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投資信託の配当と手数料について

割引あり

サブテーマ:配当再投資と手数料のリターンへの影響について
      S&P500 、NASDAQ100


1 初めに

 今回は、新NISAの銘柄選びで悩みのたね信託手数料と配当について考えます。少しでも手数料が低い方が・・・と悩まれていると思いますが、ほとんどが1%以下の小さな数字の違いです。この数字の違いによって、実利益に対しどの程度の影響があるのかを可視化してみます。
 また今回一括投資だけでなく、積立投資も同様に集計し、それぞれで手数料と配当再投資の効果確認してみますので、ぜひお付き合いください。

 今回のゴール:配当再投資、手数料影響量まとめ

過去20年間において10年一括投資した場合のリターンの分布

知人よりプログラム部分が難しくてよくわからないとご指摘をいただきました。そのためこのチャンネルでは、PYTHONを使った米国株投資に関わるさまざまな調査の結果OUTPUTにこだわった記事にします。投資に関わる身近な疑問にも答えていきますので、投資リテラシー向上にお役立ちを目指します!!
 なお、全ての解析データは引き続き、PYTHONを活用してコード全文も掲載します。これから勉強始めたい方にも、プログラミングで何ができるのかを知る良いチャンスとなればと思っていますので応援お願いします!!
(コード全文のみ有料とさせてください。その分以前よりコードにも解析内容にも踏み込んだ価値のある内容としていきます。)


2 豆知識

1)配当と配当再投資とは

 投資信託やETF(上場投資信託)は、多くの投資家から資金を集め、株式や債券など幅広い資産に分散投資することでリスクを軽減し、運用する金融商品です。これらの投資商品は、運用成果に応じて配当を出すことがあります。配当は、投資家に対する利益の分配を意味し、通常は現金で支払われます。しかし、配当を再投資するオプションを選択することも可能です。これを配当再投資といい、受け取った配当を用いて、さらに同じ投資信託やETFの追加の株式を購入する方法です。特に投資信託においてはこの配当再投資を自動行うことが可能であり、複利効果を享受し、長期的に資産を増やすことができます。

2)投資信託の手数料とは

 投資信託やETF(上場投資信託)を利用する際には、さまざまな手数料が発生することを理解しておくことが重要です。これらの手数料は投資のリターンに直接影響を及ぼすため、投資家は事前に手数料の内容を把握し、適切な投資判断を行う必要があります。 
 まず、投資信託の場合、購入時に支払う「購入手数料」や、投資信託を管理・運用するために年間で発生する「信託報酬(運用管理費用)」があります。さらに、投資信託を売却する際にかかる「売却手数料」が発生する場合もあります。
 一方、ETFは証券取引所で取引されるため、購入や売却時に「取引手数料」がかかります。また、ETFにも投資信託と同様に「信託報酬」が存在し、これはETFの資産から自動的に差し引かれます。
 今回の調査では、それぞれまとめて手数料としています。

3 実践

1)調査内容

 今回の調査は、S&P500とNASDAQ100について、約20年間の実績をもとに、トレンドグラフでの確認と一括投資と積立投資それぞれ1年、3年、5年、10年間のリターンをボックスプロット(箱ひげ図)を用いて、その確率分布を示します。
 実際購入する際、ETFに比べ投資信託は手数料がやや割高です。そのためそれぞれ0.5%、1.5%の2つを比較してみました。
 なお”手数料が無料の商品ならどうなるか??”興味はありますか?
SPYの信託手数料は0.0925%、QQQの信託手数料は0.20%です。それぞれ完全手数料が無料だったらということでSPY(+0.09%)、QQQ(+0.20%)を用意しました。
 配当再投資の効果は、”指数”と”ETF(調整後終値)”を確認することができます。S&P500で2%程度、NASDAQ100で0.5%程度と言われてます。この差が配当を再投資したらどうなる??を表していますので、その差をみてください。
*厳密には”指数”と”ETF(調整後終値)”にはETF手数料が含まれています。その条件追加も考えましたが条件数が多すぎるため今回は割愛しました。

