたときのこと。
県外の小さな民宿のようなところを借りて、2泊3日の遠征だった。
二日目の練習が終わり晩ご飯も食べ終わった。
これからシャワーを何人かずつ浴びて、決められた時間までに全員浴び終わらなければならない。決められた時間からは顧問も交えて一日の反省ミーティングが始まる。

僕は早めにシャワーを浴びれたので、早めにミーティングが行われる部屋に行きみんなが来るまでテレビをつけていた。
そこでやっていたのが、オカルト系の番組のUFO特集である。

その時UFOとして紹介されていた動画が、まさに僕が野球の練習中に見た謎の飛行物体そのものだったのである!
青空をスーッと飛ぶなぞの二つの飛行物体。
形や色、飛び方もそのまんまである。
やっぱりあれはUFOだった!テレビが言っているから間違いない!
そしてなんと、その動画ではそのUFOが2つから3つに分裂する瞬間も捉えていた。元々2つ重なっていたものが離れていくかのようにとても自然に分裂していた。

なにかこのUFOについて解説があるか?と思った矢先、顧問が部屋に入ってきた。どうやら決められた時間になっていたらしい。
そして「今からミーティングなのになんでテレビつけてんだ!」とめちゃくちゃに怒られてしまった。
そのせいでUFOの解説は聞けていない。
あれは結局なんだったのだろうか。

危機察知能力

僕は家族の命を助けたことがある。
あれはたまたまかもしれないが、僕が命を助けたことには変わりない。

僕が小学校低学年くらいのことだったと思う。
僕の兄は釣りが大好きで、よく父と一緒に釣りに行っていた。
僕もある程度大きくなってきたので、父と兄に連れられて一緒に釣りに行くことも増えてきた、そんなある日。

いつも行く堤防からは少し離れた漁港のあたりに釣りに行こうということになり、車で10分ほどの距離にある漁港に3人で向かった。
その日は、台風が来ているわけでもないにやたら風が強く、波もかなり高かった。
父は「ちょっと波が高くて危ないかもなあ」と言いつつも、やる気満々である。
漁港に伸びる堤防の先の方ではもうすでに釣り人が何人かいたし、天気も晴れているので大丈夫だと判断したのだと思う。

さあ、釣り人のいる堤防の先の方へ行こう。
そう足を踏み出したその時である。

僕の目には、その釣り人たちのいる堤防に大きな波が押し寄せ、堤防にぶつかっては5mはあろうかという大きな水しぶきを上げている。それなのに釣り人は全く気にせず釣りを続けている。
そんな光景が見えた。
今思えばそんな状況で釣り人がいるわけがないし、そこまで波は高くなかったと思うので、多分幻覚である。

でもそれを見てしまった僕はすっかり怖気づいてしまい、
「釣りたくない、帰りたい」とわんわん泣きだしてしまった。
あまりにも泣き止まないものだから父も兄も諦め、しぶしぶ家に帰ったのだった。

すると、その日の晩ご飯時、家族で食卓を囲みニュースを見ていると、ちょうど今日僕たちが行った漁港のあたりで釣り人が3人波にさらわれたというニュースが流れてきた。
「もしかしてあの時の釣り人かも…」と悲しくなる一方で、もしかしたら自分たちも死んでいたかもしれないと父と兄からは命の恩人として感謝されたのだった。

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