5月20日 ハチミツについて

 結論からいうと、養蜂箱ようほうばこの設置は自治体の義務となった。

 というのも、蜂群ほうぐん崩壊ほうかい症候群しょうこうぐん(CCD)などによってミツバチが異様に数を減らしたからだ。

 多くの人が関係ないという風に認識されていたが、この活動が始まってから、ハチミツやミツバチに対しての関心はかなり高まった。

 とあるハチミツ会社が、あることを隠蔽いんぺいしていた。除草剤の基準値を超えていることをわかった上で販売していたのだ。

 この除草剤は毒性が強く、がんや発達障害への影響が示唆しさされている。その他にも、様々な国で使用が禁止されている殺虫剤を、この国では今でも緩和を続けている。

それらの農薬がCCDを起こしていることが何十年も前から分かっているにも関わらず、使用は禁止になっていない。

 しかし、ミツバチの活動がなければ、食品の8割が食卓から消えるとまで言われていて、その経済効果は200兆円にも成るとも。

そんな中、日本で個人レベルから始まった養蜂箱ようほうばこの設置が少しずつ広まり、海外で実施じっししていたモデルを参考に多国籍企業たこくせききぎょうの飲食店が日本にも導入していった。

 とはいっても、都市部ではミツバチが多く生息している訳ではないため、所謂いわゆる地方に設置されている箇所が集中している。都市部でも設置されているところはあるが、名勝地めいしょうち景勝地けいしょうちなどの緑豊かな所が選ばれている。しかし、来場者が多かったり、面積が小さかったり、清水がなかったりといった定着しても問題が生じる恐れがあったり、そもそも定着しない場所には設置がされていない。他では、国定こくてい公園や自然公園にも設置がされており、主にこの場所の養蜂箱ようほうばこが教育の一環として利用される。

少しでも多くの養蜂箱ようほうばこが設置されるように自治体に促した。オオスズメバチが飛来して巣が駄目になってしまったところも多くあったようで、改良が重ねられ、単独で設置されず複数が設置されているところがほとんどだ。

 他にも、各地に養蜂箱ようほうばこを設置するに当たって
「セイヨウミツバチでも問題がないのではないか」という意見も挙がったが、野生種の方が優秀という数多あまたの研究から明らかになっているということで、考慮されたが最終的に棄却ききゃくされた。

 一つは、雨天であっても飛ぶということで、飛ぶ虫は背中に太陽光を浴びることで上がどちらなのかを認識しているらしい。そのため、水の上では、どちらが上なのか分からず落ちることがある。そういう性質を有していながらも、太陽光が少ない環境で飛行できるというのは、開花時間の短いものや梅雨の時期に花咲くものにとっては力強い味方となる。

 二つ目は、受粉の深さとでも言えばいいのだろうか。例えば、イチゴの場合、満遍まんべんく、深く受粉させることができ形が良いものが収穫できる。

 三つ目は、開花時期を早められるということだろうか。全ての野生種がその能力を有している訳ではないようだが、花に傷をつけることで開花時期を早めることができる。条件としては、周辺に花粉が少なくないといけないようだ。

 ただニホンミツバチのハチミツが百花蜜ひゃっかみつと呼ばれるように様々な種の花粉を集めるため、野菜畑のそばには設置しないほうがいいということもマニュアルには盛り込まれている。デメリットらしいデメリットはこんなものだろう。

 他にも様々な有益な能力を有している。そんな働き者のためにも、働き方改革を今後も続けていく必要があるだろう。

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