野安の電子遊戯工房 ~ただいま「マリオテニス エース」堪能中~


 優れたゲームに出会うと、「こういうところが斬新で~」などと理屈っぽいことを言いたくなってしまう性分なので、そんな気持が表出してしまう前に、まずは素直に褒めておきましょう。

 いいゲームですね、これ。

 ふつうにボールを打ち合っているだけで楽しいし、このゲーム特有の、必殺技を駆使しながら挑むという遊び方も楽しい。ほんと懐が深いゲームです。子供から大人まで、下手な人から上手い人まで、まんべんなく楽しませてしまうゲームデザインです。ほんと、よくできてるなぁ。




 まだゲームをやり込んでいないので、あまり深いことは言えない段階ではあるのですが、とりいそぎ、オープニングの見事さについてだけ触れておきましょう。

 通常、スポ―ツゲームというのは、ゲームをスタートすると、こういう画面が表示されるわけですよ。

 ふつうに試合をするモードがあって、トーナメントモードがあって、さらにはストーリーを楽しむモードもありますよ、といった各種メニューが表示されるのです。

 ところが「マリオテニス エース」は違います。ゲームをスタートさせても、上記の画面は表示されないのです。いきなりムービーが流れ、強制的にストーリーモードが始まってしまいます。スポーツゲームとしては、やや異例な始まり方です。

 こうして、しばらくムービーが流れます。ネタバレになるため具体的な内容は書きませんが、マリオが冒険に出るまでの物語が語られるのですね。そして、そのオープニングがひととおり終わってから、

 やっと、メインメニューに行くための方法が表示されるんです。そのように設計されている。

 これ、抜群にうまいですよ。こうすることで、どのモードからプレイするといいのかなぁ? といった迷いを、一切プレイヤーの中に生じさせることなく、まずはストーリーモードを楽しむといいんだね、とプレイヤーの気持ちを誘導していくのです。

 このため、たぶん大半のユーザーは、そのままストーリーモードを進めることになるのですが、スゴロクのようなマップを進んでいくと

 その最序盤で、正しくボタンを押し、さまざまな種類のボールを打ち分けるための試練が用意されていたり、

 必殺技的なショットを打つことで、やっと勝てるような敵キャラ(対戦相手)を登場させたりして、冒頭の10~15分で、ひととおりの操作方法を自然とマスターできるような仕組みになっているのです。

 いやはや、ほんと上手いなぁ。ごく自然にストーリーモードに誘導することで、みんなにチュートリアルを体験させてしまう、という引き込み方が素晴らしい。スポーツゲームのオープニングとしては、これ、かなり画期的なことをやってます。

 また、ストーリーモードのマップ上にあるこれらの試練は、いつでも行くとこができるので、「あれ? あのショットって、どうやって打つんだっけ」とわからなくなったとき、ここが取扱説明書の代用品にもなっています。ゲームソフトに紙の取扱説明書がつかなくなった時代の、その代用品をゲーム内のどこに格納するか? といった命題に対する、ひとつの正解がここにあるのかもしれません。




 というわけで、本日は、「マリオテニス エース」の序盤について、ちょっとした紹介&解説をしてみました。

 今後、こつこつとストーリーモードを進めていく予定です。しばらく楽しめそうです。また語りたいことを発見したら、ここに書くことにします。気長にお待ちくださいませ。

(2018/06/26) 

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