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ユニゾンとキャッチー・ポップ・ミュージック

こんばんは。今日も音楽日和です。
最強の3ピース、といえばどのバンドが思い浮かびますか?

わたしはPeople In The Box、ペトロールズもですが、
UNISON SQUARE GARDENが思い浮かびます。
なぜならこちらも隙なしの完成形3ピース、
さらには攻め攻めのポップ・ロック・バンドといえるから
最強の3ピースといえばユニゾンと言えるでしょう。 

今回はそのUNISON SQUARE GARDENに対する感情を吐露していきます。
※予めお伝えしておくと、今回は約6,000文字の長文となっております。
 

最強キャッチー・ポップ・バンド

出会いは淡白

出会いはアニメ『TIGER & BUNNY』。OPだかEDだかで「オリオンをなぞる」という曲を聞いたのが最初。

ちょうど琴線が鈍って「ロックバンドなんて飽き飽き」というタイミング。
初見の印象は、あ~またおんなじようなバンド。感情揺さぶる系ね~。
なんて淡白な感想なんでしょう。

ちょっと待ってよ言ってること違うよ?というお声が聞こえそう。

いや、おっしゃるとおりなんです。
最初はそう、突出して刺さるものがなかったんです、というよりわたしの感情が鈍っていたときで、音楽はエルレでないとダメなんだよ!と決めつけの狭い視野で音楽を見ていた時期。外部の刺激を拒否したいくらい疲れていたんでしょう。

次に会ったのは「リニアブルーを聴きながら」

パートナーからタイバニ(『TIGER & BUNNY』の略称)の曲、また同じバンドだってよ~結構いいよ~
と聞いて、へ~。それなら聞いてみっか。とY○uTubeで検索。このときは多少決めつけの視野が穏やかだった時期だと思います。
聞いて見てみた感想は、前の曲より華がないな・・・・という感想。
ひどいですね、モノを作ったこともない人間が何をほざくのでしょうか・・・ただ、MVはシックでしゃれた感じがあって好ましかったです。

そんな感じで、ユニゾンは数あるバンドのひとつという印象でした。
 

田淵フックにまんまと引っかかる

その後また「桜のあと (all quatets lead to the?)」で再会を果たす。

たしか友達がカラオケで歌っていたのがきっかけか?
ノリやすくて、歌詞もちゃんと聞き取りやすい。一緒に歌いたくなる曲だな!という印象。

気になって後日ちゃんと聞いてみれば、すごくポップで楽しい曲!
一番ハマってしまったのは
愛が世界救うだなんて僕は信じてないけどね」という歌詞で、
共感。共感、共感、大共感!
ロックは愛だの愛だの歌ってるけれど、愛で俺は救われねぇし、世界も救われると思ってねぇよ、とやさぐれた性格をしているので、そういった本音を歌っているバンドが新鮮で衝撃的だった。

でもよぉ・・・ロックには愛とか希望を歌ってほしいぜ・・・という矛盾した生き物。どっちやねん。だけどユニゾンがすごいのは、ちゃんとその後
今、目の前の君が 明日を生きれるくらいは
ありえない不条理は ブッ蹴飛ばしていけ
とちゃんと目の前の俺を救ってくれます。よかった、ロックは死んでない。

ユニゾンを好きになって読んだ記事orラジオによれば、こういう引っ掛かり・フックを至るところで意識してるみたいで、そのときに「あ~~まんまと引っかかった!」と思った覚えがある。でも嫌な気がしない、むしろ引っかかれて嬉しい。
作詞作曲を手掛けるのがベースの田淵さんなので、❝田淵フック❞と勝手に名付けましたが、ベーシストが作詞作曲なのも珍しい。やっぱりベースやってたからか、惹きつけられるものがあるなぁ(照)なんて、テキトーな運命も感じた。

そうそう。
ベースといえば田淵さん。通称:田淵(ここでは尊敬と親しみを込めてそう呼ばせていただく)。ユニゾンを見て真っ先に気になるのがこの人の存在。
なぜか。
MVをみていただいてもうお分かりの方もいらっしゃるでしょう。そう。
このベーシスト、おちゃめちゃによく動くのである。おちゃめ。そしてめちゃよく動く。略しておちゃめちゃ。

MVはまだかわいいほうで、ライブになるともうトンデモない。上手(かみて)、下手(しもて)、縦横無尽。客席にダイブしそうな勢い。音を出すアンプと手元のベースをつなぐケーブルが無線だろうが有線だろうがお構いなし(でもケーブルは抜けないのよね)。極めつけは前転。ライブ中に前転。ベースを置いて。何なの?!何の人なの!?雑技団?!サーカス?!なんて前人未到なバンドなの??

