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衰退の波に抗う商店街「神宮前商店街」

 訪問日:2018/10/26

あなたは熱田神宮をご存知だろうか?熱田神宮は毎年500万人以上の観光客で賑わう名古屋市の観光地だ。熱田神宮近辺には神宮西駅(名古屋市営地下鉄)、熱田駅(JR)、神宮前駅(名古屋鉄道<名鉄>)など幾つかの電車の駅がある。これらの駅はいずれも熱田神宮から徒歩10分圏内に設置されており、熱田神宮への有用なアクセス経路となっている。
ところで、JRの熱田駅と名鉄の神宮前駅との間には数百メートルの距離がある。皆さんはその駅間を繋いでいる商店街、その名も「神宮前商店街」があることをご存知だろうか?

神宮前商店街

JR熱田駅側から撮影

写真手前に「明日へ」と書かれた構造物があるが、ここは熱田区役所、熱田区図書館の入口だ。そして写真では分かりづらいが道路を挟んだ右手は熱田神宮の境内だ。人通りも多く、神宮前商店街はこうしてみるとかなり恵まれた立地にあるように見える。
しかし、その実態は・・・

神宮前商店街の2018

「串焼き てっ平」「はきもの 合羽 中村屋」「おしゃれの店小松洋服店」「鞄のおかだや」などシャッターが閉まって営業していなさそうな店舗が目立つものの営業している店舗も結構見られる。神宮前商店街を感覚的に説明するなら「『商店街』と『シャッター通り』を足して2で割った」という説明が一番分かりやすいと思う。(分かりにくいですね、はい。)

商店街あるある

①お店が、無い!

元々、商店街があった場所を取り壊して更地にした、という場所は大抵どこの商店街にもあるものだが、それはここも例外ではなかった。

②自動販売機設置コーナーと化した店舗

元々店舗があった場所に設置された自動販売機。心なしか自動販売機も寂しげに見える。

衰退に抗う

神宮前商店街のあちらこちらにこのようなものが貼られていた。

この商店街は一部の口コミサイトでは「店舗の8割がシャッターだった」と書かれている。確かに私が訪問した時も店舗数自体は63店舗あるのにもかかわらず、実際に営業していると見られる店舗は23店舗しか無かった。(23店舗の中に前述の自動販売機コーナーは含めていない。)
しかしながら、2016年にお洒落な喫茶店が開店し、2018年4月には日本酒に力を入れた居酒屋がオープンするなどまだまだ捨てたものではない。5年後、10年後には商店街としての活気を取り戻しているかもしれない。

そして舞台は裏路地へ

商店街から1本入った路地にて。歴史のある商店街の裏側にはこのような名所があることが多い。(これを裏路地の法則と呼ぶ。)
スナックや居酒屋が軒を連ねているが現役の店舗はそんなに多くは無い。電気のメーターボックスが空っぽになっている店が多いことがその根拠だ。

看板が私を怪しげ(に見える小路)へと誘う

「神宮小路はこちらへ」看板の位置から撮影

こちらにも飲み屋が広がっていた。人気がほとんどなく中に進入する勇気は沸かなかった。だが、このような風景は嫌いではない。

最後に・まとめ

熱田区役所前に設置されていた案内板。昔は、この商店街の前を走っている道路の中央を名古屋市電(路面電車)が走っていてこのあたりはかなり栄えていたようだ。
電車路線の開通や廃線は人の流れを大きく変える。例えば、名古屋市千種区にある「新今池ビル」は名古屋市営地下鉄桜通線の開通によって人の流れが変化し、寂れてしまったといわれている。神宮前商店街は市電の廃止によって衰退してしまったのかもしれない(実際、名古屋市内には市電の開通とともに栄え、市電の廃止によってさびれてしまった場所が何箇所かある。)
最近では、イオンなどの大規模な店舗が買い物の中心となりつつあるが、このような昭和の雰囲気が楽しめる商店街でコーヒーを飲んだり、買い物をするのも楽しいのではないかと思う。

参考文献

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2016年頃から廃墟に関心を寄せる。2018年、実際に廃墟へと趣き、廃墟訪問にハマる。現在はその廃墟がかつてどのように使われていたのか、いつ頃廃墟になったのかを特定することに力を注ぐ。 地域・店舗限定のエナジードリンクを見つけることにもハマっている。自他共に認めるエナドリ中毒者。