S&P500(年率)
^GSPC   S&P500指数
SPY    S&P500指数 ETF
SPY(-1.5%)  手数料1.5%  ・・・昔のぼったくりレベルの手数料なら?
SPY(-0.5%) 手数料0.5%  ・・・少し高めの手数料なら??
SPY(+0.09%)  手数料が完全“0” ・・・実在しませんが想定として

NASDAQ100(年率)
^NDX   指数
QQQ    ETF(投資信託)
QQQ(-1.5%)  手数料1.5%
QQQ(-0.5%) 手数料0.5%
QQQ(+0.20%)  手数料が完全“0”

2)トレンド確認

 まず、チャートで確認しますが、そのまま並べるとよくわかりませんので、2004.4を100としてINDEX化したグラフを示します。さらに通常の軸メモリであれば、昔の変化が明確でないので対数軸でのチャートも合わせて示します。

2004.4を100とした時のグラフ
2004.4を100とした時のグラフ(対数軸メモリ)

その結果、たくさんの線がありますが、S &P500,NASDAQ100で絶対値が異なりますが、ともに同じ傾向です。(考察は下記で)

3)過去の実績


一括投資の場合、初期投資1000💲(円でも同じですが、為替分)
1年(12ヶ月)、3年(36)、5年(60)、10年間(120)それぞれ保有した場合のそれぞれ経過後のばらつきをボックスプロットで表示しました。

一括投資の場合(保有期間:1年、3年、5年、10年)

 積立投資 積立投資100💲/月(円でも同じですが、為替分)
1年(12ヶ月)、3年(36)、5年(60)、10年間(120)それぞれ保有した場合のそれぞれ経過後のばらつきをボックスプロットで表示しました。

積立投資の場合(投資期間:1年、3年、5年、10年)

4)まとめ

これまでの結果を簡単に図示すると下記のようになります。

S&P500に対する調査結果まとめ(10年間一括投資した場合のリータンのばらつき)
  • 配当再投資の効果 →やや有(中央値で2.5倍→3.0倍)

  • 完全手数料”0”の商品 →誤差範囲

  • 手数料0.6%程度なら →誤差範囲〜やや劣る

  • 手数料1.5%程度なら →やや有(配当再投資と同程度)

 結果をまとめると上記ですが、S&P500などすでに手数料が限りなく低くなっている今、0.1%程度はばらつきの幅を考慮すると誤差程度です。
 またS&P500とNASDAQ100を比べると、平均的なリターンはNASDAQ100が明確に優秀です。変動幅も広くはなりますが10年後には原価割れになったことはなく、投資していればほとんどの人はより儲かったことになります。
 いずれにしても投資していない人(貯金とかは赤の点線)に比べて、ほとんどの人は10年後に2倍〜3倍を達成できていることがわかりました。

4 最後に

1)調査結果で得られたこと

 今回手数料や配当の再投資の効果について、一目でわかるデータを作ってみたつもりです。この20年間の実績を集計した結果から、投資していた(リスク)人が皆儲かったことがわかって、私自身早くから投資しておけばと後悔してしまいます。今後は過去の結果と全く同じにはなりませんが、ある程度は同じ傾向になる可能性はあると考えます。皆様もこの結果を見てご自身の投資生活のご参考になれば幸いです。

2)PYTHONで実施したこと

 今回、一括投資に追加して、積立投資のコードを作成しました。積立額に対し、10年で何倍になって、そのばらつき程度はどの程度だったのかが表せたと思います。
 また今回は、取得してきた値に対し、±の手数料を考慮したコードを作成しました。補正だけでなく、実現可能なシミュレーション等に活かせる考え方だと思います。興味のある方は、下記にコード全文を記してますのでぜひ参考にしてみてください。

以下、過去記事、AI時系列予測等のご紹介

他サイトですがココならで、A I(LSTM)を使った株価予測の販売もやってます。こちらではFREDから、失業率や2年10年金利、銅価格等結果も取得しLSTMモデルで予測するコードとなってますので興味があれば見てみてください。またその他2件も米国株投資とは直接関係はありませんがプログラム入門におすすめですのでみてみてください。



チャンネル紹介:Kota@Python&米国株投資チャンネル

過去の掲載記事:興味があればぜひ読んでください。
グラフ化集計の基礎:S &P500と金や米国債を比較してます。

移動平均を使った時系列予測



5 全コード *ここだけ有料

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