野安の電子遊戯工房 ~「マリオテニス エース」のストーリーモードは、ゲームの教科書のようだなぁ~


 「マリオテニス エース」を堪能しています。

 ほんと、ストーリーモードが素晴らしいなぁ。ひとつひとつのステージをクリアしようとすると、ごく自然に、いろいろなショットを使いこなせるようになっていくあたり、抜群によくできています。

 そもそも、テニスは、一種類ショットだけを使っていても、どうにかなってしまうスポーツです。延々とトップスピンを打ち続けたって問題ありません。世界トップクラスのテニス選手のナダルだって、基本的にはトップスピンしか打たないわけですよ。それでも、たいていの相手には力押しで勝ててしまいます。

 だけど、そんな試合を再現できるようにしてしまうと、テレビゲームとしては面白くありません。「力押しをすれば勝てる」なんてゲームバランスにしたら、パワーのあるキャラを使うことが絶対的に有利になってしまいますし、そしたら面白さは壊滅的になくなってしまうわけです。

 だから、ゲームとして楽しいものにするためには、状況に応じて多彩なショットを使いこなし、その駆け引きが上手いプレイヤーが勝てる――というゲームバランスにする必要があります。そのためには、知らず知らずのうたに、いろいろなショットを使いこなせるようプレイヤーを導いてあげる必要があるのですね。「マリオテニス エース」は、そういうゲームなっています。

 だからこそ、そこにストーリーモードが用意されているのですね。いざプレイすると、ほんと、ひとつひとつのステージがよくできていて、知らず知らずのうちに、いろいろなショットを身につくように作られていることがわかります。




 たとえば、これは最序盤のステージです。

 謎を解いてダンジョンを進んでいこう! といった体裁になっていますが、つまりは各種ショットの打ち方をレクチャーしているわけですね。まずは、ここでひととおりのショットを学習できます。

 そのうち、ヘイホーが投げてくる雪玉を打ち返して、ヘイホーにぶつけてやったけよう! といったステージも出てきます。屋根の上にいるヘイホーが厄介でありまして、ふわっ、としたロブショットを打たないと、なかなかぶつけることができません。ごく自然にロブを使いこなせるようになっていきます。

 通行人が歩き回っている場所での試合もあったりします。ボールが通行人に当たると、いきなり方向が変ったりするので、素早く移動するテクニカルショットのなどのテクニックが身につきます。

 ボス戦もあります。エナジーを溜めて、スぺシャルショットを使わないと勝てない相手です。こいつに勝てる頃には、ごく自然に、スぺシャルショットの使い方をマスターできるようになっております。




 こうして、いろいろなステージをクリアしていくことで、

 A:トップスピン
 B:スライス
 X:ロブorドロップショット
 Y:フラットA:トップスピン

 といった4つの基本ショットはもちろん、さまざまなスぺシャルショットを使いこなせるようになっていくのですね。知らず知らずのうたに、各種ショットを使い分けながら試合を楽しむための素地が、プレイヤーの中に植え付けられていくのですよ。ゲームを楽しむための基本テクニックが身についていくのですよ。

 ほんと、こういった「楽しませながらのチュートリアル」を作らせると、任天堂は上手いですよね。よくよく考えると、けっこう複雑な操作を、いつのまにか使いこなせるようになっていきます。

 そんなわけで、まだしばらくは「マリオテニス エース」のストーリーモードをプレイし続ける予定です。もっともっと上手くなりたいですからね。ただし、ワールドカップ観戦の合間にプレイしているので、ゲーム進行は、きわめてゆっくりでございます。

(2018/07/05)

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