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#⑥ the monogatary | しろくま商社



#41 the monogatary | 復讐代行(2) 

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彼女との日々。それは私にとって…。

♦♦♦

彼女はエネルギーに満ち溢れている。私とは真逆の存在。ゆえに。私は惹かれていく。

己を知ること。それは、恋愛において、とても大切なことである。己を知り、相手を理解する。その積み重ねが、良い人間関係を形作る。

悩みから脱出するのに最適な行動。それは己を追い込むことである。

カーネギー

『道は開ける』。カーネギーは自著において、上記の言葉を残している。果たして、彼の思想は正しいのか。分からない。しかしながら。当時の私は、その考えに従い、己に過度の負荷を与え、毎日、自らを鍛えた。そして。その先で私を待ち受けていたのは、虚無だったのである。

深海。もし私が、当時の環境を一言で表すなら、この言葉が適切なように感じる。息苦しさ。暗い感情が私を支配する。あぁ、私は笑ってはいけないのだろう。あぁ、私は幸せになってはいけないのだろう。心が黒で塗り潰される。誰にも頼ることが出来ない。孤独な日々。そんな日々に、光が差す。それが、彼女との出逢いだったのである。


#42 the monogatary | 最近(2)

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障がい者としての日々。障がい者としての人生。それは、他者を理解することから始まる。

障がい者雇用とは。それすなわち。障がい者と共に、働くということである。多動症や知的、発達。この世の中には、様々な障害を抱えた人がいる。そのような中で、私に出来ること。私が意識すると良いこと。その意味を、必死に考える。

何事においても大切なこと。それはスルースキルであり、また、自己肯定感を高めることである。一朝一夕では、進まないのかもしれない。時間がかかるのかもしれない。それでも。きっと大丈夫。そう信じてみよう。あなたの頑張りを、野球の神様は、必ず、見守っているのだから。解決には時間を要するかもしれない。それでも。いつか必ず。


#43 the monogatary | 旅に出ます

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その日々は天国。あぁ、私は何て恵まれているのだろう…。

私は本当に恵まれている。幼少期。私は多くの経験を積んだ。ある時はテニスに勤しみ。ある時は野球に勤しむ。合間に勉学。そんな日々。充実感。この感情が私を前進させる。

♦♦♦

時には苦しみも必要。それでも。幸福感も大切。苦しみばかりの人生はつまらない。一瞬でも良い。リフレッシュ。そういう小さな積み重ねが大事。要するに、バランスである。己のキャンバスを豊かにするのに、彩りは重要なのである。

中学受験。それは過酷な日々。それでも。楽しい日々でもあった。当時の私はエネルギーに溢れていた。当時の私は何事も楽しんでいた。この世は娯楽で満ち溢れている。人の数だけ、人生がある。それでも。当時の私は充実していた。きっと、誰よりも幸せな時間を過ごすことが出来ていた。


#44 the monogatary | あの子の微笑み

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朝練。授業。部活。その繰り返し。それで良いと思っていた。しかしながら。それは私の勘違い…。

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野球部。その練習は常軌を逸する。毎朝、始発に乗る日々。片道2時間の私にとって、それは必須の行いであった。睡眠時間は通学中に確保。まともでは無い。それでも。当時の私は盲目であった…。

中学時代。私は優秀であった。年々、向上していく成績。私はテストの点数が上がる度に、自らの成長を実感していた…。

★★★

転機がある。多くの転機の中で、衝撃だった出来事。それは。母方の祖母にまつわることである…。

前兆はたくさんあった。そのような環境の中で。私が中学2年生の時。父親が家出をした。それはあまりにも突然で。私は驚きを隠すことが出来なかった。それまで。両親は頻繁に喧嘩していた。その際。私の心はいつも虚無であった。深夜に起こされることも多かった。そのような環境の中で。きっと父親は耐えることが出来なかったのだろう…。

♦♦♦

それから。1年が過ぎた。そして。母方の祖母はある決断を下す。彼女は自らの意思で、己の人生に終わりを告げたのである…。

突然の終止符。私はパニックに陥る。なぜ彼女は、その決断を至るに至ったのか。必死に思考する。それでも。まともな答えを得ることは出来ない。それは。私にとっての過渡期でもあったのだ…。

■■■

環境とは。いとも簡単に変わるもの。私の景色は一変する。あぁ、この世はきっと、地獄なのだろう。私たちは、亡くなって初めて、天国へと至るのである…。

フリーレン。彼女たちは、天国を目指して旅をする。きっと私の人生も同じなのだろう。私もきっと、天国を目指して旅をしている。その道中で。私は多くのことを学ぶのだろう。多くの魔物と対峙するのであろう。それでも。私は歩を進める。その先に栄光があると信じて…。


#45 the monogatary | 泣いた物語

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『駒田蒸留所へようこそ』。私は母と共に鑑賞した。『花咲くいろは』などで知られるP.A. WORKSによる作品。早見沙織三演じるヒロインが、数々の困難を乗り越えていく物語…。

