日本人の「イエス」は「イエス」ではなく「ノー」かもしれない

日本の社会が信じている価値は、民主主義や公正ではなく、平穏なのではないかと思います。静かで平穏であることが、何よりも大事にされている。
           モーメント・ジューン(29歳、韓国人留学生、ラッパー)

日本で人びとは常に、お互いの心をわずらわせまいと気にかけています。とても調和の取れた関係性です。日本人が「イエス」と言っても、それは必ずしも「イエス」を意味せず、「ノー」かもしれません。なぜなら誰かの感情を傷つけたくないからです。
           真鍋淑郎(90歳、本年度ノーベル物理学賞受賞者)

歳も生まれた国も職業も違う二人の言葉だが、言ってることは同じ。
ズバリ、日本の国民性を言い当てている。

民主主義や公正は平穏と思いやり的調和だけでは成立しない。
と言って、「阿吽の呼吸」や「惻隠の情」、今や言葉として地に落ちた「忖度」といったものは、日本の美しい文化のひとつであり決して捨て去るべきものではない。
最近の政官界における「忖度」の問題は日本の恥と言っていいくらいみっともないが、民主主義であれ公正であれ日本的な思いやり調和であれ、つまるところTPOに応じた加減の問題である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?