のうむ

企業の研究員です。有機化学を中心に化学のトピックについて(気が向いた時に)紹介していき…

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企業の研究員です。有機化学を中心に化学のトピックについて(気が向いた時に)紹介していきます。アイコン画像は変えるの面倒なだけです。

マガジン

  • 量子力学を概観する

    量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。

  • のうむの有機化学「有機化学者のための単結晶X線構造解析」

    単結晶X線構造解析は実際の分子,結晶構造を観ることのできる強力な構造解析手法の1つです。多くの研究分野に普及しており,生化学・構造生物学分野ではタンパク質の構造解析研究,有機・無機化学分野では合成した分子の構造決定や分子間相互作用の研究などに利用されています。 本連載では有機化学者のための単結晶X線構造解析と称して,X線回折測定の基礎から測定原理を解説していきます。

  • のうむの有機化学「有機金属化学の基礎」

    有機金属化合物は,配位子(有機化学)と中心金属(無機化学)により,構造,反応性が決まる。 ここでは有機金属化学の基礎について解説していきます。 ※本連載は不定期更新です。

  • のうむの有機化学「芳香族化合物の化学」

    有機化学の中でも芳香族化合物は構造,反応に特徴があります。 ここでは大学レベルの「芳香族化合物の化学」について解説していきます。

最近の記事

いろいろな樹脂「熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂」

どうも,のうむです。 今回は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂についてお話しします。 高校化学で学ぶ2種類の樹脂ですが,なぜ性質が違うのかなどあまり詳しく載っていないと思います。 気軽に読めるよう簡単にまとめておりますので,本格的に学びたい方は成書をオススメします(笑) そもそも樹脂とは?そもそも樹脂とは何でしょうか? 語源としては「樹の脂(あぶら)」,つまり樹木から得られる分泌物に由来しています。 合成化学の発展以降,天然物に限らず合成で得られる高分子類も含まれています。

    • どうも,のうむです。 今年のノーベル賞は「量子ドット」でしたね。 私の量子ドットの記事が目に見えてアクセス数が増えています(笑) あまり細かいことは書いていませんが,ご興味ある方は是非ご覧ください。

      • ストークスシフト〜なぜ吸収波長と発光波長は異なるのか?〜

        お久しぶりです、のうむです。 半年以上ぶりの更新になってしまいました•••。 プライベートで多忙なこともあり、更新できていませんでしたが、今後も不定期で何かしらの記事が書けたらと思っています。 さて、今回はストークスシフトについてお話しします。 内容としては少し高度な内容ですので、光化学をある程度知っている方、これから大学等で光化学の研究を行う人向けになると思います。 そもそも光の吸収と発光とは?化学(とりわけ光化学)に触れている人間からすれば説明不要だと思いますが、光

        • お久しぶりです、のうむです。 諸事情がございまして記事の更新ができていませんが時間位余裕ができれば更新していきます。 ただ、更新ペースはかなり遅くなりそうです•••。

        いろいろな樹脂「熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂」

        • どうも,のうむです。 今年のノーベル賞は「量子ドット」でしたね。 私の量子ドットの記事が目に見えてアクセス数が増えています(笑) あまり細かいことは書いていませんが,ご興味ある方は是非ご覧ください。

        • ストークスシフト〜なぜ吸収波長と発光波長は異なるのか?〜

        • お久しぶりです、のうむです。 諸事情がございまして記事の更新ができていませんが時間位余裕ができれば更新していきます。 ただ、更新ペースはかなり遅くなりそうです•••。

        マガジン

        • 量子力学を概観する
          8本
        • のうむの有機化学「有機化学者のための単結晶X線構造解析」
          9本
        • のうむの有機化学「有機金属化学の基礎」
          2本
        • のうむの有機化学「芳香族化合物の化学」
          15本

        記事

          量子力学を概観する(7)「光化学入門」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「光化学入門」です。 前回の復習今回の内容は前回の続きになります。 スピン多重度についてもう少し深く 前回の最後にスピン多重度についてお話しし

          量子力学を概観する(7)「光化学入門」

          量子力学を概観する(6)「光と量子論」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「光と量子論」です。 光のエネルギー波としての光 光のエネルギーは非常にシンプルな数式で示すことができます。 ここでhはプランク定数,cは光速

          量子力学を概観する(6)「光と量子論」

          どうも、のうむです。 ここ数週間記事の更新ができていないのですが、実は10月以降業務が繁忙期を迎えておりまして、新しい記事を作成する余裕がないのが現状です。 来月には落ち着くと思いますので今しばらくお待ちください、、、

