Nintendo Switchは「作り手」と「遊び手」を切り替えるゲーム機だといいなぁ――という話


 任天堂の新ゲーム機「Nintendo Switch」が発表されたので、とりいそぎ思うところを書き残しておきます。

 発表された情報を見て、気になっている点は、ただひとつ。

 このマシン、いったい何を「Switch(転換・入れ替え)」するゲーム機なんだろう? ってことです。



 動画を見るかぎり、これが携帯ゲーム機と据え置きゲーム機の垣根を消すマシンであり、つまり、その2種類のゲーム機を、それぞれSwitch(切り替え)するゲームであることは、わかります。

 でも、それだけなのかなぁ?

 それだけのことなら、ゲーム機名を「Switch」にするのは、ちょっと大仰過ぎないか? と思うのですよ。

 わざわざゲーム機名にするのであれば、もっと違うものをSwitchするんじゃないか? と思うのですよ。

 だから、個人的には、これは「作り手」と「遊び手」をSwitchすることを目指すゲーム機であってほしいなぁ……と予想しているのです。



 テレビゲームが目指す究極形のひとつは「遊びの自動生成」です。

 ほうっておくだけで「楽しい遊び」が自動的に生まれていく。プレイヤーは、そうして生まれた遊びを「楽しくプレイ」する。こういうのが、ゲームの究極形のひとつなんです。

 まるで夢物語みたいだなぁ……と思うかもしれないけど、そんなことはないです。すでに類似の仕組みは、たくさんあります。たとえばTwitterがそう。ほうっておくだけで、世界中の人が勝手に「つぶやく」ことにより、膨大な量の「文章の自動生成」が行われているわけですね。Youtubeやニコニコ動画などの動画サイトも同じことです。

 ユーザーが、いつでも「何かを生み出す側」にまわれる仕組みを作ると、コンテンツは自動生成されるようになり、半永久的に、みんながコンテンツを楽しめるようになるんですね。



 Nintendo Switchは、そんな仕組みに挑戦するゲーム機なんじゃないかな――と個人的には予想しています。

 もちろん、ただ予想しているだけなので、当たるかどうかはわかりませんけど(笑)。

 とはいえ、現行機Wii Uで、そのための実験は実施済みです。これって、ユーザーが「スーパーマリオ」のステージを作れて、自由に公開できるゲーム機ですからね。「遊び手が、いつでも作り手になれる」「作ったものを発信できる」という仕組みは、すでに存在するんです。

 ならば、この仕組みを、発展させないはずがないよな――と、わたしは思っているのです。



 プレイヤーが、いつの間にか「作り手」になっていて、そこで作られたものが、他人のゲーム機に伝わり、どんどん新しい楽しさを産む。

 あるいは、ゲーム機そのものが、他の人を楽しませるための拠点としてのサーバになったりする。

 Nintendo Switchには、そんな仕組みが用意されているといいなぁ。それならば、これまでのゲーム文化のありかたを根底から変える、まさしく時代をSwitch(転換)させるマシンになるよなぁ。

 ――と、任天堂の新ゲーム機「Nintendo Switch」の発表を見て、わたしは考えたりしたので、備忘録として、ここに書いておく次第です。


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