4月のとある日の日記

数年片思いをしている人に、次はいつ会えるのか?と投げかけたら「今は忙しいからタイミングを見て」と返ってきた。

じゃあこの日はどうなのか?と具体的な日を提示してみると、その日は休日だったので既に予定があるらしい。
連れてくと言ったあれはどうなるのか?と聞いてみると、かなり先の予定としてはぐらかされてしまった。

次の逢瀬を迫る時点で、またかつて一度告白した過去がある時点で、こちらにその気があることを彼はきっと理解している。

私の彼への好意が地平線に対して垂直、90度で真っ直ぐに向かっているとすれば、彼の私への興味は0度、もしくは10度前後くらいしか傾いていない。
両者の線が重なり合うには程遠くて、いわゆる「脈なし」とはこういう状態を指すのだろう。

こうなると、世間一般的には次の男を探すのだろうか。

『男は星の数ほどいる。』
『女は愛される方が幸せ。』

バカな女はこういうとき、数度でも自分にベクトルが傾いているのであれば首の皮一枚で繋がる彼にしつこく迫り、何度断られても諦めず、見当違いな努力を続け、結局全く別の誰かに矢印の矛先が向かっていくのを目の当たりにして初めて、無残な姿を晒しながら、彼や彼への好意に別れを告げる。
きっとそうなるのがわかっているから、ある程度のラインで静かに身を引き、体裁を守るのが賢い女。

私はバカな女の方。

期待するだけ無駄なのに、ここまであからさまな「興味なし」の態度をとられてもなお、「拒否されていない」という解釈を捨てきれない。
この思いを抱える限り、日を追う毎に重量は増していき、海底に沈んでいくには有利になれど前へ進む活力とはならないだろう。

とはいえ、私が語りたいのは「"バカな女の愚かな末路"ではない」という確信が、なぜか胸の奥に宿っている。

いつか、そういう愚かさを持った自分を、自分が一番愛してやりたいとどこかで感じているから。

今はまだ、すっぱりと踏ん切りをつけられない自分を情けないとか惨めだと思って痛めつけてしまうけれど
いつか、まぁそれでもいいかと、笑える日が。

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