野安の電子遊戯工房 ~日本代表の試合と、「ウイイレ」日本代表の試合と~


 日本対ガーナ。馬鹿馬鹿しいとしか言いようのない、ハリルホジッチさんの解任騒動後、初のテストマッチが行われました。

 0-2で負けました。

 うわぁ……ヤバイなぁ。

 という諦めの声すら出ないような、ひどい内容だったなぁ――ということは、わざわざ書くまでもないでしょう。

 とはいえ、試合を見ていない人もいるでしょうから、具体的に説明しますと、先週末、わたしは、東アジア競技会のエキシビジョン競技として採用されたe-Sportsの日本代表決定戦を取材したのですよ。その競技の中に「ウイイレ」がありまして、その日本代表を決める試合を観戦したのですよ。

 だから、はっきりと断言しちゃうけど、今日、横浜国際競技場で行われた日本ーガーナの試合は、そのテレビゲームの試合よりも、明らかにレベルが低かったです。試合内容もダメだったです。

 現実のサッカーが、テレビゲームよりも内容が良くなかったんだから、ほんと、これってマジでヤパイ事態なんですよね。




 どういうことかといいますと。

 「ウイイレ」の代表決定の大会があった日の未明、欧州チャンピオンズリーグの決勝があったんですよ。

 そこで展開していたサッカーの内容は、「ウイイレ」の試合で展開していたサッカーとは、まるで別物なんですよね。スピード感が違うし、試合の運び方が違う。違うスポーツを見ているのか? と思ってしまうくらい、その試合内容が違うんですね。

 でも、これは「ウイイレ」が悪いんじゃありません。

 現実のサッカーは、めまぐるしいスピードで戦術が進化しているから、サッカーゲームが追い付けないんです。サッカーゲームは「凄いプレーをしたとき、わたしたちが見慣れている、よくある現在のサッカーのように見える」よう作られるので、世界トップレベルの監督が繰り出す最先端のサッカーよりも、どうしても数年ほど遅れてしまう宿命を持つんですね。

 だから「ウイイレ」の試合は、それが日本トップクラスの凄腕プレイヤーによるものであっても、「ああ。これはリアルなサッカーとは、ちょっと違うね」「だいたい4~5年前のサッカーのリズムだね」みたいな内容になるんです。

 だから、2018年のチャンピオンズリーグ決勝のようなサッカーは、たぶん4~5年後の「ウイイレ」で再現できるようになるのでしょう。テレビゲームは、そうやって現実のサッカーを追いかけ続けるのです。




 だからね。

 その「ウイイレ」の試合よりも、さらにリズムが悪い試合を、現実のサッカーで見せられてしまうと、暗澹たる気持ちになるしかないのですよ。

 最先端のサッカーよりも4~5年ほど遅れている「ウイイレ」の試合よりも、さらにリズムが悪いってことは、いまの日本代表は、いったい何年前に戻ってしまったんだろう――と。

 いやまあ、サッカーの中身が古いからといって「勝てない」と決まっているわけではないんだけど、なんというか、どよーんとした気持ちになってしまうのですよ。

 ほんと、いくらなんでも、サッカーゲームの試合よりも内容の乏しい試合をしたら、いかんです。かんべんしてくれ。




 さてと。

 日本代表について語ると、愚痴しか出てこないので、もうやめにしようっと。

 というわけで、明日からは、日本代表に見切りをつける意味も込めて、ちゃんとゲームの話を中心にしたコラムに戻ります。でわでわ。

(2018/05/30)

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