[6]誰でも「特別」になれる。ためらうよりも、進んでみよう。

「総合型選抜は、特別な入試です。だから、総合型選抜で合格した受験生は特別なはず。当大学に合格し入学した後に、あなたは他の学生達にどんな良い影響を与えられるでしょうか?」

これは、武蔵野美術大学の総合型選抜(推薦入試)である教授の方がおっしゃた言葉だそうです。

「特別」になる、というと構えてしまうかもしれません。しかし、どんな人間にも「個性」があり、その人自身が持っている可能性を伸ばしていけば「特別」になれるというのが、私の長年の美大受験指導の中での実感です。

デッサンをやればすぐわかることなのですが、同じモチーフを描いていても視点が1mmズレてしまうだけで、見えてくるものが大きく変わってきてしまいます。

デッサンは、そもそもが「紙と鉛筆の粉」で作られたものにすぎません。「紙と鉛筆の粉」の物質的価値は、おそらくは数十円です。しかし、それを組み合わせて作り出されたものが非常にクリエイティブで「特別」な、大きな価値を持つものになっているのです。

レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサン。このデッサンの価値は天文学的なものです。

だからこそ、美大受験生の皆さんも自分のどこが「特別」なのかを試す価値があります。デッサンは上手でなくても、発想力が優れているかもしれないし、色彩構成のテクニックはなくても、斬新な構図を見つけ出せるかもしれないのです。

そういう幅広く、様々なやり方で挑戦できる可能性を秘めているのが、総合型選抜です。自分が得意なもの、好きなもの、それが見つけ出せている受験生は、まずは総合型選抜で受験してみることがオススメです。

現時点で自分の得意なものが見つけられていない受験生も、問題はありません。個別指導では、先生がそれを見つけ出す役割となります。マンツーマンの対話形式で授業が進んでいくので、先生が生徒の性格や個性を把握しやすいのです。

そして、自分の個性や独創性に気づくことができれば、そこからは飛躍的な実力アップが見込まれます。一人ひとりの個性にあった受験対策がモチベーションを高く保ち、吸収力を大きくアップさせることができるのです。


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