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神戸からのデジタルヘルスレポート #80 (在宅・遠隔診療/治療 3/7)

『神戸からのデジタルヘルスレポート』は、神戸拠点のプロジェクト支援企業・Cobe Associeが提供する、海外のデジタルヘルススタートアップを紹介するマガジンシリーズです。

今回も引き続き在宅・遠隔診療/治療の企業をお届けします。インドネシアやマレーシア等、東南アジアを拠点とする企業を紹介します。

1. YesDok:インドネシアの24時間対応・遠隔医療相談

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企業名:YesDok
URL:https://www.yesdok.com/
設立年・所在地:2017年・ジャカルタ(インドネシア)
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Crunchbaseより

YesDokは、インドネシアとシンガポールで、Healthkitと統合された24時間対応の医師へのオンライン相談サービスを提供しています。tokopediaなどの外部サイトから料金の支払いを行うことができる上、幅広い相談に対応しており、返金保証も備えています。また、医療・健康関係のメディアも運営し、医療・健康情報の発信も行っていることが特徴です。サービスの詳細は下の動画で。

オンライン診療に関する不信感を逓減するために、サービス保証の実施、STR(Surat Tanda Registrasi)とSIP(Surat Ijin Practice)を保有した医師のみの登録、企業としてのISO認証取得など、信頼性を高めるための各種取り組みを進めています。

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離島を多く持つインドネシアにおいて、コロナ禍はTelemedicineを推進する大きな契機となりました。2021年7月、同国保健省は国内11のTelemedicineプラットフォームと協力して自主隔離患者のモニタリングを実施すると発表しており、YesDokはその一つに選ばれています。制約がイノベーションを加速する、その事例の一つがここにあります。

ラボでのPCRテストの結果がCOVID-19陽性であることが確認されると、ラボは患者データを入力し、保健省に直接接続します。約1日以内に、患者は保健省からオンライン相談へのリンクと無料の薬を入手するためのコードを含むWhatsAppメッセージを受け取ります。

sehatNegerikuより

2. BookDoc:マレーシア医師版食べログ

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企業名:BookDoc
URL:https://www.bookdoc.com/
設立年・所在地:2015年・セランゴール(マレーシア)
直近ラウンド:Venture Round(2017年2月)
調達金額:$2M

Crunchbaseより

BookDocは、マレーシア、シンガポール、インドネシア、香港、タイを含む5か国・20都市に拠点を置き、医師の横断検索&予約ができるWebサービスを提供しています。マレーシア創業から半年で海外展開を開始し、資金調達元の一部はブルネイ王族、現在はデジタルヘルスプラットフォームとして進化させていくことを目指しています。この企業も事業紹介動画があります。

ヘルスケア促進のサービスとして、BookDocActivアプリも提供しています。アプリをDL+アカウント登録するとスマホベースで日常のウォーキングやランニングの動きを追跡し記録。目標に達するごとに報酬をゲットでき、結果としてより健康を意識した生活を促進できるという仕掛けです。

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創業者であるDato'Chevy BehとJoel Neoh Eu-Jin、Behの親友がデング熱によっての臨死体験に陥った経験から、このスタートアップの設立に至ったと。強いストーリーは強い企業を作りますね。

コロナ禍の中で、マレーシア国内でファイザー社と連携して “Mental Health for All“プログラムを展開しています。またフィリピンでは非営利団体Childhope Philippines Foundationと企業の社会的責任に関するパートナーシップを締結しており、東南アジア全体で利用者増加に向けて活動を広げています。

3. ProSehat:インドネシアの遠隔診療プラットフォーム

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企業名:ProSehat
URL:https://www.prosehat.com/
設立年・所在地:2016年・ジャカルタ(インドネシア)
直近ラウンド:N/A
調達金額:N/A

Crunchbaseより

この会社も、最初に紹介したYesDocと同様、インドネシアにおけるコロナ禍の自主隔離患者モニタリングで利用される11のサービスのうちの一つ。

ProSehatは、インドネシアを拠点に、医師へのQ&A、医薬品のEC、在宅医療支援サービスなどを提供しているヘルスケアプラットフォーム企業。2017年には5千人の医師のネットワークを構築し、2千件に及ぶ在宅ワクチン予防接種を実施した実績があります。2016年から2017年の1年間で総取引額が10倍となり、今もなお成長を続けています。同社のProsehat Doctor Chatへのアクセス数は毎月10万人以上。同社Webページだけではなく、Whatsapp上でも医師への遠隔相談が実施できるのがいかにもインドネシアらしいなと感じています。

現在は特にコロナ対策関連で保健省と連携して様々なウェビナーを展開しつつ、ワクチン接種推進・接種証明発行なども実施しています。在宅診療に貢献するIoT開発にも取り組んでおり、ローカルプラットフォーマーへの道を着実に歩んでいます。

4. AIDE:フィリピン 医療専門家を自宅に呼べる

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企業名:AIDE
URL:https://www.aide-app.com/
設立年・所在地:2016年・ケソンシティ(フィリピン)
直近ラウンド:Seed(2021年1月)
調達金額:$360K+

AIDEは、フィリピンを拠点に医師、看護師、検査技師、理学療法士、介護士などの医療関係の専門家を自宅に呼ぶことができる在宅医療モバイルアプリサービスを提供しています。オンライン相談だけではなく、 “Doctor Home Visits“を打ち出しているのが面白いですね。

使い方はシンプル、アプリ上で必要なサービスを選択・リクエストして、登録している医療ケアチームがオファーを受諾したらそのままオンラインで決済、といった流れです。一般的なC2C取引、日本だとZehitomoのような流れでしょうか。

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Instagramでもサービス紹介を行っており、どんなユーザーを取り込んでいきたいのかがなんとなく想像されます。スマートさとポップさを両立したビジュアルですね。

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