虚実は揃い、白紙が残る 29
「デカいヤマ、って何を」
政府のシステムへハッキングすることをやめてからしばしば衛生局のサービスを利用した。
もう、おれんじがとやかく言うことはない。動作の保障されていないジャックを片耳ずつ分けて一晩、試したことさえある。そのせいでか臨場感の薄れた夢は狭い視界のモノローグへ様子を変えると、続きを投影しておれんじへも見てきた全てを明かしていた。目覚めたおれんじはといえば、大長編の映画でも見終えたかのような具合だ。ベッドの上で背伸びすると、はまぐりかと腹の上へどうんと乗って、