初めての一人旅は高校３年生の秋。
就職試験のために奈良に行った時だ。

深夜に急行きたぐにB寝台に乗って、早朝の京都へ。
２泊３日で就職試験は２日目。
なので１日目は朝から市バス乗車券でがっつり京都観光。
夕方JRで奈良へ。
（近鉄もあるけどJRしか走ってない町育ちなのでJR一択だった）

この時初めて奈良に来た。
程よく賑やかでお店もあって、ちょうど良い街だなぁと思った。
ホテルに宿泊し、翌日いよいよ就職試験本番。

試験当日は朝から駅前のケンタッキーに行って和風カツサンドセットを食べた。
カツで縁起担ぎをしたかった。

試験を受け、その日はさすがに観光はせずホテルでゆっくり過ごしたと思う。（試験は無事合格）

そして最終日。
調べてたレンタサイクル屋さんに行って自転車を借りる。
一人でならまちのカフェや奈良公園を巡る。
途中、公園内で話した一人旅中のお姉さんとその後また春日大社で再会する。
優しい可愛い雰囲気のお姉さんで、話の流れで文通することに。（ガラケーはあったけど、この後何年も手紙のやり取りをしてました）

良い縁に恵まれ、ほくほくで奈良観光終了。
奈良とお別れし、寝台車に乗るため京都駅へ。
お土産を買ったり夜景を眺めながら夜中まで時間潰し。
京都駅は何度行っても広くて圧倒される……

心地良い揺れでぐっすり眠り、地元に到着。
母と祖母からは旅費とお土産代を渡されていたが
「いくら残してきたの？」
と聞かれ
「80円」
と答えたら驚かれた。
「もっと渡しておけば良かった…」
と嘆く祖母に
「ばあちゃん、この子はあればあるだけ使うんだからいらないって！（その通り）」
と母が言っていたのを覚えている。

携帯あるし、帰りの切符あるし、何かあったら駅員さんに言えばいいという思想…
自分の娘が同じことやったら確かに肝が冷えると思った。
無事に帰れてなによりな、一人旅デビューだった。