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実践で鍛える! 『暗記する戦略思考』の読み解きとその活用術

皆さんは、「暗記」をどのように捉えていますか?
一見、根性論や古典的な学習法とも思われがちですが、実はこれが最先端の戦略思考を磨く鍵となることをご存じでしょうか。
「暗記する戦略思考」という本は、「唱えるだけで」深く、面白い「解」を作り出す破壊的なコンサル思考として暗記の破壊力を唱えています。

私はこの本について、Audibleで何度も聞き直し、その内容の深さと実用性に感銘を受けました。著者の高松さんは、BCG出身の戦略家。彼が言うには、戦略思考とは、経験や勘に頼るのではなく、過去の事例を暗記し、そのパターンを新たな状況に応用することに他ならないのです。


セブンのコインランドリー戦略 - 暗記から学ぶ「影響の洞察」

たとえば、セブンイレブンがコインランドリー事業に参入する際の事例。どのように店舗を選び、どんな顧客層をターゲットにするか、そういった点が一般には注目されがちですが、この本が教えてくれるのは、一歩踏み込んだ影響の洞察です。暗記するべきは、その事業がセブンにもたらす可能性のある悪影響のシナリオ。つまり、暗記によって、潜在的なリスクをあらかじめ認識し、それに対処する準備をしておくことができるのです。

Metagri研究所の事例に見るリスク分析と暗記の力

これを私のプロジェクト「Metagri研究所」に置き換えてみましょう。

もし私たちが農業とワーケーションを融合させた新事業を立ち上げる場合、事業のメリットは明白ですが、同時に「戦略思考」を行うことで、リソースの分散やオンラインコミュニティの質の低下といったリスクに目を向けることができます。

このように、「暗記する戦略思考」は、過去の成功・失敗のパターンを学び、それを自らの状況に合わせて活用することで、より洗練された戦略立案が可能になります。未来は予測できませんが、過去から学んだパターンを通じて、その可能性に備えることはできるのです。

では、セブンのブロックチェーン事業参入は?

一方で、セブンがコインランドリーではなく、ブロックチェーン事業に参入するとしたら、その影響はコインランドリー事業とは全く異なるでしょう。オンラインベースのビジネスは、実店舗への直接的な影響が限定的ですが、暗記した事例によって様々なシナリオを想定し、未来のビジネスモデルを策定することが可能になります。

Metagri研究所のメタバース戦略

セブンがブロックチェーン技術に参入した事例は、既存のビジネスモデルとは異なるアプローチの重要性を浮き彫りにします。
Metagri研究所もこれに倣い、従来とは異なる分野であるメタバース事業への展開を検討する価値があるでしょう。オンラインコミュニティへの懸念は少なく、メタバースへの参入による利点は大きいと考えられます。このような戦略的観点は、新規事業の可能性を広げるものとして、非常に有効です。

スギ花粉症対策薬の市場導入と利害関係者の分析

次は、スギ花粉症特攻薬の市場導入に関してです。
その普及を妨げる潜在的な要因として「利害関係者の分析」が欠かせません。製薬会社だけでなく、マスク製造企業や地元病院、さらには厚生労働省や杉林を有する地方自治体など、多岐にわたるステークホルダーが存在します。これらのプレイヤーに与える影響を詳細に分析し、特効薬の市場導入戦略を練る必要があります。

農業メタマルシェへの挑戦とその戦略

農業分野でのメタバース事業参入を考えた際、既存のリアルなマルシェとの協力と競争の問題が生じます。オフラインでの取引が基本であった農家や、ユーザーがメタバースに参加する動機づけなど、新しい事業モデルには多くの課題が存在します。また、既存のオンライン農産物市場「たべちょく」のような企業との競合も考慮に入れなければなりません。このような新規事業においては、戦略的にステークホルダーを分析し、リスクとチャンスを見極めることが重要です。

締めくくり: 暗記する戦略思考の実践

「暗記する戦略思考」に基づいたこれらの例は、新しいビジネスモデルの展開においてどのように戦略を立て、実行に移すかの参考になります。本書では、こうした戦略の考え方が10個紹介されており、ビジネスや日常の仕事に役立てることができます。Audibleでの聴き放題ですので、ぜひこの戦略思考を日々の業務に取り入れ、ビジネスに活かしてみてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

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