先日、テレビを見ていて、ちょっとした衝撃というか、思わず「面白い !」とおもった事がありました。 それはある若い俳優さんがインタビューに答えていった、その言葉、いいかたです。 「カコイチ、難しかったですね。」 「今までで一番難しかった役」だったというのを「過去一」と表現したのです。 「過去一」という言い方が、若い人たちの間では珍しくもないのかもしれませんが、私には新鮮に聞こえました。伝えたいことを簡潔に表しています。 「今までで一番」と「過去で一番」
今『星を見る人』(恩田侑布子著 春秋社)を読み始めたところです。副題が「日本語、どん底からの反転」とあり、それに惹かれたのです。 そして、いきなり「潺潺」という言葉が出てきました。初めて見る漢字です。 「せんせん」とルビが振ってあります。大国語辞典をひくと「《形動タリ》浅い水がよどみなく流れるさま。また、その音をあらわす。さらさら」とあります。 潺潺が使われていた文章を記します。 「全身から潺潺たる泉のような感情が沸き立っていた」 なんとなく、著者が表現しようと
先々週、雪国の「機関車」について書きました。 「雪国」についてもう一つ。 「国境」のよみは「こっきょう」なのか「くにざかい」なのか。 これまで色々と論じられています。 中村明の『語感辞典』をみて、ある程度すっきりしました。 「くにざかい:国境」について次のように記載されています。 「・・・「こっきょう」より直線的なイメージはなく、境界線の内側まで含む面としてとらえて・・・」 「こっきょう:国境」は「・・・「くにざかい」より厳密な感じがあり線的なイメージでとらえやすい・
月刊図書 4月号の巻頭記事で 五木寛之がモダンジャズの『花伝書』の題でマイク・モラスキー著の『ジャズピアノ』について書いています。 以下に引用します。 「マイク・モラスキーの著『ジャズピアノ』はモダンジャズの世界における『花伝書』といってもいい本だと思う。 (中略) ・・・理論書でもあり、同時に文字によるライブ演奏でもあるこの本に出会ったことで、私の音楽観は確実に変わった。 日本語の文章が、ジャズピアノのライブ演奏を聴いているような感覚を与える可能性を持つことを、私は
古書店で面白い題名の本を買いました。 『『雪国』の汽車は蒸気機関車だったか?』 酒井明司著 東洋書店 2009年12月25日初版発行 『雪国』の初めの一文は多くの人が知っています。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」私も、川端康成の作品は読んだことはありませんが、このでだしは知っています。 随分前に映画を見たことがあります。出演は、岩下志麻、加賀まりこ・・・。 映画では蒸気機関車が登場。ポスターなども蒸気機関車が牽引する列車の絵。原作通りだと思っ
大阪市 光臺寺 「 そうならねば ならぬのなら ありのままを ただ受け入れて ありがとう さようなら また遇う日まで 」 また遇う日まで の「遇う」。 「逢う」はよく目にします。時に「遭う」も見ますが、普段はあまり見かけない、そして使わない「遇う」。 意味は「会う」と同じですが、「偶然に」の意味が込められています。 離れてしまうと再会は、なかなかその機会は訪れないのかもしれません。 漢字は表語文字(発音・意味を表す)と言われてい
3月14日 朝日新聞 朝刊 27面 fashion 欄の見出しです。 「日常着にインパクト」 普段着ではなく日常着。当然、普段着、訪問着や外出着とは違うのでしょう。 日常着とは。 リードの中に「日常に目を向けたブランド」とあります。 本文記事を読むと、寝起き、働く姿、など3通りのスタイルという文言。起床し、働き、仕事を終えくつろぐ。多くの人の日常生活でしょう。それぞれに適した衣服を身につけています。 「日常着をアップデートをした」とデザイナーの発言が
よく郵便受けにチラシが入ります。あるスーパーのチラシが気になりました。「お買い得まみれ!!」とあります。このチラシが言わんとすることはわかります。しかし、「〜まみれ」で私が思い浮かぶ言葉は「泥まみれ」、または「一敗地に塗れる」ぐらいです。(私の貧困な語彙力かもしれませんが) 「まみれ」はいい意味では使わないものと思うのですが、このチラシではそうではありません。このような使われ方を繰り返し目にしていると知らず知らずのうちに自分もそのような使い方をしてしまうのかもしれません
