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ソール・ライター展を観た感想

2019年3月9日から5月9日まで開催された
ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展」を観てきました。ソール・ライターの写真家像に迫る展示でした。

 猫がかわいい 

「カラー写真のパイオニア」ということで、最初に感じたことは「色の具合なんてプリントマンのお蔭では…」というヨコシマな心持で入館いたしました。キャプションにも、金銭的な理由で期限切れのフィルムで撮影していたと書かれてありました。期限切れのフィルムは現像や色に保証ができなかったりします。

 ソールライターの部屋 

「パイオニア」と言われるゆえんとは…。
 私は「構図」と「色の配置」にあるのかなと感じました。
 「天蓋」にみられるような大胆な構図、画面の四分の三くらいは天蓋で覆われ、見える部分は下のほうのちょっとだけ、なのですが。天蓋の切れ込みと遠くの木の枝ぶりが重なっていたりして観ていてとても落ち着くというか、ずっと見ていられるというか。色も落ち着いた色調で静けさが伝わってくるようでした。写真の中の色が少ないところもそう感じる理由なのかなと思います。

 帰る途中に咲いてた勿忘草

 ライターは画家を志しており、写真を撮ってもいたしずっと絵も描いていました。浮世絵にも関心があり本を取り寄せたりしていたそうです。ライターの書いた絵は色彩を多く使い空白を埋めるているように見えました。写真とは逆だなという印象がありました。展示されている絵は和紙に描かれていました。もしかすると独特の「にじみ」に関心があったのかもしれません。
 携帯できる手帳にも所狭しと絵をかいてるようでした。小さいカードにも。所狭しと。小さなものやことに対して真摯に向けられた視線があるように感じられました。
 それが一番最後のソームズ・バントリーのモノクロ写真につながっていくのかなと感じました。ちなみに、展示の一番最初の写真のカラー写真のモデルもソームズです。「Harper's Bazaar」。

 ちょっと気になったのが、撮影年がほぼ1950-1960年代のところです。ファッション誌で活躍していたころの写真が展示してあるのですが、晩年の写真がなかったのはなんでだろうなぁという感じでした。図録を観ていないのでそちらにはあるのかもしれません。

 展示会場を進むと壁にライターの言葉が綴られ、人となりが見えてくるようでした。とても静かな、寡黙なのだけど、自分なりの美学や考えを持っていたんだなと感じさせられました。

と、いう感想。

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