【旅日記】カンボジアの旅(2)雨のアンコール・ワットもまたよろし
潤いたっぷりの(?)アンコール・ワット
さあ~シェムリアップ到着の翌朝から、もうメインディッシュに参りますよ。早朝3:45amに起床し、4:45amにはオプションで別途予約しておいた「アンコール・ワット半日ツアー」が始まります。
Ayaさんという、とても明るい感じの若い女性のガイドさんが、ロビーで待機してくれていました。政府公認のガイドで、黄色い制服を着ています。
雨の降りしきる中、ホテルから一行は、一路アンコール・ワットへ。入場券売り場に着いても、まだ辺りは未明のほの暗さに包まれています。それでも結構いるんですね、巡礼者たちは。
いよいよ寺院の方面へ。傘を差し、ぬかるみに足を取られながら、懐中電灯で石畳や階段を照らしつつ、前の人の足元を頼りに、ひたすら前進。
黎明の光でようやく周囲も見えるようになった頃、ちょうどアンコール・ワット(Angkor Wat)のお姿が。えっ、早! もう着いたの?
巡礼者の皆さん、傘を差しながら、慣れない片手で写メを撮ろうと苦労しています。
シーン。と静まった皆さんの沈黙が、〈雨季に来るんじゃなかった〉という、決してその場で発してはいけない悔恨の本音を物語っています。
わざわざ朝っぱらから訪れたのは、ほかならぬ「アンコール・ワットで朝日鑑賞」という、ツアーの謳い文句に釣られたからなのですが(苦笑)
ハハハ……これが雨季真っ盛りに旅する者の運命なのだよ。
まあ、よく言えば、しっとり系のアンコール・ワットって感じ?(笑)
そうです、あの旅行パンフレットなどでよく目にする、乾季に撮影された褐色に映える寺院の姿ではない、しっとり系の潤いたっぷりなアンコール・ワットが拝めるのです!……と、いくら強がったところで、雨は雨。
それでも、目の前に世界遺産がおわすという荘厳な存在感は、雨が降ろうが槍が降ろうが、変わらぬもの。これはこれで、よかったですよ。
さて、もう少し寺院内を見回ってみましょう。Ayaさんのガイドのおかげで、アンコール・ワットの歴史に詳しくなりそうです(でも99%忘れた)。
いいですねぇ~、雨に濡れた石畳の趣(いい加減に諦めろ)。
あちこち連れられて歩き回っていると、いつの間にか、敷地内の軽食店に到着しました。そういえば、ホテルで包んでもらった朝食用のパンのことを、すっかり失念しておりました。お腹すいたー!
上が母親の注文した、あっさりスープ系のビーフンを入れた「クイティウ(Kuy Teav)」という麺料理。ベトナムのフォーに似ていますね。そして下が自分の注文した、スープなしで炒めたバージョンの「ミークイティウ」。
ちなみに、この「ミー」とは「麺」のことかと思いきや、クメール語で「炒める」という意味なのだそうです。マレー料理の「ミーゴレン」といえば、「ミー」=「麺」ですよね。同じ東南アジア文化圏という思い込みが覆される、なんとも面白い言葉の違いでした。
きつい香辛料がない、食べやすく美味しい麺料理でした。ごちそうさま!
800年の時を経た廃墟の貫禄
アンコール遺跡群の巡り方には、主に「大回りルート(Grand Circuit Tour route)」と「小回りルート(Small Circuit Tour route)」の2つが知られていますが、今回辿ったのは小回りルートでした。朝食後は少し車で移動し、バイヨン寺院(Bayon)で有名なアンコール・トム(Angkor Thom)に参ります。
このバイヨン寺院は、「クメールの微笑み」と呼ばれる四面像があることで人気があります。実際に、中国からと思しき団体観光客ご一行様が、すでに四面像を囲みながら写メに熱中していました。それにしても、ヒールの高い靴を履きながら、足場の悪い石畳や階段をも歩きこなしてしまう、中国のおばちゃんたちのガッツに脱帽!
アンコール・ワットでも数多くのレリーフが見られましたが、ここでも至る所に精妙なレリーフが彫られています。下の写真は、さしずめ古代の神話をモチーフにした彫刻版絵巻物、といったところでしょうか。
掌を器用に折り曲げながら舞う、クメールの伝統舞踊「アプサラダンス(Apsara Dance )」の踊り子たちを描いたもの。やはり地続きの国同士だからか、手つきといい被り物といい、どことなくタイ舞踊を思わせます。
ご参考までに、アプサラダンスの動画もどうぞ。踊りは、Royal Ballet of Cambodiaのクメール古典舞踊家・振付師のChap Chamroeuntolaさん、他。アンコール・ワットの前で繰り広げられる、プロの舞です。
さて、閑話休題。えーっと、どこまで行きましたっけ? もうどこがどこだか、よく分からなくなってきました(爆)
実はこのような、忘れ去られた名もなき廃墟の方が好きだったりします(いや、一応名前はあるんだろうけど)。煩わしい人混みもないし。
おっと、野生の猿も巡礼中ですか?
バンテアイ・クデイ(Banteay Kdei)、あるいはタ・プローム(Ta Prohm)……おそらくこの辺だったと思いますが、間違っていたらごめんなさい。とにかく、木の根っこに侵食され、苔むした石造りの建物が醸し出す、廃墟感がたまらんのです。
ひとまず、ここで小回りルートの巡礼は終了です。正午前には、すでにホテルへ戻りました。汗だくなので、すぐに入浴。そして午睡。午後からの旅程に備えて、ゆっくりと休養を取ることが肝要です。疲労困憊した肉体が回復してゆく、この心地良さもまた、旅ならではの醍醐味でしょう。
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