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まんがの描き方 こんな時どうする?-ギャグシーン編-

はじめに

こんにちは、眸(ヒトミ)です。
同人誌に限らず、あらゆるものには『流行り廃り』というものがあります。
一般的にはファッションやフードがその筆頭に挙げられるのではないでしょうか。

マンガや小説のなかでも、キャラが手にしているアイテムが自宅の電話からポケベル・ガラケーに代わり、最近はスマホを操作してやり取りをしているシーンもよく見られます。

昨年ドカンと流行したスラムダンクは平成初期(1990年代)の日本が舞台のお話だったと思うのですが、令和の時代に生み出された二次創作物がどんな描かれ方をしているのかは大変興味があります。
TikTokやってる みっちゃん…??!!!

現代モノは特に、身の回りの環境が作品に与える影響は大きいです。
私はそこに『お笑いのセンス』も大きく関わってくるのではないかと考えています。
今回は同人誌界隈での「笑い」の変遷と最近のトレンドについてご紹介します。


同人誌内でのお笑いトレンド

二次創作同人誌自体はずっと前からあるんですが、ここでは私が同人誌を漁り始めた2000年代から紹介させてください…!
ちなみに、コミケは2000年代の時点でC50を超えています。長い歴史を感じますね。

私も例に漏れず、「WJ系よろず」(なっつ~~~~)として画材屋の交流ノートにバリバリ書き込みとかしてました。
その、多くの方に読まれていた作品からは「話のテンポ」も十分に受け継がれていたように思います。

実はずいぶん前に「同人誌でこんなツッコミ流行ったよね~」みたいな絵を描いてました。
当時を知る方に懐かしんでいただけると幸いです。

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パターン1:REBORN!系


シンプルなツッコミと大きな描き文字。
キャラクターがキュート!

知ってた?!『家庭教師ヒットマン REBORN!』って、連載初期はコミカルなギャグ漫画だったんだよ??!!
「カテキョー」ヒットマンだよ!!???

なにもかもダメダメな中学生沢田綱吉(通称ツナ)の前に赤ん坊家庭教師リボーンが現れる。その正体は、ツナをマフィアの10代目ボスにするためイタリアから来日したヒットマンだった。
メチャクチャ過ぎるリボーンの教育を受け振り回されながらも、やがてツナの周りにはクセが強いながらも個性的で大事な仲間たちが増えていく。

pixiv百科事典「家庭教師ヒットマン REBORN!」

WJ系よろずだった私はこの頃のジャンプももちろん読んでいましたが、別のジャンルに移行してからはジャンプ自体まったく読まなくなってしまいました。
パイナッポーこと六道骸が登場し、バトル要素を取り入れてから女性人気を集め始め、即売会での温度差にびっくりしたものです。

リボーンのめちゃくちゃな解決策に「なんでだよ!(ガゴーン)」とツナが青ざめる、シンプルなシーンが多かったように思います。
これってシリアス展開になってからもこんなんだったのかなぁ。

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パターン2:ピューと吹く!ジャガー系

独特な描き文字(擬音)も流行りましたね

ミュージシャンを目指す酒留清彦(通称・ピヨ彦)が謎の音楽講師・ジャガージュン市に振り回される日常を描いた、うすた京介お得意の不条理系ギャグである。

pixiv百科事典「ピューと吹く!ジャガー」

検索していて思い出したけど実写化もしていた。
とにかくボケが予想できず、ぶっ飛んでる系です。
「なんでだよ!」と(一応)ツッコんでくれるツナタイプとは違い、
ぶっ飛んだボケには「うわぁ…」と距離を置いて放置するやりとりが多かったです。

この当時、お笑いといえば関西系の、ボケとツッコミが1セットという風潮が強かったように思うのですが、「強すぎるボケにツッコミは不要」と提言するような作風はたくさんの人が魅了されました。
しかし「誰が見てもわかるボケ」には相応の描写力とセンスが必要なので、それを二次創作に落とし込むのはかなり大変だったように思います。

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パターン3:銀魂系

腐女子を代表するツッコミといえばこれ!と言う方も多いでしょう。
作者の空知先生が「日常生活って(マンガと違って)もっと言葉が多いから、普段通りの言葉遣いを意識した」とコミックスで書いてた気がします。

実際、日常生活でも「おいいいいいい!!!」とか「○○ですか、バカヤロー」とか言ってた中学生女子が多数出現しました。
それだけ身近で使いやすかったんでしょうね。
ちなみに私は今でもこの銀魂イズムを忘れずに生きています!

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現在はどう笑わせる?

テレビが衰退し、電子書籍や動画など見るものが多様化した現在、どんな作品が元ネタとなっているのでしょうか?
個人的には「彼方のアストラ」「WITCH WATCH」などを描いた篠原健太先生の作品が日常的な会話を作品に落とし込む銀魂の系譜を受け継いでおり、それが同人作家たちにも影響を与えているように感じます。

それとは反対に、SNSが発達して「限られた文字数で・的確に」を意識して作られた作品もよく見るようになりました。
「放課後ひみつ倶楽部」がその1つに挙げられると思います。

(※多分もっとあるでしょうけど、私の読んでる作品で言えるのはこれくらいしか…)

SNSでは見開きで表示されることがあまりないので、オチまで1枚で描き切るタイプも多いと思います。
これはもしかすると「けいおん!」がきっかけで4コママンガ(雑誌に連載している作品群)が流行したのもあるかもしれません。
「いつ手を止めてもいい」「どこから読み始めても大体理解できる」というのは日々ものすごい勢いで流れていくSNSのタイムラインととても相性がいいのです。


さいごに

ここまで読んでくれてありがとうございました。
皆さんはギャグシーンを描く時、誰の作品を参考にされていますか?
コメントなどで教えてくれると嬉しいです!
それではこの辺で。

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