以下。本作のネタバレ(少々)となります。

●●●

かつて。駒田蒸留所には、KOMAと呼ばれる、ウイスキーがあった。しかしながら。東日本大震災の影響を受けて。駒田蒸留所はそのウイスキーの作成を断念せざるを得ない状況に追い込まれる。

ヒロインは駒田蒸留所に対して、強い親しみを抱いていた。スケッチが得意な彼女。そんな彼女は、駒田蒸留所の従業員たちがウイスキーを嗜む様子を、己のスケッチブックに記録していく。そして。その思い出が、彼女を動かしていく。

★★★

KOMAを失った駒田蒸留所は、経済的に困難な状況に陥る。ヒロインの父親はひたすらに働き、何とかして、駒田蒸留所を維持しようと奮闘する。しかしながら。その代償は大きかった…。

過労を原因として、ヒロインの父親は亡くなってしまうのである…。

♦♦♦

ヒロインは前を向く。「私が駒田蒸留所を支える」という強い決意。「かつての日々を取り戻す」という気持ちと共に。彼女は奮起するのである…。

■■■

笑いあり。涙あり。実にP.A. WORKSさんらしい作品である。本作の主題歌である"Dear my future"のボーカルは早見沙織さん。素敵なバラードである。

続きが気になる方は、是非、その結末を。己の目で確かめてみてはいかがだろうか?


#46 the monogatary | 星から来た

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彼女との日々…。それは私にとって…。

♦♦♦

人生を生きる上で。大切なことなんて山程ある。ゆえに。この世界はこんなにも奥深い。

私の青春時代。それは。決して幸せと述べられるものではない。それでも。彼女との出逢いが私を変えてくれた。開口一番。彼女は告げる。

「火星から来ました。よろしくお願いします。」

「え?」私は思わず。そう発していた。

火星。イーロン・マスク氏やホリエモンのお陰で。火星は地球にとって。ずっと身近な存在になっていた。それでも。まだ限られた人しか到達することが出来ない。そのような領域から。彼女は突然現れたのである。

■■■

突如現れたクラスメイト。幸か不幸か。彼女の席は私の隣だった。

「Apfieydwnfg. Hrxwopdkyu.」

驚きのあまり。僕は翻訳機の存在をすっかり忘れていた。彼女が話す言語を理解するため。僕は翻訳機のスイッチを押す。

「初めまして!My name is Robert. よろしく!」

彼女は快活な口調で自己紹介する。

「初めまして…。僕はジェイムズ…。よろしく…。」

それに対して。私は細々とした声で。そんな彼女に言葉を紡ぐ。正反対。それが彼女に対する第一印象だった。

●●●

ある日。その日は彼女にとっての誕生日。僕は彼女に対して。細やかなプレゼントを送ることにした。

「ロバートさん…。実はロバートさんに渡したいものがあるんだ…。」

相変わらず。僕の口調は冴えない。それでも。

「え!?」

彼女は陽キャ。ゆえに。彼女はいつだってオーバーリアクション。それで良い。それが良い。

♦♦♦

彼女へのプレゼント。それは。宇宙食である。NASAを筆頭に。これまで多くの宇宙探索が行われてきた。多くの宇宙飛行士が火星を訪れた。その中で。彼らにとっての些細なご褒美。それはいつだって宇宙食であった。かつて。野口宇宙飛行士は。人類で初めて。ラーメンを宇宙で食した。そのような歴史の中で。私が選んだもの。それは。カルボナーラである。

イタリア。それは僕の故郷。日本での国民食がお米ならば。イタリアの国民食はパスタである。ラーメンと同様。どうしても麺類の宇宙食は開発にコストがかかる。しかしながら。僕は決断した。やり遂げるのだと。「カルボナーラを火星で食して欲しい」その想いが僕の思考を加速させる。

●●●

開発には多くの年月を要した。ここまで頑張る必要は無かったのかもしれない。それでも。私は彼女の存在に救われた。その恩義を。何としてでも。果たしたかったのである。命は有限。それでも。私は全力を尽くした。

そうして…。満足出来る品が完成した…。

♦♦♦

この世の中は多くの娯楽に満ち溢れている。ビッグデータ時代。私たちは容易くアクセスする。たとえ都会であろうと田舎であろうと。情報は等しく与えられる。試されるは個の力。資本主義社会。そのような中で。僕たちは最善を尽くす。時には遠回りしながらも。それぞれが。それぞれの夢を持って。たとえ魔法が無くたって。きっと願いは叶うのだと信じて。

●●●

運命的な出逢い。運命的な別れ。あれからどれだけの年月が過ぎたのだろう。それでも。彼女に対する感謝は尽きない。それで良い。それが良い。僕たちは巡る。この果てしない荒野にて。私たちは歩む。この果てしない荒野を。

「ロバート。誕生日おめでとう。きっと。あなたは今も変わらず。天真爛漫に。自由奔放に。火星で過ごしているのでしょう。あなたと過ごせた日々。それは私にとってかけがえのない宝物です。願わくば。その命よ永遠に。」

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