野安の電子遊戯工房 ~ベスト8ならず~


 とはいえ、素晴らしいエンタメでした。

 ノックアウトステージに進出した16チームとして、なにひとつ恥ずかしくない試合をしたと思います。世界中のサッカーファンを楽しませることには成功たんじゃないかなと。ここから先に行くには選手層なのでしょうね。控えにも海外1部リーグのレギュラークラスがいないとキツい。披露した選手を後退するたび、こちらはダウングレードしていくのに、相手の戦力はほぼ変わらない。その差が出たかなと。

 また、ギリギリで監督を後退したツケを払ったともいえる。

 固定したメンバーで「いいチーム」を作るところまでしか時間がなかった。もっと選手を入れ替えて、そのコンビネーションなどを確認しておく時間があれば、もうすこし違った手が打てたかもしれません。そのことを熟知し、試合ごとにメンバーを替えるスペシャリストである監督がいたんだけど、その人を解任しちゃったんだから、これは妥当な結末だったのでしょう。固定メンバーゆえの疲労で敗北です。




 だから、感動をありがとう――なんてことは、口が裂けても言いません。

 もっと上に行くチャンスがあったのに、それを逃したんだもん。なんてもったいないことをしたんだよ! という気持ちでいっぱいです。

 ただまあ、これで日本のメディアは、今後も西野さんにまかせよう! やはり日本人監督がいい! といった論調になるんでしょうね。

 わたし、その考えにはまったく賛同しません。監督を選ぶのに国籍とか人種で選ぶなんて馬鹿げています。そんなこととは関係なく、監督は能力で選ぶべきでしょう。そして西野さんは、もともとハリルさんをサポ―する役目だったのだから、ハリルさんを守れなかった責任をとって、いったん代表を去るべきでしょう。

 とはいえ、世間は西野さんを賞賛する論調になるのでしょうね。でも、しかたがないのかな。そういった方向に流れてしまうことまで含めて、それがいまの日本サッカー界の実力なのでしょう。




 というわけで。

 今回のワールドカップにおける、日本の冒険は終わりました。残念ではあるけれど、楽しかったです。

 明日からは当事国としてではなく、ただのサッカーファンとしてワールドカップを楽しむ日々を始めたいと思います。

(2018/07/02)

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