Nintendo Switch「ゼルダ」クリア後の感想(1)ーーこれは史上もっとも初心者にやさしい「ゼルダ」である


 Nintendo Switch「ゼルダ」、無事にクリアしました。

 いやぁ。素晴らしいゲームでした。これはシリーズ史上、もっとも初心者にやさしい「ゼルダ」ですね。

 もし、あなたがアクションゲーム系が苦手で、難しそうだから、という理由でNintendo Switch「ゼルダ」をプレイしない予定でいるのなら、そんなあなたにこそ、わたしは今回の「ゼルダ」をオススメしたいと思っています。

 わたし、ファミコン版からすべての「ゼルダ」をプレイしてきましたが、これほど初心者向けの「ゼルダ」は見たことがありません。



 ゲームが不得手な人が、苦手ゲームを敬遠するのは、ようするに「行き詰まってしまって、先に進めない」という経験があるからなんですよね。

 行き詰まってしまう理由は、大きく分けて2つあります。「敵が強すぎて、先に進めない」と「謎が解けずに、何をすればいいのかわからなくなる」ですね。こういう状況になり、ゲームを投げ出してしまい、以降、そのジャンルのゲームを敬遠するようになるわけです。

 でも今回の「ゼルダ」には、そういう状況が、ほぼ存在しません。

 敵が強すぎる? だったら戦わなければいいんです。謎が難しい? だったら無視すればいいんです。テーマパークにいったとき、すべてのアトラクションに乗らなければならならい義務なんかないのと同じことです。広大な世界の中に、倒せない敵がひとりやふたりいても、解けない謎がひとつやふたつあっても、大したことじゃありません。

 通常のゲームでは「この敵を倒さないと、次の村には行けないぞ!」というシチュエーションも多々ありますが、今回の「ゼルダ」はそうじゃありません。すべてのことを無視して先へ進むことができるのです。

 だから、基本的には「行き詰まる」ことがないのですね。ゲームに慣れていない初心者でも、ちゃんと楽しめるゲームになっているわけです。



 なので、これは初心者の方にこそプレイしてほしいなぁ……と思っているわけですが、やっぱりゲームの腕に自信がないし、アクションゲームは楽しめそうにないからなぁ……と躊躇する方も、たくさんいるのでしょう。

 わかりました。

 では、アクションゲームが苦手な人のために、今回の「ゼルダ」を楽しむための心得を、これからアドバイスすることにいたします。ぜひ、このアドバイスに従ってプレイしてみてください。ゲーム初心者でも、ちゃんと「ゼルダ」を楽しめるかと思います。



1・逃げるは恥でなく、なおかつ役に立つ

 はい。これが基本です。何度も復唱してください。

 遠くに魔物が見えたら、とにかく逃げましょう。目的地への道の途中にいるような場合は、近づかずに迂回しましょう。いちばん楽なのは、近くにある高い山に登ってしまうことです。そして山頂からパラセール(パラグライダーみたいなもの)で、すーーーーっ、と魔物の上空を通過するのです。これで魔物と戦うことなく、どんどん先へ進めます。山がない時は、近くにいる野生馬をつかまえましょう。馬に乗って、危険なところを駆け抜けてしまえばいいのです。

 え? 戦わなくていいの? というか、そんなプレイで楽しいの? と思う方もいるでしょうが、だいじょうぶです。

 通常のRPGなどでは、魔物と戦わないと経験値が得られず、だからレベルアップできない――という状況になったりしますが、今回の「ゼルダ」では、そんな心配はありません。

 主人公の体力(ハートの器)を上げるには、世界各地にある「祠(ほこら)」を巡るだけでOK。祠というのは、ちょっとしたミニダンジョンでありまして、その大半は、戦闘することなく、謎を解くことで突破できます。

 つまり、ひたすら魔物から逃げまくっても、どんどん祠を発見して、その謎を解いていけば、主人公は強くなれちゃうわけです。こうして強くなってから、あらためて魔物と戦えばいいのです。こうなれば楽勝で倒せます。



2・遠くからの攻撃こそが最善手

 どうしても魔物と戦わなくちゃならないときは、まずは「遠くから攻撃できないか?」を考えましょう。

 ベストは、高い場所から爆弾を投げること。崖の上から真下に爆弾を落とすのが最高ですね。魔物はなすすべもなく死にます。わーい。

 次善は、弓矢で攻撃すること。できれば「爆弾矢」という、着弾すると爆発する矢を放ちまくりましょう。魔物がたくさんいる場所には、「爆薬が詰まった樽」が落ちていることがあるので、これを矢で狙って爆発させるのもいいですね。魔物は一気に死にます。わーい。

 坂道の下に魔物がいるようなときは、巨大な岩を転がすのもいいです。ぷちぷちっ、と魔物を潰してくれます。雪山なら、小さな雪玉を転がすと、どんどん大きくなって、これまた魔物を潰してくれます。わーい。

