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身体入れ替わり&セックスバトルの大人向けラブコメ『秘匿夫婦』

 週刊漫画誌『漫画ゴラク』で2021年から連載が始まった『秘匿夫婦 ~クピドの悪戯~』。作者の北崎拓さんが長年にわたって描き続けている”クピドの悪戯”シリーズの新作にして、身体の入れ替わりネタ+エロありラブコメとして要注目の傑作なのです。

 そもそも”クピドの悪戯”とは――?
クピドとはCupid(キューピッド)、すなわち天使のことで、天使のいたずらが絡んだような不思議な男女の恋愛を題材に、主人公と舞台、掲載媒体を変えつつ20年弱も続いているシリーズなのだ。

 35歳の冴えない会社員・藤沢克矢(フジサワ カツヤ)は、鼻持ちならない性格の26歳の後輩・富士澤勝也(フジサワ カツヤ)と揉めてるうちに橋から落下し、川に落ちた拍子に身体が入れ替わってしまう。35歳の克矢の魂は、26歳の勝也の肉体の中に。しかもその富士澤勝也の若くて美人の嫁、レイコさんは横柄な旦那の”じらしプレイ”のせいで、ずっと処女のまま(んで、レイコさんの頭は性欲でパンパンになっている)。
色々あってレイコさんは、夫の身体に別人の心が入っていることを理解するものの、周囲にそのことは明かせず、親族会議も嘘で乗り切って秘匿を通している――というのが本作のオハナシ。
「僕たち、入れ替わってるーッ!?」というアニメ映画が2016年に大ヒットしましたが、『秘匿夫婦』連載第1回のサブタイトルが『僕の名は』ですからね、まぁそういうノリの漫画です。

 富士澤勝也&レイコ夫妻の前には、性格と性癖に難のある人が変態さんが次々と現れて勝也とレイコに試練を与え、2人が特殊なプレイに屈せず乗り切るセックスバトルの連続。この辺りも『漫画ゴラク』ならではといえます。異常なハイテンションで展開するエロいラブコメが受けて、既刊はいずれも重版がかかる売れ行き。最新第6巻は、僕っ子ならぬ”俺っ子”の元アイドル・梓 紅葉(あずさ もみじ)が、周囲を巻き込むトラブルメーカーで参戦します。いやはや、これがとんでもない性格で……。

▲ 表紙の女の子が梓 紅葉。
勝也の股間に貞操帯をハメてやりたい放題

元々この『秘匿夫婦』に登場するレイコさんは、クピドの悪戯シリーズ第1作『虹玉』のヒロイン怜子が、主人公とよりを戻さなかったら? という並行世界的なコンセプトだとか。

個人的にはクピドの悪戯シリーズ第2作『さくらんぼシンドローム』は、コメディとシリアスと恋愛とエロスのバランスが丁度良くて気に入っておりまして、小学館のWeb漫画サイト『ビッコミ』で、現在これが読めるのでお薦めです。

▲ 現在は紙のコミックスが手に入りにくいけど、電子書籍で入手可能
第4巻の帯に「ヤングサンデー創刊20周年」と書かれて懐かしい…(既に休刊)