綿

ふわふわとした真綿が
とぐろを巻いて
私の首を睨む
その刹那

あ、と

の淵を
音を立て舐め
その世界に牙を
向いている白い蛇が
私の首に巻きついたまま

笑っているような
怒っているような
悲しんでいるような

そんな想像を
見たのです
そんな夢を
感じたのです

今日も私は
あなたに咬まれた
痕跡を
ストールで隠し
平気な顔して
外へ出るのです

#詩 #現代詩 #短編詩