【推し短歌入門】 ひなあい短歌#2 『フェイク』


はじめに


『日向坂で会いましょう』から着想を得て短歌を詠んでみる企画「ひなあい短歌」の第二回です。

記念すべき(?)初回の記事は下のリンクからぜひ。

前回詠んだ短歌、今読み返すとちょっと固すぎるというか、キザすぎるというか、そんな感じがしたので、今回は"短歌で遊ぶ"を裏テーマに据えて詠んでみました。

せっかくバラエティ番組をお題にしているのでもう少し肩の力を抜いて、緩〜くいきたいと思います。



ひなあい短歌


【本当は28歳だけど久美さんの三十路を早めにお祝いしましょう!!】より

今回は3首。

数字とアルファベットが横になっちゃいました


今回のひなあいは「どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ」がテーマになっていたように思います。

『本当は28歳だけど久美さんの三十路を早めにお祝いしましょう!!』というタイトル自体が"それ"ですし、後半の『細かすぎて伝わらないモノマネ』も一種のフェイクというか、嘘というか、誇張というか。

「本当は…」なんて野暮なことは言わずにパーティーを楽しもうよ!そんな雰囲気を感じました。


おどろうよほんとのはなしはやめにしてミッキーは1人ミッキーは1人


おどろうよ
ほんとのはなしは
やめにして
みっきーはひとり
みっきーはひとり

5・8・5・8・8の形。三句目と下の句全体が一文字ずつ字余りになっています。

余計なことは何も考えずにパーティーを楽しむ。そんな無邪気な様子から"子ども"を連想し、上の句は全てひらがな表記にしました。

久美さんの人生を幼少期から振り返る番組前半の企画ともマッチしているかなと。

自分に言い聞かせているような雰囲気を出すため、下の句はリフレインに。

ミッキーマウスは"幸せのための嘘"の象徴のような存在だと思っています。

上の句の「ほんとのはなし」から下の句の「ミッキー」に繋がる抽象的なワード→具体的なワードの流れも気に入っています。

(時期が時期なら下の句は「サンタはいるよサンタはいるよ」にしたかったんですけどね。)


僕も幸せになれる?(うん信じれば)本当に?(うそ) 日々は続く


ぼくもしあわせになれる?
うんしんじれば
ほんとうに?
うそ
ひびはつづく

11・7・5・2・6の形。

破調の歌です。

本来破調なんて初心者が手を出していいようなものではないんですが、今回の裏テーマ"短歌で遊ぶ"に託けて、「えいや!」と挑戦してみました。

()を用いて二者間の会話を表現した短歌です。

今回の『日向坂で会いましょう』を一首にまとめるとしたらこの歌になるのかなと思います。


BダッシュAジャンプだよ覚えたかい?→↑↓で座り直すよ


びーだっしゅ
えーじゃんぷだよ
おぼえたかい?
みぎうえしたで
すわりなおすよ

5・7・6・7・7の形。三句目が字余りになっています。

平尾帆夏さんと清水理央さんによる見事なモノマネから一首。

若林さんからの合図を待ち続ける春日さん。その様子から操り人形、ロボット、操縦、コントロール、コントローラー、ゲームといった単語を連想。

オードリーの二人も遊んだというファミコンから"BダッシュAジャンプ"という用語を拝借し、短歌にしました。

若林さんが平尾さんにロボット春日の操縦の仕方を伝授している。そんなイメージです。

"座り直す"はとっておきの隠しコマンドなのかもしれません。



おわりに


字余り、リフレイン、破調、会話、記号、今回は様々な技法を用いて短歌を詠んでみました。

"短歌で遊ぶ"

とっても楽しいので皆さんもぜひ。

コメント欄にて、ご意見ご感想等々なんでもお待ちしております。

ではまた。【2023年を写真でルックバック!第1回日向坂46フォトコンテスト】放送後にお会いしましょう。

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