野安の電子遊戯工房 ~App Storeから個人製作のギャンブル系アプリが消えた件~
数か月前、ちょっとだけテレビに出演しました。ビデオ収録しただけですけど。
スマホのアプリについて、いろいろと基本的なことを語りました。わたしは番組自体を見ていない(なぜか録画に失敗した)ため、30分ほど喋った中の、どの部分が放送に使われたのかは知りません。
だから放送されていないかもしれませんが、わたしがいちばん力説したのは、いまのスマホアプリが抱える最大の懸念は海外の法律なんですよ――という話でした。ヨーロッパでは、スマホアプリの中にあるギャンブル要素に対して厳しい目を向けるようになっているので、2018年には、それが表面化するんじゃないかなぁ、といった説明をしたのです。
そしたら、本日、App Storeから個人製作のギャンブル系アプリが消えたというニュースが飛び込んできました。ああ、ついに現実に影響が出始めたということですね。いろいろと大変だなぁ。
でもまあ、しょうがないのかな。
というのが、わたしの第一印象です。ヨーロッパって、街中にあるギャンブルに対しては滅茶苦茶厳しいですからね。それこそ30~40年前から、ぽつん、と1台置かれているだけのスロットマシンでも、「使ったお金の〇〇%しか戻ってきません」と大きく書いてありました。義務付けられているのでしょう。
まあ、細かいことは国によって違うはずですが、とくにプロテスタントの国は厳しかった印象があります。いまはEUという共同体になっているから、あるていど統一されているのかもしれません。
でもって、ルールを統一するときは、えてして厳しいものが採用されるものですから、ヨーロッパ全土がギャンブルに対して厳しい目を向けるようになっているんじゃないかな、と想像していたわけです。
こうなると、全世界を市場にするスマホアプリ産業も対応しないわけにはいかないはず。そんなこんなでApp Storeがついに動いた、ということなのでしょう。あくまでも想像ですが。
でも、こういった事態がアプリ市場に訪れるというのは、将来的に、なんかキナ臭くなっていく可能性もあるってことなので、あまり好ましい状況ではないように思います。
だってさ、これって、ヨーロッパの人たちの意見が、全世界の市場に影響を与えているという状況じゃん。それは道義的に許されるんだろうか、という疑問が、ちょっとだけ頭をよぎるのですよ。
たとえばイスラム圏の国の政府が、「~といったアプリは教義的に許されない。全世界的に禁止してほしい」と要望したら、その意見は通るのかしらん? 通らなかったとしたら、「どうして欧米の政府の要望は通るのに、我々の要望は通らないのだ」という疑問に、どう答えるのかなぁ。難しいところですよね。
そんなことを考えていくと、スマホアブリ産業って、どんどん堅苦しくなっていくかもしれません。そういうのって、個人的には、あまり好きな方向の変化ではないんだけどなぁ。どうにかならんかなぁ。
というわけで。
このコラム、原則として時事ネタには触れないようにしているんだけど、今回は、数か月前から語っていたことが現実化したということもあり、例外的に書いてみました。
明日からは、愚にもつかないお気楽なゲーム話に戻ります。でわでわ。
(2018/08/06)
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