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あなたの職を奪うAIの弱点とは

 皆さんこんにちは、カンガエルです。今日はAIについてのお話。読んだ本は「AI VS 教科書が読めない子供たち」です。
 皆さんは「AI」とよく耳にするけどもどういうものなのかはっきりと理解していないのではないのでしょうか。実は皆さんが口をそろえて言う「AI」は本当は「AI技術」なのです。どういうことか。

 AIとは”Artificial Intelligence”(人工知能)ということはご存じだと思いますが、実はまだ人工知能は完成していません。んん??どういうこと?ってなりますよね。すでにチェスや将棋でプロに勝利したり、Siriとかアレクサがもう存在するじゃないか!って僕も思っていました。
 しかし、人工知能というからには人間の脳と同じ機能または同じ機能だと思わせる機能が必要なのです。現段階のAIが行っていることは「四則演算」にしか過ぎないのです。四則演算とは「足し・引き・掛け・割り」の計算のことをいいます。実は皆さんの使っている機械、例えばスマホ、PC、コピー機などはすべて四則演算で行われています。何が言いたいか、それらのモノは考えているように見えるだけで、計算しているだけなんです。
 これは皆さんのいう人工知能でも同じです。計算しているだけで何一つ考えているわけでもないのです。ではどうしてSiriやアレクサはあたかも人のようなことが出来るのでしょうか。それが先ほどのAI技術の一つである、音声認識技術、自然言語処理技術、情報検索技術というデータの計算から成り立っています。ここで言いたいのはAI技術は、あくまでも計算からなる技術の集まりに過ぎないということです。

 では、AI技術はどうやって作るのでしょうか。人体実験が許可されているような国なら人間の脳にチップを埋めるなり、改造するなりして研究することは可能かもしれませんが、おそらく僕たちの知っている限りの国ではそんなことは許されていません。なので、外部の膨大なデータを蓄積させ、それを分析・解析をしています。このデータを教師データといいます。それだけではありません。どのデータをどのように分析するか、また、それらのデータをどう活かすかをプログラミングしてやらなければ正確に機能しないのです。
 では、データがあればAI技術をいくらでも作ることが出来るのか。可能ではあるが大変難しいです。例えば写真の中に「りんご」が映っていたとします。周りには机やいすがあったり、人間が何人か映っています。人間の皆さんなら画像が鮮明である限り、りんごだと判断できるでしょう。しかし、AIには理解できません。たとえ「赤くて丸いもの」と教えても赤を数値化することは難しく、丸といっても完全な丸ではない。さらに、りんごといっても世界にはたくさんの種類のりんごがあります。小さいものや、まだ赤くないもの。もしかしたら、丸焼きして黒くなったりんごもあるかもしれません。そういったものを見分けるために教師データを何億、何千億と集めなければなりません。そして、プログラムするのです… 簡単ではないことが分かったでしょう。
 

 こんな話があります。東ロボくんという東大合格を目指すAI技術が搭載されたロボットが開発され、関東の有名大学MARCHに入学できるほどの実力をつけているのです。得意科目は世界史(情報検索技術による)、数学(問題文を数式に変換)。しかし、国語と、英語はなかなか伸びませんでした。ここにAIができないことが隠されていました。英語から話すと、英語では前後の会話文を見て、いくつかの単語を組み合わせて一つの分を作るという問題があります。しかし、文法は合っていても文脈は合っていないということが起きました。

例えば(日本語で)
A「なんの食べ物が好き?」B「」このBのセリフに当てはまるような分を次の単語から組み立てなさい、ただし使わない単語が一つある。

ハンバーガーが、僕は、好き、あなたは

 という問題があったとしましょう。もちろん答えは「僕はハンバーガーが好き」ですが、AI技術が導き出す答えは「あなたはハンバーガーが好き」という可能性があるのです。何が言いたいかというと「常識」が備わっていないのです。

 国語の問題で浮き彫りになったAI技術の弱点は何でしょうか。ここでは一つ一つの問題例を用意していると膨大な量になってしまいますので簡潔に説明します。
 AI技術がかろうじてできた(できたといってもできたように見える)のは、主語と述語の関係や修飾語がどのように文に関わってくるかとという「係り受け」と、それ、これなどの指示語など「照応」です。
 そしてまだまだできないことは「推論」「イメージ同定」「具体例同定」です。「推論」とは、文の構造を理解したうえで生活体験や常識、さまざまな知識を総動員して文章の意味を理解する力。ダジャレや隠喩などの裏に隠された意味は理解することはできません。「イメージ同定」とは、文章とグラフや図を比べて、内容が一致しているかどうかを認知する能力です。このグラフが要約された4つの文章のうち正しいものを一つ選びなさいみたいなものですかね。「具体例同定」は定義を読んでそれと合致する具体例を認識する力です。机の定義をAI技術に教え込んだところでそこら辺の机や芸術チックの机などは認識できません。

 まとめますと、AI技術ができることは過去のデータ、すなわち教師データから得られる範囲のことしか分析できず、数値化が出来ない感情や文の意味などは到底理解することが出来ません。その一方で、すでに数値化され、大量のデータが残っているような仕事、感情や複雑なコミュニケーションが使われない単純作業や労働などはすでに導入している企業もあります。代替えされるであろう職業として、電話の販売員、保険業者、不動産登記の審査・調査が挙げられています。

 単純に「AIがすごい!」「もう少しで人類がロボットに制圧される…」なんて短絡的に考えるのではなく、AIにできることできないことを理解したうえで使えるところはどんどん使い、逆にAIにできない、人間にしかできない力を身につけよう。ということが僕が本当に言いたかったことです。僕ならばそうですね。。。歌手とか画家、小説家などのアーティストたちなら滅びることはないと思います。「売れれば」の話ですが(笑)

 最後までご覧いただきありがとうございました。この記事がためになった、面白かったと感じた「感情」のある知的好奇心あふれる素晴らしい人間の皆さんは是非スキ!とフォローをお願いいたします(笑)

コンピューターの人間らしくない部分。それは、一度的確にプログラムされ、円滑に機能し始めると、完全な正直者になってしまうところだ 
アイザック・アシモフ

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