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夜に沈む

幸せな静けさと光に満ちる夜


今まで生きてきたことと

これから生きることの

希望をかかえて夜に沈む


いつでも もといた場所に帰れる

それでも ここにいたいと思う

たくさんのものを受け取って

ひとつひとつを

いつの日か大事に取り出して

そっとしまい直す

そんな穏やかな時間を

思うだけで満たされる


ひとりで感じているようで本当は

無限ともいえるものたちと一緒に感じている

手を伸ばしただけでは届かない先にも

感覚は旅をする、どこまでも流れる


ワープのようにひとっ飛びするのではなく

川が海まで水を運ぶように

途切れることなくただ、流れていく


美しく穏やかなものたちと

一緒にいられることの幸せ

それらが何か、わからないけれど

夜になるとふわふわと集まってきて

感性の扉をたたく


その扉を開けられない日もあるかもしれない

何かに追われて 考えることが多くて

疲れ果ててしまったとき

その扉の開け方を思い出せなくて

泣きながら閉じこもって眠るしかない時も

そんな時もあるのだと知っている


同時に、いつかふと思い出す瞬間が

何を持ち、待っていたのかを感じられる瞬間が

必ず訪れることも知っている


扉をたたいて来てくれるものたちと

いつでも話がしたい

その時間がどれだけ癒しになるのか

知っている人は、知っている


幸せな静けさと光に満ちる夜

私は私をかかえて

ゆっくりと浮遊し、だんだんと、沈む



眠る前の感情