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神戸からのデジタルヘルスレポート #42 (栄養)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回は第42回!これまでとは少し切り口を変えて、特定のテーマに絞って企業・サービスを紹介していこうかなと思います:-)

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1. El CoCo:食品の栄養素を店頭で確認・スコア化

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企業名:Coco Positivo S.l.
URL:https://elcoco.es/
設立年・所在地:2019年・スペイン/バルセロナ
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

El CoCoは、買い物中に食品の栄養素が気になったとき、その場で調べることができるアプリ。まずは、プロダクトの紹介動画をどうぞ!

使い方は簡単、栄養素を知りたい食品のバーコードを専用のアプリでスキャンするだけで、その食品の栄養情報(糖、脂肪、塩、タンパク質)およびカロリーを調べることができます。

El CoCoが大切にしているのは「栄養素の各数値が何を意味しているかを明確に伝える」こと。CoCoスコアという独自の採点方法を用いて、栄養素やカロリーから食品の推奨グレードを示してくれます。得点が高いほど体に良い食品であることを示します。さらに、1度スキャンした食品は履歴としてアプリの中に保存されるため、健康に良い食品を常に把握しておくことができます。もし、スキャンした食品の情報が表示されない場合は、食品の写真を送ることで数日ほどで情報が追加されます。

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既に現在20万近いDLを記録しており、1か月でユーザーが食品をスキャンした数は100万件をこえています。2019年2月のリリースなので、約1年でものすごい成長ですね。手軽に情報を入手できる簡便さと専門知識がなくてもすぐに食品の良し悪しがわかるシンプルさがこのアプリが多くの人に広まっている理由でしょうか:-)

2. amina:血液1滴で栄養状態を測定する

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企業名:Amina Health
URL:https://www.aminahealth.com/
設立年・所在地:N/A・オンタリオ/カナダ
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

aminaは、一滴の血液からビタミンや鉄などの栄養状態が測定できる機器です。カナダを拠点としており、現地の慢性疾患を抱える方やアスリート、地域のクリニックで導入されています。

測定は数分で完了し、検査室や採血するための検査器具は不要です。専用の器具で、一滴血液を採取するだけで正確な数値を測定することができます。

慢性疾患を抱える方やアスリートにとって、日々の栄養状態の管理は非常に重要な問題です。一般的に栄養状態の検査は病院などで採血によって実施し、結果が出るまで1週間ほどかかります。それでは、迅速な治療やリスクの回避につなげることができません。そういった問題を、aminaは解決してくれます。指先から血液採取が必要なため侵襲性はありますが、簡易的な日々の栄養状態の自己モニタリングとしては有用なのではないかと思います。

Texax Medical Centerが主催するアクセラレーターの2018年のバッチに参加していたようで、まだまだ若いスタートアップ。
これからに期待だ!

3. NutritionPro:カスタマイズした食事の提供

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企業名:NutritionPro
URL:https://nutritionpro.cz/
設立年・所在地:2018年・チェコ/プラハ
直近ラウンド:Seed Round(2019年8月)
調達金額:N/A

次は、芸術の街チェコ・プラハ発のスタートアップ!NutritionProは、プログラムに合わせた食事メニューの作成、調理、配達まで行ってくれるオールインワンサービス。おいしそう。

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食事メニューは独自のアルゴリズムが体組成(筋肉量や脂肪量)と個々の目標から算出したカロリー摂取量をもとに、PFCやビタミン・ミネラルバランスなどを考慮して作成されます。もちろん栄養士によるチェックも。

現在、提供しているプログラムは以下の4つ。

・減量プログラム
・筋肉量を上昇させるためのプログラム
・メンテナンスプログラム(バランスのとれた食事を提供)
・指定した栄養素を軸とした食事プログラム

インタグラムも活用してますね~、いまっぽい。

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またNutritionProは、現在医療現場で戦う人たちに向けた専用サイトを立ち上げ、医療者にNutritionProで作られた食事を届けるための寄付を募っています。会社から無償提供という形にするのではなく国民を巻き込んで寄付とすることで、長期的・持続的的な試みとして成り立たせようとしている用に感じます。

4. HUM Nutrition:美容のための栄養食品を提供

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企業名:HUM Nutrition Inc.
URL:https://www.humnutrition.com/
設立年・所在地:2012年・ロサンゼルス
直近ラウンド:Series B(2019年4月)
調達金額:$20M(Sonoma Brands, CircleUp Growth Partnersなど)

今度は美容系。HUM Nutritionは、栄養士監修のもと美容を目的とした栄養製品を提供するサービスです。いかにもロサンゼルスっぽいぞ...

販売される製品は簡単にいうとサプリメントのようなもの。製品自体はよくあるサービスですが、最初に個人状態を把握するクイズを行って栄養士がそれを踏まえて製品選択行うところが本サービスの強みのようで。

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Web上で、製品に関する詳細もすごく丁寧に記載してあります。製品の性質から作用機序、材料、使用方法、ユーザーレビューまで。しかもすごく見やすい。肌や髪の毛、メンタルなど自分が求めている効果に応じても製品が分かれているので、いろんなニーズにも対応できそうです。美容に特化した栄養に関するサービスも面白いなぁ。

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5. Qina:栄養領域に特化したブティックコンサルファーム

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企業名:Qina. Tech
URL:https://qina.tech/
設立年・所在地:2019年・ポルトガル
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

最後はB2CではなくB2Bで、デジタルヘルスや栄養関係のサービス推進・構築を支援するブティックコンサルをご紹介。ポルトガルに拠点を置くQina社です。

同社の使命は、2025年までに500万人の栄養に関する知識と生活を改善すること。そのためには自社でサービスを展開するのではなく、いろんな企業を裏で支援するほうがいいよね、というロジックですね。

結構クライアントもいるようで。ヨーロッパが中心なのかしら。

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ログイン画面があったりするけどなにかに使えるんだろうか...日本でもこんな感じのサービスをやっているところはあるんだろうか...いろんな想像をさせてくれる企業でした。

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こんな感じで、第42回でした。
過去分もたっぷり厚くなってきました。マガジンのほうもぜひ見てみてください:-)

応援ありがとうございます!