いま逢坂冬馬の『同志少女よ、敵を撃て』を読み始めています。タイトルの「敵」は「てき」です。 最初の方に主人公のセリフで次の記載があります。「敵を皆殺しにして、敵を討つ!」最初の「敵」は「てき」ですが、次の「敵」には「かたき」のルビが振ってあります。最初の敵は見ず知らずの相手、次の敵は見ず知らずの敵ではなく、主人公が対峙しなければならない相手のことを指しています。誰なのかがはっきりしているのがわかります。(自分勝手な解釈なのかもしれませんが) 「敵に塩を送る」の「敵」
鶴橋から南へ二駅 寺田町という駅があります。この駅から徒歩数分のところに商店会とその前にバス停があります。商店会の名は「源ヶ橋商店会」ローマ字表記は Gengahashi shoutenkai 。バス停もローマ字表記は商店会と同じく -hashi- になっています。交差点名はというと、漢字表記は同じですが、ローマ字表記は -bashi- になっています。 なぜこうなっているのかわかりません。 多くの場合というより、普通、橋の名前の読みは「バシ」になります。濁音です
大阪の地名で「難波」というところがあります。ローマ字表記は「Namba」が多くありますが「Nanba」もあります。 ヘボン式と訓令式・日本式とのちがいです。 発音と表記を一致させようとするならばヘボン式がいいのではないのかなと思います。 また、月刊誌のHIRAGANA TIMESは Glomaji ( Global romaji )を提唱しています。「r」 は「l 」, 「b」 は「v」 といった具合です。訪日外国観光客が増加している昨今、ローマ字表記のあり方について議論
先日、あるテレビ番組でペットの犬の問題を取り上げていました。その時、司会者が「〇〇頭(とう)の犬」と発言しました。画面に写っていたのは、室内で飼育できる小型犬です。小型犬だから匹ではないのか。大型犬は「頭」、小型犬は「匹」と思っていました。 手元の『絵で見る「もの」の数え方』(町田健著 主婦の友社)を見ると、次の記載がありました。 「「通常は「匹」や「頭」を用いて数えますが、その区別は原則として大きさです。警察犬や盲導犬など、訓練を受けた犬は、大きさに関係なく「頭」
最近のテレビのニュースや新聞で目にした漢字、「道路啓開」。今まで見聞きしたことがありません。 啓発、啓蒙、啓示、拝啓などで、「啓」の漢字に接してはいますが、「啓開」とはどういう意味なのか想像がつきません。 辞書を引きました。 「岩波国語辞典 第八版」 記載がありません。 「広辞苑 第七版」 では、「切り開くこと。特に、機雷や沈船、土砂や瓦礫などの障害物を取り除いて水路や陸路を開くこと。「道路を啓開する」「啓開作業」 とありました。 「新明解 第八版
HIRAGANA TIMES 1月号の記事から There is a growing trend to sell essentially solid foods in beverage form , such as “ drinking cheesecake “ or “ drinking washoku ( “ Japanese cuisine .“ ) 「飲むチーズケーキ」や「飲む和食」など、本来は固形の食品が飲み物の形
ぬか床に、今流行りの言葉でいうと、ハマっています。ぬか漬けを作るために食材を買ってしまっているようなところがあるのを否定できません。生で食べられるものを、生で食べるよりも良いというところが気にいりました。いちからぬか床を作ったわけでは当然ありません。市販のぬか床を買いました。使い方の本も買いました。 いまの世の中、何かと便利です。たいていのことならば、マニュアル本もあればネットで検索することもできます。ついつい、それらに頼ってしまいます。でも、ふと思ったのです。マニュア
英語学習に関しては多くの本が出版されています。 私も第二言語習得に関連して何冊か持っています。その中に『英語の学び方』大津由紀雄 嶋田珠巳 編 ひつじ書房 2016年3月29日初版1刷があります。英語を特に習得するために買ったわけではありません。 第二言語、外国語を習得するためには様々な方法がありますが、その方法を見出すヒントを得たいと思い購入したものです。 この本の第5章「英語の辞書について知っておくべきこと」の題で津留﨑毅明海大学教授が鈴木孝夫著の『こと