にしても運動神経よすぎんか?とも思ってググってみました。小学生時代はサッカー少年だったらしく、そういったところから運動神経の良さ、ひいては爆発的なポップさはきているのかもしれない。

歌詞やメロディ、そしてパフォーマンスまでも、まんまと田淵フックに引っかかるのであった。沼にハマりそう…
 

シュガーソングとビターステップというタイトル

そして、ビルボード・ジャパン・Hot100の1位にも輝いた、ユニゾンといえばなこちら。

漫画『血界戦線』のアニメEDとして書き下ろされたという「シュガーソングとビターステップ」。

オリコン週間シングルチャートでは初登場5位を記録し、自己最高記録を更新した。発売後に各CDショップで売り切れが続出する[10]など、シングルとしては最高売上を記録している。

また、シングルダウンロードランキングでは1位を記録し、その後もロングヒットを続けている。2016年9月時点でダウンロード数は50万を超え、一般社団法人日本レコード協会の2016年9月度有料音楽配信認定作品としてダブル・プラチナ認定されている[11]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A8%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97
wikipediaより引用

音楽好きじゃない人にまで届いており、カラオケで歌う人をよく見たし、地上波でもよく取り上げられていたし、コンビニの有線でも飽きるほど聞いた。Hey!Say!JUMPの伊野尾くんもラジオでスキといっていたらしく、どこの界隈にまで影響を与えているのか…凄まじい。と思った記憶がある。

さて、この曲。ひと目見たらどんなタイトル?と思わずにはいられない、でも頭に残る文字列。これも一つの田淵フックなんでしょう。
聞いてみればポップでキャッチー!ドラムとギターの掛け合いから始まり、ベースが物語の開幕を告げる。曲の展開もテンポよく。タメと放出の気持ちよさが連鎖になってリフレクトしそう!

それと、何気なく叩いているこのドラム。何気にこなしすぎなのでスルーしてしまいがちだけど実はすごいなぁと思う。

まずBPMが速い
BPMとは、1分間に鳴る音の数。bmpが132らしいので、1分に132回も手拍子したと考えましょう。う~ん、まぁ、できないことはないですね。

ただ、ドラムの貴雄さん・・・いえ、(敬愛の念を込めて「貴雄」と呼ばせていただきます。)貴雄のドラムは細かい音がよく入る気がする。そしてタム回しが多い気がする。
細かい音や手数をBPM132で差し込んでくるとなるとちょっとやっかい。
例えば、0:29あたり。ずっとッチッチッチッチと鳴らせば良いものを、チキチーツッチーと鳴らしている。ハイハットの細かい音を入れることで華やかになるが、ドラマーは大変。
さらに、0:53あたりの♪嬉しそうだったり 寂しそうだったりという歌詞のところ。華麗にダカダカダカダカとタム回し。こういう小技?が多い気がする。そのおかげで曲に高揚感も生まれると思う。
ちなみに、貴雄がヘッドフォンをつけているのは、たぶん、リズムキープのために、メトロノームの音を聞いているんだと思う。それくらい速くて複雑なドラムなんだと思う。

