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タコピーが幸せになるところしか見たくない

タコピーが何か悪いことをしたか?人を殺すのは悪いことか?しずかちゃんに手を差し伸べたのはタコピーしか居なくて、そのせいで結果的に人が死んでしまったけどタコピーが何か悪いことをしたか!?

『タコピーの原罪』7話を読んだ。1話から熱心に読んでると自負してるけど私は7話が一番苦しかった。
タコピーが痛みと恐怖の概念を身をもって学んだ2話は正直良かった。空気も読めずにしずかちゃんのイジメを遊びの相談と言ったり明らかに虐待を受けてるしずかちゃんにヘラヘラと楽しそうに話しかけるタコピーが痛い目を見て、こう、変な気持ちになったのは覚えてる。

よくインターネットでは「可哀想でかわいい」みたいな類いの言葉をよく聞くが、タコピーはそれだと思ってた。全然違う。なにも可愛くない。やめてくれ。タコピーの精神をこれ以上傷つけないでくれ。そういう気持ちになる、7話はなんだ?これは



タコピーは今まで“おはなし”を重んじていた。タコピーの世界では“おはなし”で全てを解決できるからそれしか解決方法を知らないのだと思ってた。ヘラヘラヘラヘラおはなしがどうのこうの、同じことしか言わない無能だと思ってた。



でも実際は無知な異星人が地球人をちゃんと理解しようとしていたからこそ出てた言葉で、ボロボロになっても理解しようと歩み寄ってた。タコピーは無能なんかじゃなかった。


それが7話で明らかに強調されて描かれた。


タコピーは1話で恋、2話で恐怖、3話と4話で“ぼくが助ける”という気持ち、5話で善悪、6話で友情を学んだ。7話で罪悪感を学んだ。罪悪感という単語すら知らなさそうなタコ型異星人がそれを学んだ。


実際に罪を犯したのはタコピーだけど、タコピーは何も悪くねぇよと言いたくなる。タコピーより悪いものがごまんとある世界のせいでこうなってるのに何でタコピーが罪悪感なんか学ばないといけないんだよ。タコピーがまりなちゃんを殺したからです。つれぇよ。


タコピーは“おはなし”を通じて理解する。逆に言えば、“おはなし”を通じないと理解できない。

まりなちゃんママとパパの口喧嘩も、タコピーが話の内容が分からないだけで“おはなし”だと思ってるから問題点なんか一切理解してない。

そのタコピーが、まりなちゃんママの言葉とまりなちゃんが存在していた形跡だけでまりなちゃんの幸福だった人生に想いを馳せてる。


これがどういうことか分かりますか。
タコピーはタコピーにも理解できるように説明されないと何も理解できなかったのに、まりなちゃんを失って悲しむまりなちゃんママの心情を理解した。殺人は犯罪という東くん的理論ではなく、殺してはいけない理由を残された者の感情論で理解した。タコピーは一から十まで説明されずともまりなちゃんママの悲痛な言葉で愛されてた存在を自分が奪ったことを理解した。だからさぁ!!!!!!タコピーってさぁ!!!!!本当に本当に本当に本当に性根から良い子なんだよねぇ!!!!!!!!!!

タコピーが幸せになってほしい。またピっピピっピ言っててほしい。これからはタコピーがハッピー星に帰る展開になるだろうけどタコピーがハッピーならそれでいいです。


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