メディアパートナーがnoteユーザーに求めるクリエイター像(5)【コルク社編】

メディアプラットフォーム noteが2018年4月から開始した「クリエイター支援プログラム」。noteで活躍するクリエイターのみなさまを、33のパートナー(2018年12月現在)へ紹介。新たな才能の発掘、活動のマネジメント、メディアへの出演や書籍の出版によるプロモーションを加速させて、クリエイターが活躍する場を広げることを目的としています。
パートナーにどのようなクリエイター、コンテンツを求めているのかお話を伺う企画、第4弾。今回は、10月から本プログラムに参加されたコルク代表・佐渡島庸平さんの登場です。「ドラゴン桜」「働きマン」「宇宙兄弟」といった大ヒット作を世に送り出して来た佐渡島さんが、noteクリエイターに期待していることとは?

加藤貞顕(以下、加藤) 「クリエイター支援プログラム」への参加、ありがとうございます。じつは、コルクとうちは縁が深いんですよね。平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」の編集やWebプロモーションをご一緒させていただいたり、三田紀房さんやうめさんなど、コルクが契約している作家さんたちにcakesやnoteをご利用いただいていたり、以前から一緒にいろいろやってきていて。それで、逆にこのプログラムへのお声がけが遅れてしまった感があります(笑)

佐渡島庸平(以下、佐渡島) そうそう。ぼくはnoteが始まったときから、どんな人が集まる場になるんだろうと興味深く見てきました。ぼくたちがエージェントとして“作家と出会う場” は、いっぱい求めているから。

それでぼくたちも、今年の3月に「 コルクBooks 」というマンガ家がファンと一緒に作品をつくるコミュニティをはじめたんです。でも、プラットフォームは街みたいなもので、その街でしか出会えない作家がいるんですよね。

加藤 だから、今回パートナーに加わっていただいた。ということですか?

佐渡島  はい。たとえばぼくと加藤さんは、社会のなかで存在をマッピングすると似た場所におかれますよね。編集者出身で起業してクリエイターの支援をしていて。でも加藤さんとぼくの出自は、かたやビジネス書で、かたやマンガに小説と少し違っていて考え方も別物ですよね。それで、「コルクBooks」も「note」も渋谷と銀座くらいちがう街なんです。

僕から見えるnoteのイメージは、いまのところ、オープンで健全な場所。作品をつくるだけでなく、ビジネスにしていくことにも興味のある人が多いと思っています。最近noteにできた「お仕事依頼」の機能もそうだし、noteへの投稿をきっかけに注目してもらって、仕事が来るんじゃないんかなって作品が集まっている。だから、役に立つ、学べる情報系とか強いですよね。「ドラゴン桜」とかnoteと相性が良いと思う。

加藤  なるほど、そういった見方もあるかもしれないですね。noteは、プラットフォーム側としては、無色透明をめざしています。noteという名前のとおり、プレーンで、クリエイターそれぞれが自分たちの世界をつくれるように。

佐渡島 無色透明。それでも、カラーがすでに出ているのが面白いですよね。

加藤 ぼくらはこの「メディアパートナーシップ」の取り組みを通じて、「クリエイターの出口」を増やしていきたいんです。まえに「cakesでのデビュー」をめざすコンテストを開催したとき、賞金なくて、cakesで連載できる権利に対して、1万件ちかい応募がきたんです。クリエイターにとって「デビュー」って、ものすごく価値があるんだなって再認識しました。

このデビューも、うちだけじゃなくて出版社やエージェント、メディアなどのパートナーと連携してやった方が、各社の強みを活かしたより良い結果がでると思っています。

佐渡島 提携先がすごく多いですよね。それもnoteらしい。パートナーごとに狙いがまったく違うだろうし。

加藤 そうなんです。コルクの場合は、どんなことを期待していただいてますか?

佐渡島 コンテンツを通じて世界を変えていける人と出会いたいですね。

音楽とかマンガとか小説が世界の空気を生みだして、戦争を止めたりすることが起こりえる、とぼくは思っています。そのためには、コンテンツをおもいっきり世に広げないといけないから、活動をサポートするチームが必要です。

クリエイターの熱量を外に伝えていくために、ぼくらはファンコミュニティ作りを大切にしています。「せっかく世の中に向けて自分のコンテンツを生み出しているのだから、影響力を10倍、100倍、1000倍にもしたい、世界にも届けたい」って思ったときに、チームを組む相手としてコルクは存在したい。

加藤 具体的に、どんなクリエイターと出会いたいと思っていますか?

佐渡島 肩ひじはってない自分の日常を物語にできる人、かな。エッセイは世の中を動かせるんですよ。すごい勇者やヒーローが出てくる物語じゃなくても、日常生活を愛おしく思わせられれば、みんなの生活習慣を変えちゃうコンテンツが成立しうるはずです。いいクリエイターは、「心の栄養になるコンテンツをつくれる」と思っています。

加藤 すごくわかります。たとえば、『枕草子』って世界を変えましたよね。あれがなかったら、もしかしたら、茶の文化とかだってだいぶ違ってきたと思う。なにが気持ちよくて、なにがよくないのかを定義したから、みんなの見方が変わって、結果的に世界が変わった。

佐渡島 そうですよね。枕草子みたいなものは、noteに向いていますよね。

コンテンツができる過程っていろいろあるけど、売れることを目指してつくられた作品ではなく、伝えずにはいられない想いが表現された作品にも素晴らしいものはたくさんあって。noteは、そんな人たちがいっぱい投稿していることに、価値があると思っています。

ただ、そのままだと作品の独りよがりなところ、わかりにくいところ、伝わりにくいところもあるから、アップデートしていく。世の中に広げていくうえでは、編集される必要がある。今の作品から100倍1000倍のジャンプをして、コンテンツの力で世の中を変えたい、ひとりじゃできないことをしたいって思っているクリエイターとつながりたいですね。



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note編集部

ミッションは、「誰もが創作をはじめ、続けられるようにする」こと。クリエイターやパートナーなど、noteにまつわるヒトを紹介しています。公式からのお知らせ : https://note.mu/info || noteのイベント情報 : https://note.mu/events

noteクリエイター支援プログラム

noteと、幻冬舎、ダイヤモンド社、扶桑社など43パートナー(2019年5月現在)が締結した「クリエイター支援プログラム」。今回の施策にあたって、どのようなクリエイター、コンテンツを求めているのかを各出版社に聞く企画。
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