野安の電子遊戯工房 ~e-Sportsが女性解放運動と結びつく可能性~


 今年のアジア競技大会では、e-Sportsがデモンストレーション競技として採用されます。その日本代表を決める大会が、この週末に行われました。

 わたし、その現場を取材しておりまして、目の前で日本代表が決まる瞬間を目撃いたしました。職業上の仁義として、この大会に関する詳細は、依頼された媒体でしか書けないのですが、「勝ち残ったみなさま、おめでとうございます!」と、ここで祝福することくらいは許されるでしょう。

 これから、日本代表として最終予選の戦いが待っているわけですが、ぜひとも突破して、本戦に出場してくださいませ。




 というわけで、ここから先は、ざっくりとした一般論だけを書きます。

 以前から、e-Sportsに関して、わたし、ちょっとだけ気になっていることがあるのですよ。

 e-Sportsを「スポーツ」としてとらえるならば、本内ならば、ちゃんと男女別の大会が開催されなくちゃいけないよなぁ――ってことです。

 使うのは指先だけとはいえ、それでも反射神経などの身体機能が勝敗に直結する競技なのだから、e-Sportsというスポーツは男女別に行われなるのが本来の姿のはずですからね。

 現在のオリンピックの種目には「性別を問わず、ともに参加して競い合う種目」というものは存在していないですし、e-Sportsがオリンピックの正式種目を目指すのであれば、女性プレイヤーの増加こそが、これからの発展のための課題なのかな、と思っている次第なのです。




 でね。

 e-Sportsが、女性のための大会に力を入れることには、すごーく大きな価値があると思うんですよ。

 というのも、肉体をフルに使う競技ではないですから、かなり「自由な服装ができる」という利点を持っているわけですよ。これって、たとえばイスラム教の国の女性にとって、すごい訴求ポイントかもしれないんですよね。

 e-Sportsというのは、「まったく肌を露出しない服装」であってもプレイできるスポーツだよ!

 しかも、オンラインを介してプレイすれば、自宅にいながら腕を磨くことができるスポーツだよ!

 だから、宗教的・文化的な理由により「肌の露出がしにくい国」「男女の交流が制限されがちな国」の女性たちも、それらを気にすることなく腕を磨き、国家代表のアスリートになれる大チャンスがありますよ!

 ――みたいな方向でアピールするというのは、すごーく大事なことのような気がするんですよね。そのためにも、女性の、女性による、女性のための大会というものを、どんどん普及させるといいんじゃないかな、と思っていたりする昨今です。




 大袈裟なことを言うならば。

 わたし、e-Sportsという競技は、全世界的な「女性の解放運動」みたいなことの力になれる、大きな可能性があるかもしれないよなぁ――と、そんなことを夢想しているのですよ。

 せっかく日本でも盛り上がってきたことだし、e-Sportsの関係者のみなさまは、ぜひとも、そういうところを目指してほしいなぁと思っております。

(2018/05/27)

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