Nintendo Switchはヒットする! と断言することにした――という話


 発表されたNintendo Switchを体験してみて、わたしは「Nintendo Switchはヒットする!」と断言することに決めました。

 そう考えるに至った理由はいろいろありますし、ロジカルに説明することもできるのですが、それらは仕事として書く(可能性がある)ため、詳しくは書きません。ここでは、そう決断する決め手になった出来事について書くことにします。



「あ~。脇腹が痛いよ~」

 それはNintendo Switch体験会、1月14日の一般人向けの会場で耳にしたセリフでした。このセリフを聞いたとき、あ、これはヒットする! と断言していいんだと腹をくくりました。

 『ARMS』という格闘ゲームの試遊コーナーでのことです。わたしは「子供がプレイしている姿」だけを、ひたすらチェックし続けました。子供たちの反応こそが、ゲームの面白さを判断するための最良の取材対象だ! というのが、わたしのポリシーです。

 子供たちの反応は、すこぶるいいものでした。 

 とりわけ、わたしの目を引いたのは、親子でプレイしている2人でした。パパと娘です。娘さんは、小学校3~4年生くらいでしょうか。ゲーム体験会で親子デートするという、なんとも微笑ましい光景でした。

 この娘さん、比喩ではなくぴょんぴょん跳ねながら、夢中でパンチを繰り出して遊んでいました。こんなにも楽しそうに試遊台に向かう光景は、そうそう目撃できるものではありません。その結果、どうやら対戦でパパをやっつけたらしく、満足そうに試遊コーナーから降りてきました。

 そして、わたしの横を通るとき、娘さんがパパに向けて発したのが、上記のセリフです。娘さんは、「あ~。脇腹が痛いよ~」と、心から楽しそうに笑ったのです。



 このセリフ、とてつもなく凄いことなんですよ。

 Wiiのプレイ経験がある方は、よくご存じだと思いますが、「体を動かして操作するゲーム」をプレイしたとき、痛くなるのは「腕」なんです。軽い筋肉痛になった経験のある方、たくさんいらっしゃるでしょう。

 だから、これまでのゲーム機であったなら、試遊台から降りてきた娘さんが口にしたであろうセリフは、「あ~。腕が疲れたよ~」になるはずなんです。

 子供たちにとって、これまでのゲーム機のコントロラーって「重すぎるもの」ですからね。これを数分にわたって振り回したら、腕が疲れちゃうんですよ。それは不可避なことなんです。

 なのに『ARMS』の試遊コーナーから出てきた娘さんは、そうじゃなかった。彼女は腕が疲れてなかった。腕には負担がかかっていなかった。きっと手にコントローラーを握っていることさえ忘れ、夢中になり、ぴょんぴょんと跳ねまわってしまったのでしょう。その結果として「脇腹が痛い」と口にしたのです。

 これ、ほんと凄いことなんですよ。

 だって、小さな子供が、コントローラーを握っていることすら忘れてしまい、脇腹が痛くなるまで夢中になる家庭用ゲームなんて、これまで存在したことはありませんからね。これまで誰一人、そんなゲームは作れなかったんです。

 だから、「あ~。脇腹が痛いよ~」というセリフを耳にしたとき、わたし、Nintendo Switchはヒットすると断言していい、と腹をくくることに決めたんです。あとは、この予想が当たるといいなぁ……と祈るばかりです。

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