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【ラジオ・de・ミーツ Vol.1】 「誰もがやりたいことを言える世の中に」NPO法人月と風と代表 清田仁之さん

障がいがあってもなくても楽しめるフェス「ミーツ・ザ・福祉」。今年から新しく音声でミーツ・ザ・福祉について知ることのできる「ラジオ・de・ミーツ」が始まりました。記念すべき第一回は、イベントをつくる運営メンバーの思いに迫ります。ゲストは障がい者支援団体「NPO法人月と風と」代表の清田仁之さん。パーソナリティは運営メンバーのながのっちが務めます。

ながのっち:清田さん、今日はよろしくお願いします!はじめに、ミーツのどんな企画に関わっているか教えてください。

清田:パラスポーツを体験できる「ミーツ・ザ・すぽると」に関わっています。今年は車いすラグビーやボッチャ、ゴールボールを体験してもらう予定です。それと「車いす押してくださいリレーマラソン」も企画しています。車いすに乗っている人が、車いすを押してくれる人を探してリレーをする企画です。

他に関わっているのは「ミーツ・ザ・新喜劇」ですね。障がいのある人もない人も一緒につくる市民参加型の新喜劇です。ここだけの話ですが今年は市長も出演する予定なのでお楽しみに。それと、アクセシビリティを向上する役割も担っています。どんな人もイベントに参加できるように環境を整えていますね。例えば、会場にバリアフリートイレを設置したり手話通訳の人を呼んだりしています。

ながのっち:運営に関わる中で印象的だった「ミーツ(出会い)」はありますか?

清田:市民の方にイベントで何をしたいかを聞く場として、ミーツでは誰でも参加できるオープンミーティングを開催しているんですね。そこで、ある障がいのある人が「自分が言ったことでみんなを笑わせたい」という意見を出してくれたんです。

「障がいのある自分が話すと『真面目に話を聞かないと失礼だ』という空気になって、みんな静かに自分の話を聞くんです」と。それで「じゃあ、ミーツで漫才やりますか?」という話になって。元芸人で公務員の知り合いにお願いして、イベント当日に漫才をやってもらったんですよ。

ミーツに関わる中で、障がいがあっても面白いことを言いたい人は他にもたくさんいることがわかりました。車いすユーザーの女性と元芸人の公務員がイベントの中で漫才をしたこともあったんです。

漫才をするときってセンターマイクを使うんですよね。でも、その女性が「車いすに乗っているから、私の声はマイクに入りませんね」と言ったんです。マイクの高さを変えてみても、うまく声が入らなくて。

結局、その女性はヘッドセットをつけて話して、公務員の方はセンターマイクの前で話すことにしたんです。お笑いの世界では漫才でセンターマイクを使うのが当たり前ですけど、この当たり前が崩れて。これまで常識だと思っていたことが崩れたんです。そのプロセスがすごく面白いな、と。今ある当たり前は、当たり前じゃないんですよ。この出会いがすごく印象に残っていますね。しかも、このコンビはセンターマイクの話をネタにしちゃったんですよね。

ながのっち:すごい…!

清田:ミーツには障がいのある人のチャレンジを促進するという目的もあります。新喜劇や漫才を経て、R-1グランプリやM-1グランプリに出たメンバーもいるんです。すごく面白いなと思いますね。

ながのっち:ミーツでは新しいプロジェクトが毎年生まれていて、障がいのある人の「こんなことやってみたいな」という思いが叶っていっているんですよね。

清田:障がいのある人の中には、いろんなことを諦めてしまっている方もいます。自分のやりたいことを言っても「どこからお金が出るの?」「一緒にやってくれる人はいるの?」などと言われてしまう。そういうことを言われすぎて「何かやりたいことありますか?」と聞かれても「今のままで良いです」と話す当事者も多い。

例えば、僕だったらやりたいことを聞かれたら「メジャーリーグで始球式をやりたい」と言うと思うんです。でも「いい歳してなんで出るの?」みたいな空気を周りから感じ取っていくと、だんだんやりたいことを言わなくなると思う。こういうことが障がいのある人の中で結構起きている感じがするんですよね。

周りからいろんなことを言われすぎて「どうせ無理だろうから言わないでおこう」みたいな。だからこそ、ミーツがその突破口になればいいなって。「これを言ってもどうせ無理かな」と思っていたことを実現できたら良いな、と。障がいのある人たちが「やりたいことを言っても良いんや」「協力してもらえて楽しかった」と思ってくれたら成功かなと思っています。

ながのっち:本当にそうですよね。最後に、みなさんにメッセージをお願いします!

清田:障がい福祉の世界には、暗いイメージを持っている人も多いです。でも、そういうイメージをひっくり返したいんですよね。「なんか明るそうだな」と思ってほしい。ミーツではそういう新しいイメージを提案していきたいし、可視化していきたいですね。

ながのっち:清田さん、今日はありがとうございました!

(文:田中美奈)

ラジオの本編はこちらからお聴きください。

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