スーパーのチラシ

 よく郵便受けにチラシが入ります。あるスーパーのチラシが気になりました。「お買い得まみれ!!」とあります。このチラシが言わんとすることはわかります。しかし、「〜まみれ」で私が思い浮かぶ言葉は「泥まみれ」、または「一敗地に塗れる」ぐらいです。(私の貧困な語彙力かもしれませんが)

 「まみれ」はいい意味では使わないものと思うのですが、このチラシではそうではありません。このような使われ方を繰り返し目にしていると知らず知らずのうちに自分もそのような使い方をしてしまうのかもしれません。

 時時に、言葉はその意味・用法が変わってゆきます。敬語など、敬意を表す表現が多用されるに連れて敬意の意識が薄れ、全く反対の意味になってしまうものもあります。「貴様」などが典型例ではないでしょうか。

 本来はいい意味では使わない言葉が、そうではない使われ方が出てきているように思います。話し言葉での「やばい」がその典型のような気がします。書き言葉で現れるようになるかもしれません。

 言葉の移り変わりが、世の中の変化に強く引きずられているかのように、とても早くなっているように思います。

 源氏物語の現代語訳が出版されているように、そう遠くないうちに、明治大正昭和の時代の文学作品が、原文では理解できなくなり、現代語訳が盛んになる日がやってきてしまうのでは、と、つまらない心配をしています。


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