野安の電子遊戯工房 ~アメリカで開催中のE3についての雑感~


 世界最大級のゲーム展示会・E3が開催されております。

 ゲームに関わる物書きとしては、12~3年前は「できるかぎり現地で取材すべきイベント」でありましたし、5年くらい前は「せめてリアルタイムで要チェックすべきイベント」でありましたが、昨今では、そのような意味合いは薄れてきましたね。

 価値が下がった――と言っているのではないですよ。

 むしろ、祝祭としての価値が、かつてないほど上がってきているんだと思います。ゲーム関連の展示会は世界各地で行われているけど、ここまで全世界的に注目されるのはE3だけですからね。

 このため、「世界中でみんなが盛り上がっている様子を、ネットを介して確認する」ことができるイベントとして、E3は、かつてないほど高い価値を持つようになったのかなぁ、と思っています。「情報をチェック」するより「熱量をチェック」するこちに価値のあるイベントなのかなぁと。




 というゴタクはさておき、とりいそぎ、任天堂のトレイラーをチェックしてみました。

 個人的な感想としては、「スマブラ」新作にスカポンの姿があったことが、いちばんのサプライズでした(笑)。

 だってスカポンですよ! 熱心なゲームファンでも知ってる人は10%未満でしょう。「ジョイメカファイト」のメインキャラだよ! と説明したところで、タイトルそのものを聞いたことのない人が大半でしょう。すげぇところからキャラクター拾ってくるなぁ桜井さん(笑)。

 でも、こういうのって凄く大事ですよね

 テレビゲームには、アーカイブの文化がありません。本とか音楽とか映像とかは、いったん世の中に出たかぎり、いつまでも鑑賞可能な状態で保存されるんだけど、テレビゲームは違うのです。過去の作品がプレイ可能な状態で保存されないことも多く、世の中から消え去ってしまいがちなんですね。

 なので、こうやって新作ゲームの中に過去のゲームのキャラクターたちを登場させるってのは、素晴らしいことだと思うのです。というわけで、何十年ぶりにスカポンの雄姿を見られて、ちょっと嬉しくなった火曜日の深夜だったのでありました。




 もうひとつ驚いたのは、2台のNintendo Switchの画面を繋げて、ひとつのモニターとして使用する」というゲームが出てきたことかなぁ。

 「守秘義務があるので言えないけど、いろいろと凄いことができる機能を持ってるんですよ」と、取材時にゲーム開発者の方々がよく口にしていましたが、なるほど、こういうのが、その隠されていた機能のうちのひとつなのでしょう。

 それにしても、Switchって、ほんの1年半前に「任天堂の新しい据え置きゲーム機です!」と宣言しつつ発表したマシンだったはずなのに、「さあ、みんなでゲーム機を持ち寄ろう」「複数のゲーム機を繋げて遊んでみよう」と強調するかのような、つまりはSwitchを携帯ゲームのように使っているプレイ映像を大々的に発表してくるんだから、ちょっとすごいよなぁ。

 なんというか、ほんと、任天堂ってのは食えない会社ですよね(笑)。




 他にも、いろいろと言いたいことはあるけど、他メーカーの発表映像などもチェックしたいし、E3に関する雑感は、いったんここで中断することにしましょうか。

 なので、この続きは後日に書きます。でわでわ。

(2018/06/12)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?