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記憶の向こうには

☆photopos-3177  2023.5.21

記憶の向こうには
何が潜んでいるのだろう

わたしは
わたしという
小さな心を超えた
夥しい記憶を
忘れ果てることで
こうして生まれてきた

そして
いまもまた
このわたしの得てきた
わずかな記憶さえ
忘れ忘れ果てることで
こうして生かされている

それでも
ときおり
わたしという記憶の堰では
堰き止めることのできぬまま
その水が放流されてしまうことがある

小さな記憶の川で
制御可能な水位を超え
記憶が浸水してくるとき

わたしでないわたしの記憶を前に
わたしには何ができるだろう

※愛媛県久万高原町・古岩屋にて

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