見出し画像

M-1グランプリ2021決勝の感想

今年も多くの感動・収穫がありました。

各組の感想について述べます。

ファーストラウンド

01.モグライダー「さそり座の女」

自分の中の優勝候補だったので、トップバッター引いたときはショックでした。せり上がりのときのともしげさんの緊張もやばかったですが、ネタに入ると会場もかなり湧いていて感動しました。特に芝さんのツッコミが上手すぎて、しょうもないことにしっかりアドバイスしちゃっている所が面白かったです。平場も強いし、来年1番売れるんじゃないかなと思います。

02.ランジャタイ「ネコ」

唯一準決勝と違うネタした組。終始涙出るほど笑いました。スリラーからのムーンウォークや、小学生のときにやっていた服の中に手いれて突き出すやつとか、遊び心満載で楽しく観れました。最初えみくじで名前呼ばれたときに国崎さんが椅子から立ち上がらない所とか、せり上がりから出ていくときに国崎さんが伊藤さんの背中をポンと叩いてた所とか、採点で低い点が出るのをヘラヘラ笑っている所とか、ネタ以外の平場も最高で、とにかく自分は人としてランジャタイが好きなんだろうなと思いました。志らくさん一人高得点だったのも嬉しかった。

03.ゆにばーす「ディベート:男女の友情」

昨今ブームとなっているディベートに男女ネタを掛け合わせた、ゆにばーすが得意とするようなネタでした。はらちゃんの一言でどかんと笑いを取る箇所が多かったので、「間」の取り方がとても重要となりますが、そのあたりはらちゃんとても上手でした。そして川瀬さんは熱い。場面によらず想いが常に顔に出ていてよかったですね。M-1を甲子園と思っている人の顔でした。

04.ハライチ「○○したい相方を笑う」(敗者復活戦)

まずは敗者復活と同じネタしなかったのは良かったと思います。「同じことをやっているけど、受け取り方が異なる」というのは、わりと日常的なことだったりしますが、その辺を上手く笑いに持っていくのが流石だなと思いました。一方で、「巨大ロボ」「妖精」くらいには笑いのピークが過ぎていたので、この形をネタ時間いっぱいまで天丼で持たせるのは難しいのかなと思いました。

05.真空ジェシカ「一日署長」

とても知的で大好きなネタ。最初の登場人物紹介のジョブから面白くて、「ジャイロ回転」「二進法使う理系のおばあちゃん」とか分かる人には分かるようなラインのボケを使っていたのがたまらなかったです。自分が漫才のネタ作るなら真空ジェシカみたいなネタ作りたいなあ。

06.オズワルド「友達がほしい」

分かりやすいテーマで要所要所のボケも強く、芸術品のようなネタでした。激しい掛け合いの末に「君は友達じゃない、だって君は親友だから」というハート温まるようなワードをピークに持たせているのも上手い。畠中さんのボケの異常具合もレベルアップしていて、伊藤さんに負けないくらいの個性が出ていてよかったです。

07.ロングコートダディ「ワニになりたい」

今回のM-1グランプリ2021全体で一番好きなネタ。反省会で、このネタどうやって作ったのという話になったとき、兎さんに生まれ変わったら何になりたいかを聞いたときに、即答で「ワニ」と返ってきたので、ワニから始めて展開を作ったというのを聞いて、天才か!と思いました。(普通ボケとかから逆算して決める方が多いんじゃないかなあと)。二文字タイムで会場がめっちゃ沸いたの面白かったなあ。

08.錦鯉「合コン」

人間力と技術力の高さを感じました。お二人の人間としての魅力がお客さんに伝わり、それが愛されるために得点にも表れたんだろうなと思います。「好きなアルファベットってある?」→「俺は6」なんてボケ、机上で文字に起こすと普通のボケなのに、それを爆笑に変えられるのはプロだなと思います。後半の畳みかけも良かったですね。反省会でかまいたち濱家さんも言ってましたが、渡辺さんの「穴でも掘ってろ」にまさのりさんが「穴は掘らないよ」と言った部分が、ウケずにその後回収もされなかったの面白かったです。

09.インディアンス「怖い動画」

テンポは変わらず秀逸ですが、勢いだけでなく1つ1つのボケの質がかなり高くなっていて、もう笑うしかなかったです。沢山のボケがありつつも、ツッコミでしっかり拾われていて、お客さんの置いてけぼり感もなかったのではないでしょうか。楽天モバイルのような旬なネタを入れている所や、挨拶の「どうも~インディアンスで~す」をオチにも持ってきた所もよかったですね。

10.もも「物欲 ○○顔やないかい」

色々な漫才が出終わった中で、会場を自分たちの世界にしていてかっこよかったです。これまでの初見の人にも分かりやすいよう、序盤ゆっくり丁寧に進めてましたね。ワードも強いモノばかりがチョイスされていて、これまでのももの集大成を見ることができました。といってもまだ結成4年。今回決勝まで来て世間にバレちゃったので、来年はこのスタイルでまた挑むのかどうかも見ものです。

最終ラウンド

01.インディアンス「売れて忙しくなりたい」

1回目に劣らぬ勢いで、ボケも沢山詰まったネタ。こわい先輩のもう中には笑いました。聖闘士星矢が出てきたのはアドリブだったのか…だとしたらやっぱり適応能力すごい。ネタが終わった時点で、インディアンスの優勝ありそう!と思いました。

02.錦鯉「街中に逃げたサルを捕まえる」

フィールドが野外だったからか、1本目よりもバカ爆走なネタで、錦鯉ワールド全開でした。「あ、(サルが)森の中へ逃げ込んだ」→「じゃあいいじゃねぇかよ」の間が完璧すぎ。バナナの罠の所、3回繰り返してもウケてるの凄かったなあ。中盤のじいさんを寝かせるくだりが最後に回収されるのも意外でした。オチの「ライフイズビューティフル」が全然ネタと関係なく、ただただ錦鯉のお二人を象徴している言葉のようで感慨深かったです。

03.オズワルド「行列に割り込んできたおじさん」

ラーメン屋の行列に割り込みしてきたおじさんを悪く言う畠中さん。それに伊藤さんが共感すると、おじさんを悪く言うなといつの間にかおじさんの味方になる畠中さん。この「どっちやねん」漫才はオズワルドの得意な形ですね。畠中さんのわけわからない人感がとてもよく出ていました。

最後に

錦鯉の優勝、長谷川さんの涙に本当に感動しました。歳をとっても夢を追いかける姿かっこよかったです。30代でくすぶっている自分にとっても大きな刺激となりました。

また、今年は全組自分たちの色を出せていたと思います。決勝経験組は世間の評価をさらに上げ、初出場組は確実に爪跡を残せたのではないでしょうか。

M-1グランプリ2021感動をありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?