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3ヶ月の休業を乗り越えたBUTTER tokyo: ファンコミュニティの力

BUTTER tokyo店長の高取直樹です。

この記事では、あるトラブルにより3ヶ月間休業を強いられた店舗が
危機を乗り越えるために力を入れた「ファンコミュニティ」について共有させていただきます。

渋谷にあるシーシャカフェBUTTER tokyoは
8/16(水)から電気系統不良により
3ヶ月間もの間臨時休業を強いられました。

そんな状況ですが、
今だからこそ、できる事は何か。

上記を考え尽くし、最速でアクションをした結果、
最低限の売上担保を実現し、お客様からの暖かさにも触れることができた非常に良い機会になりました。

その結果、再会した今では休業前の売上と同等の集客をすぐに実現させ、
休業期間中も最低限の利益を確保することができました。

何を考え、どうアクションしたら、
お店が潰れてもおかしくないこんな危機を乗り越えることができたのか。
皆様にシェアできればと思います。

■この記事を読んでほしい人
・店舗運営におけるファンコミュニティを学びたい人
・突然のトラブルに遭った時の対応方法を学んでおきたい人



ストーリー性を伴ったSNS発信

どんな発信をしたら、またお店に来たいと思う?
どんなお店だったら、助けたいと思う?

今回の事象に限らず、私は常のこの問いを繰り返して、
皆様にとって身近でまた行きたくなるようなお店づくりを心がけています。

何かを発信する時には"ストーリー性"を伴わせると、
お客様は親しみやすくなります。

そのお店のこだわりを知ることができ、現場の裏面を見ている気分にもなります。
仲間意識が芽生え、もっとお店のことを知りたくなります。

つまりは、お客様と一緒にお店を作っているという意識。
顧客との強い接点を築くキッカケになるのが、ストーリー性をつけるということだと私は考えます。

今回の事象においても、
「〇〇のため、〇日まで臨時休業にします。復活したら来てね!」

という業務的な共有だけででなく、

今どんな状況で、今日はこんなことがあって、ここが今辛くて、目処はどれくらいに立ちそうで、、
という状況をデイリーで伝えていくことで、お客様にもより共感していただきやすくなり、お店について興味を持っていただき来店するまでの動機作りを促せる。ないしはファンになってもらうために必要な要素になっていると考えます。

この発信の結果、
営業再開後にすぐに駆けつけてくださったお客様が数十組以上おり、
応援の気持ちを受け取ることができました。

休業期間が長引くほどお客様離れを懸念しておりましたが、
すぐに以前の営業状況に戻せたのです。

前売り券の販売~コアファンにSOS信号を出す~

SNS発信についてはお話しましたが、
とにかく、今月分の売上を上げないとやばい。

何がやばいって、会社のPL問題などの内側の問題もありますが、
何より時間が空いてしまうことによってみんなにBUTTER tokyoの事を忘れてしまわれてしまうことが怖い。

定期的なお客様へのコミュニケーションは、
継続的なリピーターを担保するためにとても大切な要素だと考えます。

上記は、停電中での売上をどうやって担保するかを図で表しました。
前章でお話したSNSの発信に関しては、来月以降を売上担保のための動きとして分類しましが、
当月分(8月)においては、10月以降で使えるチケットの前売り券を販売して直近の売上を担保するアクションを取りました。

そしてそれを、友人やBUTTERのお客様に正直なお店の状況を赤裸々に話し、ご購入をご検討していただきました。
更に根強いBUTTERファンの方には、ストーリーズにてそのチケットの拡散のご協力をお願いさせていただきました。

このように繋がりや関係性によってアプローチ方法は変える必要がありますが、
特に根強いお客様には、恥ずかしい事も承知した上で頭を下げてお願いしました。

その結果、事業PLは辛うじて潤い
休業期間中に利益ゼロという状況を免れることができました。

お客様と一緒に危機を乗り越える。
全力で頼る。
そこに、確固たる絆が生まれる。

「お客様との関係値別施策まとめ」
ライト層:ストーリー性を持たせた投稿を行い、復旧再開後にご来店してもらえるよう周知
ヘビー層:10月以降使えるチケットの前売りのご購入促し
コアファン層:ご自身のSNSにチケットの周知をご依頼

ファンコミュニティがもたらしてくれた恩恵

今回のお話は、「ファンコミュニティ」という言葉を理解しておくとより話に深みが増すと思うので、大枠の概念を簡単に紹介いたします。
私もこの考え方はとても大事ものとして捉え、日々意識して店舗運営に努めております。

ファンコミュニティとは?

広義にファンコミュニティとは、特定の人物、グループ、コンテンツ、企業・ブランド、活動などに対して、ポジティブな関心を持つ人たちの集まりを指します。

マーケティングの分野で「ファンコミュニティ」がよく聞かれるようになったのは、「ファンベース」の影響があります。

ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方のことです。
ファンベースでは、「共感・愛着・信頼」の3つのアプローチの実践を通じて、ファンのLTVを上げ、新たなファンも育てていきます。

参考:https://commmune.jp/blog/202303191728/

ファンコミュニティがビジネスにもたらす効果

①愛着の強化ファンが気軽に参加できる場を作り、想いを共有し、企業や商品ブランドの体験を増やしていくことは、確実に「愛着」を強くする
 →彼らが集え、交流でき、発言できる場所を作るべき
②ユーザー生成コンテンツの増加
③インサイトの発見
 →店舗施策を考える際に、直接お客様の声を聞き反映させる
④売上の増加
 →既存顧客の愛着が強まり、顧客維持率が上昇し、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)が高まって、売上が上がる。
 →ファンコミュニティのメンバーのUGC経由の新規顧客が増え、顧客総数が増える。
 →ファンコミュニティのメンバー限定の商品・サービス(オリジナルグッズ、特別なオファー、限定イベントなど)が新たな収益源となる。

参考:https://commmune.jp/blog/202303191728/

今回の一連のアクションは、ファンコミュニティを意識した施策になっております。
ぜひ、店舗様はこちらを意識して日々お客様と向き合ってみてくださいね◎

終わりに

何がともあれ、今回の悪夢はお客様のお力によって助けられた事は間違いないです。
本当に感謝致します。

始まってすぐに、
常連さんが日程を合わせて復活のお祝いに来てくれたとき
心の底から嬉しくて涙が出そうになりました。

どうして、お店を経営しているのか。
何が、やりがいなのか。

改めて再確認することができて
これからも大切な人たちの居場所であり続けたいと
強く思いました。

あの場所に帰りたい。
あそこに行ったら、素敵な出会いがある。
あの空間で、誰かとゆっくり話したい。

お客様にとって、
もう一つの家ようなサードプレイスになれること。

BUTTER tokyoの強みは
間違いなくこの体験にあり、
これからもそうであるために努力をしようと

恥ずかしながら、
お客様の温かさで再認識しました。

これからも精進して参りますので、
今後とも、BUTTER tokyoをよろしくお願いいたします。

BUTTER tokyoに来てくださる全てのお客様に
最大の感謝と、愛情を。

              BUTTER tokyo Store manager / nowhere inc.
                              高取直樹



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