そして緩急が激しい
ずっと一定のリズムで歩けと言われたら結構歩けるもんだと思うのですが、基本はこのリズムで歩いて、ここは止まって、次はバッと跳んでみて、またおなじリズムで歩いてね、あっそこはちょっと止まって・・・と言われたらどうでしょう。
単純にめんどくさいし、頭が混乱しませんか?笑
たぶん、歩き慣れたら後者のほうが楽しいかもしれません。でも慣れるまでは難しく感じてしまいますよね。そうです、難易度が上がると思うんですよね。
ただ、この緩急のおかげで聞き手側はグッと曲に惹かれる
何が起こるんだろう?
何が起こるんだろう!
という期待感。はい、貴雄の妙技にハマっております。ジェットコースターに乗っている気分です。
ドラマーじゃないので的外れなことを言っているかもしれないけれど・・・確実にユニゾンのドラムは難易度が高い。それをさらりとやってのけちゃう貴雄はすごい人(語彙力のなさが悲しい)

ちなみにこんな激しいドラムを叩く貴雄ですが、アルパカなど可愛いものがお好きらしい。・・・ギャップに沼りそう!

そして、タイトルといえば
いろいろと重たいものを背負っているのに、3人の軸のブレなさがすごい。このご時世にCDショップで売り切れ続出、ダウンロード1位・・・。もっとふんぞり返ってもいいんですよ。
それなのに愚直にロックバンドを続ける3人。かっこよすぎませんかね?
 

スリーピースバンドの難しさ

さて、ここで1曲わたしのスキな曲をひとつ。

Bメロ?からサビへの流れが気持ち良くてスキなのである。
あとこの曲のキラーフレーズは「現実はそんなに悲しいものかしら コンビニにも売ってるのに」かなと思います。異論は受け付けます。
そのあとの1拍ずつ増えていく掛け合いも、
♪毎日『が、そう!』の聞き手との掛け合いも楽しい。
ちなみに、オリジナルがちょっと軽く聞こえるのは15周年記念の『Thank you, ROCK BANDS!』に再録がされていたからだと思う。機会があればこちらをぜひ聞いたいただきたい。(田淵の前転も収められておりました!ナイス!)
「Thank you, ROCK BANDS! 〜UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album〜」初回限定盤トレーラー - YouTube

スリーピースバンドの難しさは、
それぞれがきちんと役割を果たさなければならないところだと思う。
andymoriやマスドレのコピバンをしていたので3ピースってすごく惹かれてしまう。けれど役割を果たせないとスッカスカのお遊戯会になってしまうこともわかっている。スリーピースバンドとは繊細で難儀なヤツなのである。
具体的には、ドラムの正確さ・リズム感、ベースの厚み・リズム感、ギターの華やかさ・ボーカルの正確さといったところでしょうか・・・こちらも異論は受け付けます。
ガリレオのショーケースを聞いていただいても、このあたり、きちんとこなせていると思いませんか?

貴雄は前述したとおりですが、リズム感もあり、曲に正確。さらに手数も多くて、高揚感もあり、人をノセてしまう、妙技とエネルギーのあるドラムだと思う。そして難しいことを何気なくこなしちゃう技量、たぶん相当練習されているんだろうなと思う。
毎回ライブでドラムソロが入ってくるのは、それだけ人を魅了できるエネルギーとテクニックがあるからだと思うし、実際に引きつけられるものがある。毎回ドラムソロがあるバンドなんてあんまりないと思う。

田淵はなんであんなのが弾けるのか、というヤバさ。高速フレーズや複雑なフレーズも難なく、なんなら暴れながら弾いちゃうので褒めの意味で、本当にやばい人だと思う。わたしは到底あんなことできない。本当にすごい。あと単純に体力がオバケすぎるのもすごい。
音の厚みでいえば、わたしはベースの音に太さを感じる。曲の高音・中音域・低音でいう、低音の役割も果たせていると思うので、厚みに関して特にスカスカだとか薄いな、と思ったことはない。音作りにこだわっている様子はないけれど、ベーシストとしてというよりは、作曲視点でバランスの取れた音作りをしているんじゃないかなと思う。

そして、この己の役割を超越しちゃうのがギタボの斎藤さんのヤバイとこ。
なんでも、ギタリストとしてもヴォーカリストとしても一人前でいたいそうで。だから、ソロで、スカパラのヴォーカリストとして呼ばれて嬉しいというお話をされていたような。(しっかりギターも弾いていらっしゃいますが)

