donedoneのパーソナルデータの情報利用はチャットサポートでオプトアウトできる

実はdonedone申し込み時に同意する必要があるパーソナルデータの情報利用の一部は、チャットサポートを通じてオプトアウト(拒否)することができる。

パーソナルデータの情報利用とは

株式会社ビッグローブが提供するMVNOサービス「donedone」は、その契約申し込みにあたり「パーソナルデータの情報利用」に同意しなければならない。そこにはこんなことが書かれている。

(1) 利用する情報
    e) 位置情報
      GPS、位置登録、Wi-Fi 、Beacon 等の情報

(2) 利用目的
    本サービスの提供、問い合わせ対応、分析、利用する情報の取得元サービス内で行われる個々のお客様ごとに最適化された有益な情報配信(広告配信、広告表示、クーポン進呈、アンケート配信等含む)、 当社が提供するサービスをまたがって行われる個々のお客様ごとに最適化された有益な情報配信(発信方法は、メール、SMS、郵送や電話にて行います)

(3) 第三者提供
    当社は「(1)利用する情報」をKDDI株式会社(以下「KDDI」といいます)、株式会社ジー・プラン(以下「ジー・プラン」といいます)に提供します。

(4) サービス解約後の再勧誘
    当社は、お客様と当社との間で締結する契約の全てが解除等により終了した場合であっても、当社は、本サービスを解約後 5 年間にわたり以下の利用目的の達成に必要な範囲内で、保持及び利用するものとします。

※太字下線の内容のみオプトアウト(拒否)については、アプリまたはチャットサポートにて変更を承ります。

位置情報:チャットサポート
有益な情報配信:アプリ(お知らせ設定にて、メール、SMS、郵送・電話毎に設定)
第三者提供:チャットサポート
ただし、第三者提供において、当社あるいは提供先のサービスをご利用いただく際に個別に同意をいただいている場合は、その同意内容に基づき、オプトアウト(拒否)を選択した後も当社からの情報の提供は継続されます。
解約後の再勧誘:アプリ(お知らせ設定)

サービス提供者が利用者の端末情報等を取得することは今日一般的だが、donedoneの場合は利用者の位置情報というよりセンシティブな情報を取得している。それらの情報を第三者に提供し、解約後もしばらくはマーケティングに使うので、それが嫌なら申し込みをやめるか、手続き完了後に情報利用を拒否する意思表示をするように、ということだ。

なお、第三者提供先として挙げられているKDDIは2017年1月末にビッグローブを買収し100%子会社化している。ジー・プランはポイント交換サービス「Gポイント」を運営するビッグローブの子会社で、いずれもビッグローブのグループ会社だ。

なお、上記は8月23日に改定された内容であり、サービス開始当初の7月1日に制定された当時はすべてのオプトアウトをチャットサポートに依頼する必要があった。現在は「有益な情報配信」と「解約後の再勧誘」をアプリからオプトアウトできるようになったが、依然として「位置情報」と「第三者提供」についてはオプトアウトをチャットサポートに依頼する必要がある。

実際にオプトアウトしてみた

donedoneには電話窓口が存在せず、チャットサポート(9:00~21:00/365日受付)ですべての有人対応を行っている。

私が申し込んだ7月上旬当時は契約申し込みが殺到して手続きが遅延するなどしていたが、チャットサポートは比較的すぐに繋がり、パーソナルデータの情報利用のオプトアウト手続きをしたい旨を伝えると、一つ返事で承諾された。

変更が反映されるまで数日掛かるという事だったが、実際には1週間程度でアプリ上に表示されている情報配信ステータスがオフになった。

これしきのことアプリ上の操作で完結して欲しいところだが、目まぐるしく変わる事業環境の中でpovo2.0に先駆けてラピッドリリースするべく後回しになったのか、多数の利用者にオプトアウトされると困るので手続きを煩雑にして抑止したいのか、あるいはその両方かもしれない。

この記事を読んでチャットサポートでオプトアウトを依頼する利用者が増えれば自ずと対応を迫られるだろう。

オプトアウトを阻止する検索避け

ところでこのオプトアウト手続き、おそらくほとんど知られていない。誰も重要事項説明書を読まないというのもあるだろうが、実は「パーソナルデータの情報利用」のページは検索エンジンに表示されないよう検索避けのメタタグが仕込まれている。

画像1
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数あるdonedoneの規約ページの中で、このページだけ"signup.donedone.jp"のドメインに置かれており、ナビゲーションメニューがない簡素なページ構成となっていることから、本来はサインアップ(申し込み)フローの中でだけインライン表示させる予定で検索避けが仕込まれていたのかもしれない。

もっとも、実際には申し込みフローの中だけでなく契約後にも参照する必要性が高いページであり、検索避けを正当化する理由としては苦しい。

ここ数年、通信事業者による検索避けや煩雑なオプトアウト手続きに関しては炎上が頻発しており、厳しい目を向けられる中で、これはオプトアウト阻止のための隠蔽と言われても仕方ないだろう。