 トリッキーな戦い方としては、爆薬が詰まった樽を「ピタロック」というアイテムで一時静止させ、静止したところを剣で叩きまくるという手もあります。一時静止が解除されると、与えたダメージによって樽が飛んでいきます。これが魔物がいるところに着弾すると、一気に大爆発するのです。成功すると最高に気持ちいいです。わーい。

 このように、遠くから魔物を倒すための方法が山ほど用意されているのが、今回の「ゼルダ」の特徴なのです。シビアなアクションが苦手でも、魔物は倒せちゃうんですよ。というか、剣で倒すより、むしろ満足度は高いです。



3・接近戦はY連打でOK

 とはいえ、どうしても魔物との接近戦になってしまうこともあります。

 ネットにアップされているプレイ動画などを見ると、魔物の攻撃を盾で弾き返したり、あるいは攻撃をひらりとかわしたりして、魔物に隙ができたところに攻撃を叩き込む! といった華麗なプレイの様子をたくさん見ることができます。

 こうしたテクニックは、ゲームの序盤(ゲーム開始から3~4時間くらい?)の段階で、自然と教わることになります。ゲーム攻略サイトなどを見ると、これらのテクニックはゲーム終盤での必須テクニックだ! 確実にマスターしておこう! と書かれていたりするようです。

 だけど、はっきり言っておきますね。

 あなたがアクションゲームが苦手なタイプなら、これらのテクニックは、すべて忘れてしまってかまいません。

 魔物との接近戦なんて、Yボタン連打(ひたすら剣をふりまくる)でOKなんですよ。そりゃまあ魔物からの反撃もくらいますし、こっちの体力も削られてしまいますが、気にするこたぁないのです。だって、こっちの体力がゼロになる前に、魔物の体力をゼロにすれば勝ちですからね。ゲームが上手い人からすると、あまりに不恰好な戦い方かもしれませんが、これでも勝てます。

 ゲーム終盤も、これで問題ありません。実際、わたし、この戦い方で最後までクリアしちゃいました。なので、いまから壮絶なまでのネタバレを書いちゃいますが(読みたくない人は、ここから4・とにかく料理で体力回復の項までの数行を読み飛ばしてください)、わたし、4人の仲間の力こそ借りた上でですが、ラスボスのガノンとの接近戦ですら、この不恰好な戦い方で倒してます。試してみるとわかりますが、ちゃんと倒せちゃうんですよ。



4・とにかく料理で体力回復

 でも、体力が削られまくったら、魔物との連戦は厳しいのでは?

 と思う方もいるでしょう。だいじょうぶです。戦っている途中で死にそうになったら、料理を食べて体力を回復すればいいのです。料理を食べている間はポーズがかかる(戦闘が止まる)ので、いつでも安心して体力を回復できます。

 わたし、ゲームの中盤以降は、つねに「体力をフルに回復する料理」を5個ほど用意した上で冒険してました。こうすれば、5回死んでも生き返れるのと同じ状態ですから、一撃で死んでしまうような大ダメージをくらわせてくるような強敵がいるエリア以外は、体力を心配することなく冒険できちゃうわけです。

 ほんと、このように体力を回復しながらの冒険が許容されていることが、じつは今回の「ゼルダ」の最大の特徴なんですよね。

 だからこそ、ゲームが上手い人は、魔物からの攻撃を受けることなく(あるいは最小限に抑えつつ)、ゲームの腕を存分に発揮しながらのプレイが堪能できる一方、ゲームが下手っぴな人でも、剣を振り回すだけの不恰好な戦い方で魔物を倒しつつ、ゲームを進めることが可能になっているわけです。

 わたしが、こんなにも初心者向けの「ゼルダ」は、これまで見たことがないなぁ……という感想を抱いたのは、そのためなのですよ。こんなにダメージをくらいながら、それを反省することなく楽しめちゃう「ゼルダ」は、シリーズ史上初だと思うなぁ。




5・攻略情報は見ないほうがいいよ

 さて。最後のアドバイスです。

 ネット上にさまざまな攻略情報があふれていますが、それらは見ないほうがいいです。この広い世界を、自分の手で冒険してこそ、「ゼルダ」の楽しさは何倍も楽しくなります。

 ただ、神獣を突破するときだけは、もし謎解きに詰まってしまったら、最後の最後は攻略サイトに頼るのもアリかなぁ……とは思います。いくつか、けっこう難しい謎があるんですよね。気付きにくいというか。

 それ以外のところは、攻略情報なんかなくても、「なにをすればいいのか、わからない」という状況になることはありませんので、ぜひ自力でプレイしてみてください。わからない謎があっても、こだわったりせず、無視して先へ進めばいいだけのこと。おおらかな気持ちでプレイしましょう。



 なお、わたしは現在、ゲームクリア後に、ようやく攻略サイトを見るようになり、ちくちくと世界を冒険しているところです。行っていなかったところが、こんなにあったのか! と新鮮な気持ちで冒険しております。

 そしていま、この服を強化するために冒険しているところです……と、ゲームをやりこんだ人にだけわかる現状説明をしつつ、今回の文章を終えることにいたします。ガンバリカブト採集中でございます。

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