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ボバースアプローチ編:上肢の評価/治療【座位で背部筋/手指の促通】

お疲れ様です。はらリハです。

セラピスト向けの投稿です。

本日は…
ボバースアプローチから考える肩甲骨の安定性からリーチ動作の評価/治療」を題名にお話ししたいと思います!

https://note.com/nou_reha_com/m/me988fcf1beff

はじめに

ボバースや環境適応など、徒手的な誘導から患者様の動きを改善させていく手技では、視診での動作分析、徒手的な誘導に伴う姿勢や筋活動の変化を捉えるで治療仮説を組み立て、治療を展開します。

一例をもとに…

1)視診での動作分析
2)徒手的な誘導から得られる評価
3)評価から得られる情報での仮説
4)訓練の組み立て

基本的にはこの流れで羅列していこうかなと、思います。

1)評価

前回の続きから行うため、治療手を右側として話を進めていく。

ペットボトルへのリーチ動作

リーチ動作に対して、Prone sittingでの尺側の引き込みに伴う腋窩部の柔軟性と、骨盤帯から分節的な伸展活動が得られるようになったことで、上肢リーチ動作に伴う肋骨下部〜肩甲骨の可動性が得られ、肘関節伸展に伴う中枢の活動が協調的に得られるようになった。

次に、前腕から末梢の課題に取り組んでいく。

2)仮説

評価と治療を混合させているため、細かい仮説は治療編で説明するが、現状は、右肩甲骨前傾下制から右背部の長さが乏しく、広背筋から腋窩筋で引き込みのパターンを形成する結果、手外筋優位の筋活動から手関節底屈/撓屈が強まり、環指や母指の動きに制限を来していると仮説を立てる。

Prone sititingから背部筋の促通から腋窩筋群の固定が外れる事で、筋膜での繋がりがある背屈/伸展活動が得られやすくなることでリーチ動作の円滑さち効率さが得られることを狙う。

また、その姿勢で手内在筋の活性化からペットボトルの操作性、小指の活動を向上させることを狙う。

3)治療編:ハンドリング

両手の設置

体幹〜肩甲帯の安定性と、非麻痺側の過活動を抑制するために、左手尺側から誘導して肩甲帯から長い手を作りながら前方の支持物に手掌面から設置させる。

麻痺側と設定している右手も同様に設置する。

この時、骨盤前傾から胸椎伸展位、大胸筋を伸展位に移動させた中で上腕二頭筋を上方、上腕三頭筋を下方に移動させ、その位置で設定する。

※ イメージは前回の状態をキープする姿勢

前腕へのアプローチ

上腕の位置を片手でキープし、骨間膜を広げながら尺骨を軸に回内外を誘導する。

腕橈骨筋が硬い症例が多いので、前腕の筋群をmoidingし、腕橈骨筋の起始に近づけるように肘関節屈曲を誘導し、緩んだ中で前腕回内外を誘導する。

そこから指先を長くしながら手掌を設置させる。

ここで、橈尺骨に対して手根骨が掌側に落ち込んでいることで、手関節の滑りに制限をきたしている。

手関節安定性の確保

前腕に対して手根骨が掌側方向に落ち込みが見られるため、尺側の支持を作りながら片手は前腕を安定させて、もう片方で手掌を把持し、手関節掌屈しながら滑りを作り、徐々に橈背屈に誘導する。

次に、背屈位を誘導しながら橈骨に対して手根骨が上方に滑られすように移動させつつ、引き続き橈背屈を誘導から橈骨と手根骨の滑りと尺側の安定を作る。

※ 手根骨が上方/橈骨が下方へ移動させるイメージ

手関節の安定性から手内在筋の促通

前腕と手関節を設置から固定しつつ、その中で手関節背屈/MP関節屈曲、PIP・DIP関節伸展位で虫様筋握りを入れながら手内在筋の活動を促す。

この時、母指球の形は作りつつ、背側骨間筋の活動も評価しながら行う。

手指伸展位で支持が作れた段階で、母指MP関節外転・伸展の活動を促しながら前腕回外から手背を設置させ母指内転筋の長さを徒手的に作る。

この時、母指CM関節の動きを求めたいので、基節骨を動かすことを意識し、母指指先が天井に向けながら保持させ、母指中枢の安定性を促す。

母指内転筋の長さと活動が得られて段階で、前腕回内から手掌面を設置させ、手内在筋と母指球筋の伸張と収縮を促通させていく。

この段階で橈側の安定性が確保できているので、さらに母指と追加で小指の活動も狙っていく。

前腕回外位から橈側の支持は入れつつ、小指外転筋・対立筋の伸張、内転抵抗で外転筋の賦活と、負荷を入れることでbodyschemaとしての学習も促す。

小指側の筋を伸ばしながら母指内転、外転や、MP関節屈曲、PIP・DIPを天井方向に促通させていく。

おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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