          どうも、のうむです。 ここ数週間記事の更新ができていないのですが、実は10月以降業務が繁忙期を迎えておりまして、新しい記事を作成する余裕がないのが現状です。 来月には落ち着くと思いますので今しばらくお待ちください、、、

          量子力学を概観する(5)「量子ドット」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「量子ドット」です。 イントロダクション「量子ドット」を取り上げたわけ 今回は少し趣向を変えて量子力学のアプリケーションを取り上げます。 アプリ

          量子力学を概観する(5)「量子ドット」

          量子力学を概観する(4)「不確定性原理」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「不確定性原理」です。 不確定性とは?不確定性の原理 まずは不確定性を示す数式を見てみましょう。 右辺のhみたいなやつは定数なのであまり気にし

          量子力学を概観する(4)「不確定性原理」

          量子力学を概観する(3)「シュレディンガー方程式」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「シュレディンガー方程式と波動関数」です。 シュレディンガー方程式とは?シュレディンガーの猫 今回のテーマである「シュレディンガー方程式」の前に

          量子力学を概観する(3)「シュレディンガー方程式」

          量子力学を概観する(2)「量子力学の誕生」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「量子力学の誕生」です。 前置き今回の内容ですが,タイトルの通り,量子力学の誕生についてお話します。 かなりかいつまんでお話していきますが,膨大

          量子力学を概観する(2)「量子力学の誕生」

          量子力学を概観する(1)「化学と量子力学」

          量子力学は古典力学と並ぶ物理学の2本柱の一つです。 これらはミクロ/マクロの物理学として区別され,量子力学はミクロ=原子などの微粒子の運動を表すことができます。 本連載では,数式の導入などは行わず,量子力学とは何かを概観していきます。 学問の勉強というよりは手軽に読んでいただけるような読み物を目指していきます。 今回のテーマは「化学と量子力学」です。 量子力学とは?まずは量子力学とは何かについてお話します。 量子力学とは,名前にある通り「量子の力学」です。 つまり,微

          量子力学を概観する(1)「化学と量子力学」

          新連載の予告

          どうも,のうむです。 「有機化学者のための単結晶X線構造解析」について,前回の更新で一先ず終了となります。 (追加更新をする可能性もないとは言えないのでわかりませんが・・・) 連載内容はすべてマガジンでまとめておりますので,ご参考にどうぞ。 さて,次回連載の予告をさせていただきます。 次回連載はずばり, 量子力学を概観する です! 化学なのに量子力学?と思う人もいるかもしれませんが,大学の化学科では量子力学の基礎を学び,そこから量子化学へ派生されていきます。

          新連載の予告

          有機化学者のための単結晶X線構造解析(8)「回折データのPC解析」

          単結晶X線構造解析は実際の分子,結晶構造を観ることのできる強力な構造解析手法の1つです。 多くの研究分野に普及しており,生化学・構造生物学分野ではタンパク質の構造解析研究,有機・無機化学分野では合成した分子の構造決定や分子間相互作用の研究などに利用されています。 本連載では有機化学者のための単結晶X線構造解析と称して,X線回折測定の基礎から測定原理を解説していきます。 今回のテーマは「回折データのPC解析」です。 回折データのPC解析の流れ測定で得られた回折データのPC

          有機化学者のための単結晶X線構造解析(8)「回折データのPC解析」

          有機化学者のための単結晶X線構造解析(7)「X線回折測定」

          単結晶X線構造解析は実際の分子,結晶構造を観ることのできる強力な構造解析手法の1つです。 多くの研究分野に普及しており,生化学・構造生物学分野ではタンパク質の構造解析研究,有機・無機化学分野では合成した分子の構造決定や分子間相互作用の研究などに利用されています。 本連載では有機化学者のための単結晶X線構造解析と称して,X線回折測定の基礎から測定原理を解説していきます。 今回のテーマは「X線回折測定」です。 単結晶X線構造解析の流れ単結晶X線構造解析は「X線回折測定」と「

          有機化学者のための単結晶X線構造解析(7)「X線回折測定」

          有機化学の分類

          どうも,のうむです。 今日は有機化学の分類についてお話します。 一言に有機化学と言えど,その中身は多岐に渡り,近年は数学,物理,生命科学分野などの領域学問も広がっております。 今回は大雑把に有機化学の俯瞰してみます。 そういえばサムネ画像ですが,いらすとやにエバポがあったのですがみなさん知ってました? 有機化学の2本柱:合成と反応有機化学を2つに分けるとすると,多くの人は有機合成化学と有機反応化学に分けると思うます。 有機合成化学 有機化学は言うまでもなく合成化

          有機化学の分類