見出し画像

久々にNANAを読み返してみた

紙の本が手元にあるのって良い。

久々に何の気無しにNANAを手に取って読み始めたら21巻まで止まらなかった。

初めてNANAを読んだのは23、4歳の頃だったかな?

歳のわりに精神が未熟だったから(NANAの登場人物が20歳前後だから余計そう思う。。。)、当時はナナの痛いほどの寂しさや孤独は伝わってきても、
どうしてもノブじゃなくてタクミを選んだハチも、ナナがまだ苦しい時に美雨と付き合い出したヤスも、シンを突き放してレンと一緒にいたりタクミに関係を迫ったりするレイラも、・・・あらゆる登場人物に共感することができない部分があって、
苛立つことさえあったけど、
今読み返すとそれぞれがギリギリのところで一生懸命生きていたんだなあと感じるばかり。。

中でも、ナナとレンの結びつきは奇跡的というか常軌を逸している、としか凡人には言いようがないんだけど本当にそうだよね。
他の登場人物の弱さには自分と重ね合わせられるところが多少なりともあるんだけど、ナナとレンの関係だけは、私には分からない、一生経験し得ないもの。

今回28歳の私の読み返してみて、一番共感できたのは・・・、
としばらく考えてみたんだけど、そう言えるほど共感できる登場人物はいないかも。

ハチはミーハーなゆるふわちゃんに見えて身近な人を大切にし抜く強さがあるし、
ノブはどこまでも優しいし、
ヤスは抜群の頭の良さを周囲の人たちのために惜しみなく使うし、
シンは愛情を求めて不安定だけど、人を愛することができるし、
レイラは天真爛漫な素振りで人を振り回すけれど深い孤独を抱えていて、目の前の人への純粋な思いやりがあるし、
タクミは・・・なんかバブル期の音楽プロデューサーをもっとずっと完璧にかっこよくした感じで、彼なりの孤独や矛盾を抱え込む一人の人間で

とにかく私がああ、わかる!と手放しで自分を重ねられないくらい、みんな人や夢のために葛藤している魅力的な人物だと思った。
ナナは言わずもがな、ね。

漫画に限らずお手軽に共感できるコンテンツを消費しがちなんだけど、
たまには心が抉られるというか、しんどくなるものを読み込むと、
心が洗われるよねえ。

NANAは休載から13年なんだっけ。
続きはあるならばもちろん読みたいんだけど、
必ずしももうストーリーを追いかけたいわけじゃないから、
21巻まででいやほど描かれている青春の儚さや孤独の深さを(なんかそれでいて、全てじゃないんだけど共感できるところがすごい・・・)噛み締めるだけで十分な気もする。

それにしても、、、、、アラサーになっても、なんか俯瞰してみれるようなことをかっこつけて書いてみたりしても、やっぱり、ブラストに入れ込んじゃうな!笑

レンのギターなら歌えるとか言ってイギリスで勝手に感傷に浸りながら歌を口ずさむレイラも、皆を守るという名目で冷徹さが何となく許さるタクミも、あの時レイラを迎えに行ったレンも、トラネスは、まだまだ、消化しきれません。
いつかもっと大人になったらもっと腹落ちできる、のかも?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?