ギターはテクニカルで音色も豊か、ソロや間奏の技術はもちろんのこと、リズム感も正確。世界はファンシーの音みたいに、ダークで歪んだ音も魅力的だし、春が来てぼくらみたいな柔らかくてキラキラした音も出せる。場を煌めかせることも、地に落とすこともできるギター!
ギターは、ドラムやベースに比べてすごく目立つ、花形とも言われるポジションなんだけど、それだけ責任も重い。だってギターがリズム外したらあれ?って思うし、ミスしたらなんかしっくりこないなぁてうまくノれなくなっちゃう。だからギターは正確さは当然のこととして、さらに華やかでいなければならないという責任を負っている。なのにあんな複雑な手の動き。ギタリストってほんとにすごいと思う。

それだけでも斎藤さんに引きつけられるのに、ヴォーカリストとしても魅力的。
まず、わたしは歌がへたです。発声も弱く音感もなく抑揚もつけられません、なんか・・棒読みみたいな・・・・笑。斎藤さんはそれの真逆です。発声もしっかりされて、音感リズム感も勿論あるし、抑揚やフォールなど表情豊かな歌い方をされます。
友人とカラオケいったりすると、この人音程取れてるのに発声が弱いな、とか、声デケェけど音メッチャクチャだなとか感じることがあって、プロとの差はこういう基本的なところがこなせているかどうかなんだろうなと思ったりする。

次に、田淵の作る激ムズ曲を歌いこなせるということ。
ユニゾンの曲って、歌詞が結構つまっていたり、すごいとこでタメを入れたり予想を裏切られることも多いし、らせん階段をぐるぐると流れるようなメロと詞で口がまめらないものも多いと思うんです。
それを難なくやっちゃうのって、やっぱり斎藤宏介だからだと思うんですよね。本人も苦戦してるとおっしゃっている映像を見たことあるので難なくではないんですけど、ライブをみている限り平然とこなしているように見える。ここもプロだなと思います。

あと斎藤さんのすごいなと思うところが、負けん気。
実は前喉にポリープができていたようで、手術をされていらっしゃって、そのときHPかブログで「ユニゾンのヴォーカリストは自分しか務まらない、だから絶対に戻ってくる」といった発言をされていた。それをみて誇り高いなと思った記憶がある。気高いです。
そして、ギターも歌も、もっとうまくなりたいという発言を残す、ド変態さんです。宏介、おれと結婚しよう。
 

最強のライブ・ロック・バンド

音源もいいけど、ライブもね

さて、最後にお伝えしたいのが、ユニゾンは最強のキャッチー・ポップ・バンドでもあるが、同時に最強のライヴ・ロック・バンドでもあるということ。

心をつかんで放さない疾走感と、隙のない四重奏であることは聞いていただいたとおりなのですが、ライブの盛り上がりも最高です。

多分、わかりやすくてのりやすいというのは簡単なようで難しく、すごく重要なことなんだと思う。というのも、クラシックのように重厚な音楽はのるというより鑑賞するもので、楽器も多く複雑なため一見わかりづらくお高く見える。一方で童謡のようにわかりやすくても、のれても、情熱より安心感が強い音楽だと盛り上がるというか・・・そして何十と歳を重ねた大人には刺激が弱い。もっと複雑なものをくれ、となる。
そのどっちもをうまく取り入れたとき、ライブの盛り上がりが決まるんじゃないかな、と思った次第。

ユニゾンには、盛り上がれる親しみ複雑さ情熱も兼ね備わっているなぁと感じる。

 

ここまでつらつらと語らせていただいたが、ユニゾンファンには食パンくんと同じくらい当然のことだったかもしれない。
もしそうだとしたら、考えていることが同じで嬉しいです。

そして、こんなにたくさん書いているのに、実はライブ未経験です。
なんか・・勇気がでなくて・・・・笑

しかし、後輩のひとりがファンクラブに入るほどスキらしいので、今度勇気を出してライブ体験、してきたいと思います。そのときもまた感想をきいてください。

では、今日もよい音楽生活もお過ごしくださいませ!
散文、お読みいただき、ありがとうございました。

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